今年1年のインターネットを振り返って見て

2008.12.07

急に冷え込んだ事もあってか、久々に風邪をひいてしまった。と言っても養生して薬飲んで数時間程度で治ったようだから、ここ何年かは相変わらず健康体と言う感じで有りがたい。(医者が信用できないので、自力で直さねばと言う意識が働いている結果かも知れないけれど)

さて、今年もあと1ヶ月を切りました。
サイト運営の今年の総括なぁ〜んて域にも到って無い状況ですが、振り返って見て思う事は、”自分達が”よりも、”自分達の周りが”と思う事のほうが大きい。
色々な変化があるけれども、その中でサイト利用者の変貌もそうかも知れない。今年はそう言う感覚の投稿が増えたように思う。

基本的にサイト運営の”こちら側”はネット参加者の母数から言えば極少数派で、コンセンサスは取り辛い。常にアンテナを派っているが難しい。専門性が強まるほどに、サイト運営者間でも理解しあい難いのが実情だ。しかしながら、大多数であるサイト利用者のサイドも、自分の立ち位置が見えて無いようだ。

何かと言えば、モード的な比較対照が欠落している事。即ち、何が普通か理解していない人が増えたって事でしょうか。多分、実生活ではいたって普通なんでしょうけれども、ネット上ではどうもちぐはぐで、そのストレスが文面からは見て取れます。

”こちら側”と書きましたが、別に高見から見下ろしているなんて思って貰いたくは無い訳でして。例えて言うなら、お客様では無いのですから、市場の裏も表も知ってなくちゃねって事です。昔の商店街などの市場を思い出して貰えばわかるように、店の裏手へ回れば、華やかな店先とは対照的な風景がそこにはあります。このような情報サイトを運営する場合、商品よりも店や店主を、そして店を見るならばまず裏手からと言う事なのです。

昨今の人気の高いブログだと、情報に目利きの良い者が書くと言うケースが多いでしょうけど、ウチはサービス内容よりも、どのような企業或いは個人が何を目的として提供しているのかがまず重要な点で、そこをクリアしていない物は載せない事としています。これを毎日のように繰り返している事で、自然とネットの見方は大きく変わってきます。

ただ、この作業も昨今のWeb2.0によってややこしくなってきています。客観的な評価や噂をネットからすくう事が難しくなった事がその理由の1つです。
ネットにもマスコミ的な商売のスタイルが1つできていて、例えば、何らかの形での金銭的授受の伴うクチコミ投稿や記事の増加で、TVショッピングのサクラのようなスタジオ参加者などと類似性を持った物になっています。もちろん、より(宣伝)コストが低いアフィリエイトなどへと流れた事で一般にも知れ渡ったのですから、トップダウン的な流れと解釈しています。即ち(随分前から)幾ら自作自演があったかわからないと…

話しを脱線させながら続けますが。
SE-90PCIと言う非常に魅力的な音を出すサウンドカードがあります。適度な柔らかさと透明感は、MP3クラスのやや荒い音源には丁度良く聴き疲れも無く、現在も良く売れているようです。特に音の高域表現にさほど魅力を感じなくなってきた中高年世代にはお勧めしたい一品です。価格も割安で、現在フェイスで7770円で販売されています。
しかし、ネットを徘徊すると、目につく所で話題に上がるのは、他メーカーも含めた割高な上位モデルが多いように思います。もちろん、スペック的には性能は上でしょうが、果たして本当に値段相応の良い音かどうかは微妙な所です。あぁ、もちろん、良い音とは音楽を楽しめる音の事であって、アーティストの粗やレコーディングの悪さ迄を如実にわかってしまわない心地の良い音の事です。ハイビジョンを見て女優の顔の皺やシミを発見して幻滅させられるような事を、好きな音楽で望む人はそんなにいるとは思えませんからね。

話が少し逸れましたが、では、なぜ、割高・高価な上位モデルの話題が多くなるかと言うと、そこは”オーディオの世界”の入り口に差し掛かっている事が理由の1つだからと推測します。簡単に言えば、携帯オーディオ以外は薄利多売商品では無いので、より高い物が売れたほうが、売る側が旨みがあるのがオーディオの昔からの商売の仕方です。(全肯定する訳では無いですが、この辺りは、高級オーディオよりも良い音とされた、クリスキットの故・桝谷英哉氏の弁を参照すると興味深いかなと。私は、オーディオは一定の水準以上を満たせば、後は好みの問題だと思っています。)
ですので、コンポ並みに高音質化した現代のパソコンでの音楽再生に関しても、そう言う”流れ”が出てきちゃうのだろうなと推察しています。

プロモーション⇒人気が上がる⇒数が売れる⇒需給関係で安くなる
と言うのが一般的ですが
プロモーション⇒人気が上がる⇒数が売れる⇒数量制限⇒需給関係で高値維持⇒モデルチェンジ&プロモーションを繰り返す
と言う事が起きるような商売の仕方です。商品価値を上げる為のブランド的な売り方ですね。

現在円高と言うメリットもありますが、例えば、某韓国メーカーのUSB対応ヘッドフォンアンプは国内では2〜3倍の価格で販売されているとか、日本でも人気の高い某英国メーカーのスピーカーは国内では倍程度の値段で販売されているとか。輸入版CD(SACD)にしても、米国価格の倍程度ですからね。(あぁ国内版じゃ無く、輸入版の米国価格と日本国内価格の違いと言う意味です)

個人的な考察では、(技術立国では無くなるであろう日本が辿る道は)将来に渡って、輸入品が増えて来る筈と思ってますので、身の周りの色々な製品で同様な現象が起きると考えています。もちろん、そのような状況になれば、ゆくゆくは欧米の大手ショッピングサイトであらゆる物を安く簡単に直接購入できる日がやってくる可能性もあるかも知れませんが、既得権益大国島国日本では中々難しく、逆に増加すると推測します。

あくまで一例による商品売買における紹介ですが、そもそも満足を買って貰えれば良いのですから、必ずしも消費者の利益を守る為にある訳では無く、実は売る側寄りの複雑な構造が徐々にネットでも形成されていると思います。これは物の売買のみならず、何らかの形で経済的利益や権利関係が生じる全てのネットサービスにおいても同様に考えられるのが、最近のインターネット全体の方向性ではないかなと思う次第です。

冷静に比較すれば何も特別なサービスや情報でも無いのに、誇大に評価されたり、特別に扱われたり、その一方で、非力な個人が泣き寝入りしたり、苦労が報われず貴重な機会を失ったりと… ネットが公正では無いのは昔からそうなんですけど、今年はそんな風に感じる事の増えた1年だったでしょうか。

多分ね。例えば、道端で倒れていても誰も声をかけないような現実社会同様に、ネットもなってきつつあるんだと思いますね。
緊急を要する災害時を除き、我々は必ずしも助けを請う者が弱者とは限らないリスクを承知し、直接的な素人による手助けよりもプロによる適切な処置がなされるように支援をするに留めます。
他方、ネットでは、自力で解決するにしても、知恵や知識を拝借する事は容易に出来ても、ネット上での介入や支援はまだまだ期待できません。
だから、結局、いざと言う時に守れる自分にしておく必要があるんだと思いますよ。 そして、出来れば、困っている誰かの役に立つような何かを、日頃からネットでしておくといいかも知れませんよ。

無料サイト集 Kooss (run)記

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