一般の個人投資家にとって、株は本当に買いどきだろうか?

2008.10.30

 今日は、家族揃って風邪で頭も目も痛くて、私は、頭に冷えぴタと目薬を頻繁にさしながらで、なんとかパソコンを使ってる状態だったりします。

本日、九十九電機が会社更生法を申請した。即ち倒産だ。パソコンを或る程度知っている者には、老舗的存在のPCショップの倒産は、ショックだったかも知れない。
PC-Successの時は、余りにも無茶な激安価格だった事もあって、それとなく予測もできていたが、比較的堅実に経営していたように見えたTUKUMOが潰れる事は、予想していなかった。
帝国データバンクの大型倒産速報によれば、負債額は110億円で、原因はキャッシュ不足のようだから、これも、国際的な金融ショック、即ちサブプライムローン問題が影響しているのだろうと推測する。

某NHK、本日7時30分からの国谷さんのクローズアップ現代、某上場大手の輸出企業でも、大震災クラスの異常事態と述べていた。流石に現場が映像になっているとわかり易い。日本だけは(サブプライムローンとは)無縁などと言われていた期間が長かっただけに、衝撃の驚きは大きいのかも知れない。日本の輸出企業にとっては、今はまだ、”地獄の蓋が開いたところ”ではないだろうか。昨日も書いたように、中長期的には、日本の工業分野は未来は無いと考えている。

他方、昨日、今日と日本・アジア・欧米の株価が上昇した。
もちろん、取引のボリュームが大した事が無い事が示しているように、短期の利食い目的の市場参加者が多いのだろうと推測しているが、G20で日本が多額の米国債を買う方針を示すと言う事なのかなと勘ぐっている。
しかし、もし、このまま上昇を続けると楽観的に考えている方がいるならば、右のNYダウのここ30年(1978年〜2008年)のグラフを見て欲しい。

少し話しを脱線させながら進めるが、十数年前、バブル崩壊後日本株が暴落し、国際優良株が割安感を持っていた1990年代前半、金融に精通している知人に株の話をしたところ、「日本株には魅力は無い」「投資するなら米国株」「NYダウは1万ドルを越える」と言う話を、こっそりと聞いた。もちろん、私は米国株に投資するだけの甲斐性も無く、俄かには信じ難い話だったので、”お話”としてしか聞いて無かったが、1995年以降急激な上昇を続け、見事に1万ドルを越えて行くのをニュース番組で見ながら驚いていたものだ。信じられない暴騰(バブル)だと感じた。要は、いわゆる米国の金融主体経済への変貌なのだけれども、今、米国で起きているのは、その金融経済から実物経済への逆の変化なのだから、大雑把な事を言えば、NYダウは1995年以降の上昇分は無かった事と考えれば良く、適正な水準のレンジが見えて来るだろう。8000ドル程度がその辺りと言う、1つの見方ができる。

もちろん、デイトレーダーのように画面に張り付いて取引をされる方や、株価に一喜一憂せず、資産分散を目的として長期の投資を検討している方ならば、絶好の機会かも知れないが、一般の個人投資家が、数ヶ月前〜数年前の状況と比較して割安云々だけで、果たして悠長に手が出せるものかどうか。まずは、世界の経済の実態を良く考察してからでも遅くは無いのではないだろうか。

よく言われてきたように、株は上がったり下がったりしながら上げて行く。などと考えるべきものでは無く、株はいつかは紙屑になるものなのです。

当たり前の事だが、当方は株を買えだの株を買うななどと言って利益が生じる立場では無い側の人間である事が、暗黙の了解事項です。いわゆる、プロや専門家の皆様方は、これによって飯を食う訳ですので、今の状況で(プロが一般投資家に対して)大胆な事が言えるのは、バイアスをかけているのだと認識しています。

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