nx9030+DR.DAC2で、格安オーディオPCを試みる。

2008.11.22

  実は先日、DR.DAC2(*1)が届きまして。と言うのも、ステレオにデスクトップ(SE-90PCI搭載)を繋いでMP3を聴いていると、結構イイ感じなので、静音オーディオPCを自作しようかと思ったんですが、現在使って無い、静音ノートのnx9030(*2)+USB-DACでいいんでは(?)と思って、選んだのが、DR.DAC2です。他にも候補はあったのですが、最も潰しが利くと言う保険を重視し、消去法でこれを選択しました。(音楽ファイルは無線LAN経由でファイルサーバーから読み込みますので、低容量のノートPCで十分なんです。)

入力はUSB,光,同軸。出力はLINE,ヘッドフォン×2。そしてOPアンプが載せ換えらるので、気に入った音質にも換え易いと言う点などの長所が、保険に当たります。もっとも、国内では実売4〜5万円のDR.DAC2(本日現在、アマゾンで39800円で売ってます)ですが、製造元韓国での実売は24000円程度(後で調べたら、2万円前後でも売ってる模様)なので、(多分)これって、そ〜んなにイイもんじゃ無いよねと言う認識はありました。(追記:韓国シィッピングサイトの日本サイト GマーケットがDR.DAC2の販売を開始。2009年1月11日現在、日本からも2万円台で購入可能。もちろん日本語のままで、支払いは円でOK。その他のUSB対応高音質HPA等も韓国に行かなくても激安で買えます。)

*1:DR.DAC2は、24bit/192KHz 123dbのDACを搭載したPC用USB音源として使えるHPA
*2:まだまだ現役としても使えるクラスのノートパソコン。ファンが殆ど回らず静か。


追記:記事のテーマが格安オーディオPCと言う事なので、ここに記載しておきます。先日、ONKYOのサウンド回路&アンプを内蔵した、SOTECのHDC-2.0ABMが、NTTストアで1万円引きクーポン利用で79800円で売ってるのを確認。激安ですな。定価約22万円のパソコンなので即完売かと思いきや、未だ残っていたので紹介しておきます。スピーカー(D-NX10)セットでも、更に5000円割引が付いて87600円です。自作でオーディオPCを組もうかと検討中の方や、音の良い高性能PCが欲しい方には、間違いなく一考の価値ありでしょう。


追記:2008年暮れに、ONKYOから、格安オーディオPC(高音質ネットトップPC)が発売されました。プレリリースによると、CPUにはAtom230搭載で超静音・省電力・コンパクトを実現し、メモリー1GB,HDD160GB,DVDスーパーマルチ搭載等の構成でACアダプタ駆動。搭載OSはWindowsXP。注目のオーディオ部は、SN比120dbの高音質アナログ出力対応でONKYO独自のVLSCの進化版VLSC2機能搭載でデジタルノイズの低減化。iTunesのリモコン操作対応でアンプと並べて使い易そう… と言った所。残念ながら、音声出力はRCAのアナログのみでデジタル出力は無い。2008年12月28日現在、NTTストアの特価コーナーで、オンラインクーポン適用で53800円で販売されている。簡単に言ってしまえば、Atom搭載の静音PC+ONLYOサウンドカードなので、十分に想像が付く。既にステレオや高音質なアンプ内蔵スピーカーをお持ちの方で、格安オーディオPCが欲しいと言う方には、オススメ間違い無しだろう。

と言う訳で、軽く率直な感想を述べてみたいと思います。

■同軸デジタルケーブル接続でMP3ファイルを聴いた感想。長くなるので誤解を覚悟で要点のみ掲載。

●D-302E(*3)で聴く
解像度が悪く平面的な音。長時間聞けば音の粗が目立ち聴き辛い。ソースによってはミニコンポやラジカセクラスの音を聴いてるような錯覚に陥る事もある。
小音量でも豊かさや艶を感じて心地よく長時間リスニングに適したSE-90PCIを繋いだ場合とは雲泥の差。
因みにDR.DAC2+USBケーブル接続+PCだと更に音質は悪化した。

●ヘッドフォン(ATH-W1000)で聴く。
味付けの無い透明でフラットな音。C-773と似た傾向。切り替えてもどちらの音かわからなくなる事もある。

●ヘッドフォンアンプとして使う。
高域から低域まで、繊細で微小な音も、かなりクリアで良くわかる。
最近ではヘッドフォンで音楽を聴く機会が少なく、ヘッドフォンアンプの聴き比べもした事は無いが、この使い方で値段相応の値打ちを感じる事ができるように思う。

