昔の写真,ネガフィルムのスキャン専用にCanoScan 9000Fを購入

2011.04.30

CanoScan 9000F 先日何年かぶりにスキャナを購入した。主目的は昔の古い写真のデジタル化で、ネガフィルムからのフィルムスキャン中心になる。機種はCanonのCanoScan 9000F。

昨今は古い写真のデジタル画像化も殆どの場合、デジカメ+三脚或いはスキャナ機能の付属するデジタル複合機などで済み、専用のスキャナを必要とする場面は無く購入するとは夢にも思っていなかった。が、最近のフィルムスキャナは高速高品質になったと言う話と添付ソフトに釣られ、今回購入するに至った。

左はEPSON GT-8200UF。右のCanoscan 9000Fは更に大きい。以前に購入したEPSON GT-8200UFもフィルムスキャナとして使っていたが、こちらは対応機種にまだPC-98が載っていた歴史を感じさせるほどの物で、(多分)もう10年近く前のモデルだ。9600dpiの高解像度のスペックを持ち、雑誌程度のスキャンならば画像品質的には今でも使えなくも無いが、あまりにも遅いので使う気になれない。

ところが、以前にフィルムスキャンした画像の画質が悪かったり、スキャンしていないネガや写真がまだ大量にあったので、コストパフォーマンスとスキャン時間の短縮を期待してCanoScan 9000Fを選択した。
更に高速に取り込めるフィルム専用スキャナも1万円台など低廉なモデルもあるが、あまり納得の行く画質ではスキャンできなさそうだ。

CanoScan 9000Fの主な仕様・概要

基本仕様
・光源:白色LED
・光学解像度:4800x4800dpi(フィルム読み取り時:9600x9600dpi)
・読み取り解像度:(ソフトウエア補間) 25〜19200dpi
・消費電力:最大15W/待機時0.9W/電源OFF時0.5W
フィルムスキャニング仕様
・光源:白色LED
・光学解像度:9600x9600dpi
スキャン速度
・35mmネガフィルム等倍:9600dpi 約6分20秒,1200dpi 約18秒
・35mmポジフィルム等倍:9600dpi 約2分15秒,1200dpi 約10秒
・L判カラー写真:300dpi 約4秒
・A4カラー文書:300dpi 約7秒
同梱ソフトウェア
・ドライバー ScanGear
・MP Navigator EX
・画像編集 ArcSoft PhotoStudio
・Adobe Photoshop Elements 8 ※Windows7正式対応
・OCR 読取革命Lite

ともかく今までのフラットベッドスキャナよりも速いのが特徴。詳細は後述。

大切な写真やネガフィルムのスキャンはマニュアル操作重視で。

 私は基本はScanGearの拡張モードで行う。基本モードやおまかせモードでは逆行補正や(フィルムの色あせを補正する)褐色補正及び(赤外光による)ゴミ傷除去の画像調整の設定が出来ないので、大切なフィルムのスキャンはもっぱらこの拡張モードを使っている。画像編集は添付レタッチソフト等でスキャン後でもできるが、品質をより優先するならば、スキャン時に行ったほうがベターだろうと言う判断だ。
原稿の種類,出力解像度(当方の場合は印刷を考慮して2400dpi)などを設定し、[プレビュー]後,[スキャン]を実行して取り込み、[保存]で連番ファイル名で一括保存されると言う手順となる。

なお、スキャン前に、左上のフィルムのアイコンをクリックし、サムネイル一括選択では無いモードにしておく。これはスキャン領域を自動読取に指定しておくと、ハーフサイズカメラで撮影した物や、巻き上げが中途半端などで部分的に撮影に失敗したコマなどが上手く認識されず、サムネイル一括選択では正しくスキャンできない場合がある事への対処。上手く自動設定されなかった場合、自動再設定のような機能は無く、目視で手動によるマウス操作で領域選択や不要コマの削除をするしか無さそうだ。なので、正しくコマが認識されているか逐一チェックできるように、サムネイル一括選択は避けたほうが良いだろう。

 デフォルトのScanGearサムネイル一括選択画面
上は通常のサムネイル一括選択画面

ScanGear全体表示時の画面
左上のメニューで”全体表示”に切り替えて、画面でプレビューを確認してからスキャンをする。



例えば 左のコマのように、ハーフサイズのフィルムでは2コマを1コマとして認識してしまい、このままでは正しくスキャンできない。右のように手作業で1コマづつマウスで矩形領域を指定してやる必要がある。 上はハーフサイズで撮影したネガフィルム。

