東日本大震災発生から明日で1か月。静かに黙祷をしよう。

2011.04.10

 2011年3月11日午後2時46分 海溝で起きたM9.0の巨大地震とそれによる巨大津波で、(本日現在)2万8千人近い死者・行方不明者を出した東日本大震災発生から、明日で丁度1カ月になる。

漏れて来る被災地からの切実な声に耳を傾ければ、若干の行政などの不手際はあったように思うが、福島原発での対応を除き、阪神大震災の時のような酷い不手際も無く、被災者の支援・救援対応もスムーズに行われているように思う。
多分、まだ行き届かない所はあると思うが、阪神大震災の時のような温度差はあまり無く、被災者支援の為に日本全体が一丸となっている。

ただ、TVを見てるとどこかしら、相変わらず違和感がある。
ACなどのCMにしても、「日本は強い国。日本の力を信じてる。」と言うメッセージを出す物があった。

言ってる内容はもっともで、確かに日本全体を元気づける事も大事なのですが、これがTVの公共広告である事で、何故もっと広い見地に立ってメッセージを出せないのかと言う印象を拭えない。被害甚大なのは復興可能な都市や企業では無く、もう戻っては来ない家族や大切な人を亡くした被災者のほうだと言う意識が余りにも少な過ぎるように感じる。「強い国」と言う文字通りの強いメッセージを出すには未だ早過ぎるのではないだろうか。

「日本は強い国。」では無く、被災者の心の痛みがわかる「日本は人に優しい国。」を目指すべきじゃないだろうか。

ところで、2008年5月12日に中国で起きた四川省大地震では、死者6万人を超す大災害になったのは記憶に新しいが、あの時、中国のポータルサイトが続々と喪に服す意味で白黒のみのデザインになった事を覚えてられる方もいるだろう。
また、中国全土では1週間後の19日からの3日間喪に服し、娯楽的な番組も放送を停止(黒い画面にメッセージ)し、地震発生時刻には街中の車は停止し3分間クラクションを鳴らし続け、犠牲者に対し哀悼の意を表したと言う。以下の動画はその模様だ。


大事故でも発生したかと思うほどのクラクションとサイレンが鳴り響いているのがわかると思う。

中国では、中国加油(中国頑張れ)と言うメッセージと同時に、これほどの哀悼の意も表している。
日本では国民一丸となって、これほどまでに亡くなった方の事を悼む事は無い。

しかし、それは被災者を悼む気持ちが日本人に無いからでも無く、被災者遺族の心情を想いやっているからでも無く、また被災者遺族が祈りを不要と思ってるからでも無いだろう。日本人は決して冷徹な人種では無い。言うまでも無く、その逆だ。
理由は定かでは無いが、思うに、単に目を背けているからではないだろうか。面倒な事には蓋をする、見なかった事にする、そう言った日本のお役所的な体質が、行政主導の被災地支援にも反映している気がする。(これは、福島原発事故発生の初期状態の東電が、(原発を離れて)「逃げ出したい」と言った対応に近い物と思う)

義捐金や寄付も大事でしょう。でも、それが全てで最優先であると思われては、お金では戻って来ない大切な家族を亡くした遺族は決して救われる事はありません。

人の死を悼むと言うのは、権力などによる強制であってはならないが、大切な人の死を悲しむ気持ちを幾らかでも感じ取れる事は、心の傷が癒える迄にかなりの年月を費やすであろう被災者の支援を続ける意味においても、とても大事な事だと私は思う。

震災発生から、明日で丁度1カ月になる。
地震発生時の午後2時46分に、静かに黙祷する者が一人でも増えればと願っている。

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