■USBケーブル接続でHD音源(*4)を聴いた感想。
D-302Eで聴いても概ね良好。24bit/96KHzの高音質な音源が生きている。クリアで透明感がある。(これは、CDやMP3再生ではDACの歪みを感じたと言う事なのかな?)
個人的にはやや色づけが薄く感じるが、同時にSE-90PCIと聞き比べると、ナチュラルさでは印象は良くなっている。DR.DAC2は、高音質音源ファイルを主体的に使えば真価を発揮できると言う事だろうか(?)

*3:破壊的な重い低音を響かせるが、特性はフラットで透明感のあるONKYOの小型バスレフ型スピーカー
*4:e-onkyoなどで入手できる高音質音源。あまりメジャーなアーティストの作品は無い。

以上、まだエージングが終わって無い段階での私の耳による感想です(果たして約100時間ほどは必要とされるエージングが済めば良好な音に感じるようになるのかは自信が無いけれども、開封初期の音からすれば既にかなり改善はしてます。しかし、これは音のクセを知って扱いに慣れた事と、耳が慣れただけのような気がします。) もちろん、ウチのオーディオとの相性も多分にあるのでしょう。

私がオーディオに凝っていた貧乏サラリーマン時代は、音の粒立ちや音域・広がりなどが対象の主体で、震災以降昨年再びオーディオ初心者に戻ってからは、デジタルのピュアな透明感を保ちながら、レコードのように優しくて艶があって豊かな音も聴ける環境辺りを目指しています。もちろん、青天井の高級オーディオなんぞには手を出せません(^^; あくまで普及価格帯オーディオで、理想に近づけるようにボチボチとやってます。

埋没した音が蘇る驚きや感動も確かに重要なファクターだと思いますが、聴きなれると当たり前の要素になります。(若い頃はそれが刺激に繋がるでしょうが、長時間続いたりすると、それが、”しんどい”とか感じたりもします。)CDやMP3ファイルクラスの広く普及した荒い音源を巧くカバーするような味付けで、長時間聴いても何度聴いても、一向に疲れず飽きないような、益々心が弾んで来るような、そんなオーディオが、いいオーディオの定義の1つなんだろうなと思っています。

因みに、普段は、デスクトップPCはSE-90PCI+Z-4(ロジクール) ノートPC(Vostro1500)はX-230(ロジクール)の構成です。低音量で聴くならば、X-230のほうがいいですね。お気楽MP3再生ならば、これらでも十分いい音に聴こえたりするんですよね。(追記:X-230後継モデルのX-240に関しては、音が薄っぺらで軽い印象が強く、あまり好みではありません。どうしてロジクールはX-230のリファインモデルを続けないのでしょうか…。実売3000円以下のLS-21のほうが音は良さそうです。)

DR.DAC2はステレオにノートパソコンを繋ぎ、MP3ファイルを再生する事を目的として購入しましたが、その為には、より応答の良いOPアンプに載せ換えるなりの工夫や改造が要りそうだと言うのが今の感想です。
ヘッドフォンアンプ(HPA)としては申し分無いと思いますが、それなりに表現力のあるステレオなどに繋いでイージーリスニングを目指すならば、今ならば、ノートPC+SE-U55SX(SE-200PCIのUSB版 但しUSB2未対応でUSB1.1なので、SE-200PCI程音質は良く無いそうな)か、Atom搭載自作PC+SE-200PCI LTD(SE-90PCIでもいいかも)辺りならば、ローコストでハイパフォーマンスな環境が、楽に得られるのではないかなと思います。

ただ、幸運な事に、DR.DAC2ユーザーは多く、ネットにも改善や改造に関する記事を多く目にできますので、それらを参考にしながら、ぼちぼちとやってみようと考えています。

参考:パソコンで音質の良い音楽を聴く。
※2年前の記事ですので、昨今のPC関連の音楽再生に関する現況とは多少の差異があります。

追記:2008/11/23

そんな訳で、昨日から今日にかけての夜間、本来の主目的としての用途 ノートPCでMP3再生⇒USB2.0経由⇒DR.DAC2⇒アンプで再生 のパターンの改善で、簡単な範囲で少し試して見たのでメモ代わりに記しておく。使用したのは、Hayley Westenraのsomewhere を320KbpsでMP3に変換したファイル。約30回以上比較試聴。(フレーズ単位ならば100回以上かな?)