デフォルト1200dpiはかなり速く2400dpiは遅い。のだけれども。

 メーカー公式スペックの1200dpi時スキャン速度は約18秒とかなり速いが、これが当方のフィルムスキャンで常用している解像度2400dpiになると途端に遅くなり、拡張モード時の当方の平均では1コマ辺り140秒程度かかる計算になった。7.8倍程度時間がかかる計算だ。
試しにこれをスキャナ本体のイージーボタンの[AUTO SCAN]にフィルムスキャンを指定して計測すると、平均約60秒程度と倍以上の速さになった。1200dpi時には平均で約25秒と5倍上の速さとなった。

但し、全てのネガフィルムが画像調整の設定不要で綺麗に取り込め、一括スキャンで全コマ取り込む必要がある物ばかりとは限らず、前述のようにマニュアル操作で目視で確認しながら取り込んだほうが美しく、不要なコマも省けるので、[AUTO SCAN]による一括取り込みのほうがいつも遥かに速いと言う事でも無い。

また遅いのは解像度だけの問題では無く、ごみ傷除去などを指定している事でも大きく時間を要してしまう。試しに図ってみると、2400dpi時ごみ傷除去強設定時100秒かかるコマがオフにすると55秒と半分近い時間で済んだ。美しく取り込もうとすると時間がかかると言う事だ。

場合によっては、気に入るまで何度も取り込みを行うような手間が増えて逆に時間が長くかかってしまうかも知れない。フィルムスキャンは過去のネガフィルムと言う限られた数の資産を対象とする為、頻繁に作業をする物でも無いし、PCで別の作業をしながらでも取り込めるので、速度よりも品位を優先している。

ごみ傷除去効果。オンとオフの比較。
左がごみ傷除去オフ。右がごみ傷除去オン(強)の場合。ゴミが見事に全く無くなっているのがわかると思う。処理はハード的に行っているが前述のようにスキャン速度が遅くなる。遅くなっても処理させる価値がある。

スナップ写真などは本体のEZボタンの[AUTO SCAN]で高速スキャン。

 通常の印刷物や大量に撮ったスナップ写真や重要では無いネガフィルムなどの画質をあまり気にしない物ならば、コピー機感覚の操作で本体のイージーボタンの[AUTO SCAN]するだけで、次々とPCに連番ファイル名で自動保存される。

この間、PCの操作は不要で、当然スキャナとPCの移動も不要なので、作業速度は能率よくかなり速い。メーカー公証スペックではL版300dpiで4秒/枚となっている。
因みに当方では引き延ばしてプリンタ印刷する可能性も考慮し写真は600dpi〜800dpiにしているので、そこまでは速く無いが、L版を800x600程度の解像度のデジタルフォトフレームや一般的なノートPCなどで見る程度ならば、300dpi(1500x1050)でも十分のように思う。

CanoScan 9000Fは実質12000円相当と、かなり激安。

 CanoScan 9000Fは、人によってはかなり激安と見る事のできるスキャナです。
本日現在、本体価格22000円前後(アマゾンなど)で購入できるが、CanoScan 9000Fには前述の仕様にあるように、同梱ソフトウェアにWindows 7にも正式対応している”Adobe Photoshop Elements 8”が付属する。

2011年4月現在Adobeでは新版の”Elements 9”が販売されているが、基本的な機能は大きく変わりは無い。この”Elements 9”は激安店でも(本日現在)10000円前後するが、”Elements 8”でも良いと思うユーザーなら同価値水準とみなせる。よって、その場合の差し引きCanoScan 9000F本体価格は12000円相当とみなす事が出来る。
Canonのフラッグシップモデルのフィルムスキャナが実質12000円程度で買えると言うのは間違いなく激安と見て良いだろう。

画像編集は他の画像ツール連携で作業効率の改善。

 基本はScanGearを使っているが不満が無い訳では無い。例えば、画像読み込み中(スキャン中)は画像編集が出来ない。

[AUTO SCAN]でフォルムスキャンを行った際、画像の回転,上下反転させ保存などの一連の作業を次のスキャン実行中に同時にやる事で作業時間の短縮を図りたいが、 このツールはCanoScan 9000Fがスキャン動作中は画像編集や保存などの作業が出来ない。但しこの場合は他の画像ツールルからTWAIN経由で取り込むか、先に保存してからスキャン中に他の画像ツールを使えば問題は無い。

また若干動作が重く、さほど遅く無いPCでも画像の再編集後の再保存やサムネイル表示などがかなりもたつく事がある。もちろん、これも一括取り込み対応の画像管理対応の画像ツール等からTWAIN経由で取り込むようにしてやれば問題は無い。

CanoScan 9000Fを購入した理由

 CanoScan 9000Fに決める前に、よりも高品位なスキャンができるEPSONのGT-X970とも比較検討したが、あちらは添付ソフトがWindows 7非対応”Elements 7”である事と、CanoScan 9000Fの赤外光利用によるごみ傷除去に魅力を感じた点が大きかった。
前述のように12000円相当とみなして同価格帯水準での最低廉なフィルム専用スキャナとも比較したが、古いネガのスキャンでは色艶補正などで手間がかかる可能性が高く、ムラがあって補正も出来ない場合もありそうなので、今の時点ではリスキーだと判断した。

9000Fでフィルムスキャンを行って確認できたが、案の定、古いネガフィルムなどはスキャナ本体やツール類よりも、汚れの除去や洗浄に手間とコストを費やしたほうが圧倒的に美しく取り込めるほど傷みが激しかった。 特に昭和30年代のカラーフィルムなどのカビが大量に生えてしまったネガはプロの写真屋に修復を任せたほうが良さそうだ。私のような素人だと下手に傷つけてしまう率のほうが高いだろう。
(もっとも、そこは予算があえばの話だが… 古いネガのカビ取りなどは相応の料金になるらしい。)

スキャナ購入目的は老化防止対策への活用

 昨今の東日本大震災の報道番組などで、被災された方達がガレキの山から写真を見つけ大喜びし目に涙していた場面をご記憶の方もいるかと思う。それが大切な遺族の写真などの場合もあるとは思うが、そうでは無くても大切な写真であるように思う。

家や街並み、ふるさと郷土の自然などの全てが消え失せた事で、人が生きて行く上で大切な思い出としての生きた記憶の補間をしてくれる物が、唯一写真だけである事も、あるのではないかと思う。阪神大震災の時もそうではなかっただろうか。街が復興し、人も街も全く違う世界になっても、昔の写真がある事で、孤独死などにはならずに生きて行ける方もいるのではないだろうか。

自分や自分の大切な人や物,景色がそこに存在していたと言う記憶の補間が、唯一残った写真によって成される。許容を超える悲しみに襲われた場合、(震災が)起きた事だけで無く昔の記憶さえも薄らいでしまう。が故に、それを補間してくれる写真は非常に重要になってくる

 震災などの激甚災害のような経験はせずとも、ゆっくりではあるが誰でも、年を重ねると同様に何も無くなってくる。
新しい”物”に恵まれた環境であれば尚更で、新しい物が増えると言う事は昔の記憶を補間する物が除外され続ける事に繋がり、大切な記憶に関係した物が何も無くなる状態になる。

新しい物が溢れる事で、大切な思い出が記憶から薄らぎ、生きる為の力が衰えて行く。

但し、新しい物が、昔の思い出などの記憶の補間を支援する物であるならば、逆により強く生きていける場合もあるように思う。

写真はデジタル化する事で、老眼をかけずとも大きなテレビ画面などではっきりと見る事もできるし、わざわざ大きなアルバムを開く必要も無く自動で画像が切り替わるデジタルフォトフレームならば、日々記憶を刺激し続け、気持ちを若く維持してくれる期待もできます。

もちろん主たる対象は私では無く高齢の父母で、案の定、ふたり揃って昔の写真が次々と現れるデジタルフォトフレームを食い入るように見ておりました。 今回、昔の写真やネガのスキャンの作業を延々と何日もやっていて、私も過去と生きると言う意味が実感としてわかってきたような気がした次第です。

あなたやあなたの家族にとって大切な昔の写真があるのならば、スキャナ購入は強くお勧めしたい選択肢の1つです。

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