1:再生時はノートPC(nx9030)の電源を、AC/DCから内蔵バッテリーに換える
⇒ ノイズの発生率が減ったような印象を受ける。(本来アナログとは異なる、デジタルなUSBなのだから、ノイズの影響が出ない筈なのだが、実際はアナログ回路に影響を与えている。かなり濁らせているような印象を受ける瞬間もある。)

2:再生時は液晶画面を消す。スクリーンセーバー(ブランク)で即座に、続いて電源管理設定で1分後に消す。
⇒ 気持ち程度、音が良くなった気がする。ブラインドテストされると自信は無い。

3:LINE出力では無く、DR.DAC2のフロントのヘッドフォン出力から、変換ケーブル経由でアンプに繋ぐ
⇒ ノイジーな質の音は減ったが音の輪郭もやや弱くなっている。但しこれは年代物の(主用途はTVやラジカセ用の)安物変換ケーブルのロスによる物と思うが、嫌いな音では無い。ボーカルがやや前に出てきているのは、OPA2604の性能だろうか(?) 全体的に平面的な印象が強くなったように思うが、ケーブルのロスを脳内補間すると、こちらのほうが聴き易い印象がある。これは、LINE出力のOPアンプの交換で音質が改善される可能性を示唆していると推測する。

そんな訳で、リーズナブルなLME49720とLM4562辺りとノイズ対策にフェライトをオーダーしておきました。

追記:2008/11/27

一昨日、OPアンプが届く。2日間かけて、組み合わせを検討。約20通りの組み合わせの中から試行錯誤しながら、以下に決めた。

I/V:5532DD*2  LPF:LME49720 HPA:LME49720
出力はLINEからでは無く、 やはり、ノイズが少ない印象のあるヘッドフォン出力(2)をアンプに繋いでいる。NE5532から、低ノイズの5532DDにすると、低音が固くなったようでもあるが、明瞭でしっかりしているように変わった。全体的にはくすみを抑えながら、低音量でも或る程度の艶と深みが出る事を重視した。純粋にHPAとして使い、高性能なオープン型ヘッドフォンなどならば、FDO全てLME49720でもいいのだろうと思う。ただ、その組み合わせでは、スピーカーを通して聴くと、CD再生のような音質で、一言で言えば(厚みが無いと言う意味では無く、透明感が増した理由が音が薄くなったからのように聞こえる)薄い音になり、味気無い。

個人的な好みから言えば、ベストな音とは言い難いが、低能率のD-302Eでもボリュームをあまり上げずに、そこそこ良い(ように感じる)音になり、長時間聴いていも聴き疲れしない環境に近づいたような印象。この点を最も重視し、この組み合わせに決めた次第。

一般的に、ONKYOの音は透明感は強いが、他方でふくよかさや艶が足りないなどと言われ、共感する点は多いが、今回のDR.DAC2によって幾分は改善されたかなと言う所だろうか。もちろん、この環境で十分に満足しているかと聞かれれば、YESとは言い難い。

追記:2009/11/24

1年以上が経過した事もあり、試しにLT1364CN8を載せて見た。まだ、エージング(耳≒脳の理解の慣れ)は、終わって無いが、いわゆる「いい音のするオーディオ」と言う印象に変わった。

構成 I/V:LME49720*2 LPF:LT1364CN8 HPA:LT1364CN8

ポップス,洋楽など、ボーカル系で、音の透明感が増した。ただ、味付けが更に抑えられ、薄い音と言う感じがする。艶っぽさも失せ、ふくよかな低音から、ややしまりの無い低音に変わった。特にクラシックで顕著だろうか。ズシンと来る感覚が減ったように思う。

とは言え、これはこれでアリで、暫くはこの構成で聞こうと思っている。特に、ボーカル系の曲で、聞き心地の良いピュアな印象の音を求める人には、お勧めかも知れません。

追記:2009/12/06

あれから、少し変更しました。

構成 I/V:LME49720*2 LPF:LT1364CN8 LINE出力:LT1364CN8

以前の構成では、ヘッドフォン出力のほうが音が良かったのですが、今回LT1364CN8を乗せたところ、上記構成と遜色ないレベルに感じたので、暫くはこの構成で使う事にします。

 

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