最強の怪獣の筈のゼットンが科学特捜隊に負けた理由。

2008.02.17
さらばウルトラマンより ウルトラマンvsゼットン ビデオ映像キャプチャ サムネイル縮小画像

 BS11で放送中のウルトラギャラクシー大怪獣バトルが人気のようだ。こちらでも紹介しているように、初回と最新話(番組放送開始と同時)の各1話が完全無料で高画質でネットで見れる。番組も大詰めを迎えてきているようで、最終話ではウルトラマンも登場する可能性もありそうな気配だ。

で、現在、ウルトラマンを倒した最強の怪獣として、(宇宙恐竜)ゼットンが登場しているのだが、子供向けの怪獣プロレス番組とは言うものの、テレポーテーションの瞬間移動や、無駄な攻撃をせず、相手の弱点を着実に狙うゼットンらしさが無く、ドロップキックに投げ技の連発で、まさに怪獣プロレスとなっており、ゼットンの事が頭のどこかしらに残ってしまった。で、番組では”最強怪獣”などと連呼されるので、ふと、では何故そんな強いゼットンが、科学特捜隊(ごとき)に倒されたのか、自分なりに整理しておこうと思った次第。

ウルトラマンが簡単に退治する数々のウルトラ怪獣に、ことごとく苦戦し続けて、怪獣を倒す能力も殆ど無かった科学特捜隊が、(今や)最強の怪獣と評価されるゼットンを、たった1発の試作品のペンシル爆弾で倒せたのは、腑に落ちない人も多いのではないだろうか。もちろん、たった1個の小さな兵器(ペンシル=鉛筆)でも、宇宙最強クラスの悪敵をやっつけられると言う、”ペンは剣よりも強し”などと比較できない絶大的なスケールで、私達人類が持つ無限の可能性を示したのは、流石は故・円谷監督だと思う。当初の企画では、助けにきたゾフィーが、ゼットンをやっつけると言う、いかにも子供受けしそうな筋書きもあったそうだが、円谷監督がこれを書き換えさせたらしい。この最終話の英断が無ければ、もしかしたらウルトラマンは40年以上もシリーズ化しなかったのではないだろうか。

しかし、ウルトラマンはウルトラQシリーズの作品故に、最強のウルトラマンがあっさりと負けた相手に、たった1個の小さな兵器で勝てたと言う受け入れがたい設定にも、何かしらの論理性のある理屈がある筈だろう。その理由の1つは、以前にも書いたように、ウルトラマンは単に義理人情に厚い一人の宇宙人であって、実はウルトラマンもそんなには強い存在でも無く、そもそもゼットンは科学特捜隊にやられるほど弱かったのではないかと言う考え方ができなくはないだろうか。

ゼットンには致命的な弱点があり、それで科学特捜隊は勝てたのではないかと考える。そもそも、ゼットンは、ケムール人にしか見えないゼットン星人と共に地球侵略の為に、科学特捜隊とウルトラマンを倒す事を目的として、不意をついて地球へ奇襲をかけたのであって、それが証拠に、ゼットン星人は科学特捜隊本部へ人間に化け潜り込み、破壊し易い内部から破壊し機能を麻痺させ、ゼットンはウルトラマンとの戦いで3分近くなるまで羽交い絞めにして攻撃できないようにした上で、3分近くが経ち制限時間が来た時、ウルトラマンが切り札のスペシウム光線を放つが、待ってましたと言わんがばかりにゼットンは(ウルトラマンキラーとでも言うような必殺技で)スペシウム光線を吸収し、ウルトラマンの急所である、カラータイマー目がけ反射し、執拗にカラータイマーを狙っている。また、ウルトラマンに対する精神的な攻撃も効果があり、(日本の)科学特捜隊本部が大打撃を受けた状態である事や、科学特捜隊本部を背景にして戦うシーンで焦る様子などからも、思考力が落ちていた点も伺える。

以上のように、ゼットンがウルトラマンに勝てたのは、ウルトラマンの弱点を知るゼットン星人がウルトラマン攻撃対策を綿密に立てていたからではないだろうか。故に、想定の範囲内の攻撃兵器であれば対処できたが、昨日できたばかりと言う、ゼットン星人のデータには無い新兵器であるペンシル爆弾による、不意の攻撃を防ぎようが無かったのではないかと思われる。(ウルトラマンを倒した事で、もはや敵はいないと油断していたのかも知れない)

ゼットンは、ウルトラマンを倒せた事で、最強と過大評価をされていると思うが、それは違うのではないかと考える事ができる。逆に言えば、他の怪獣や宇宙人の多くの出現目的は、街を破壊する事であったり、地球を侵略する事で、ウルトラマンを倒す事では無かったが故に、”怪獣退治の専門家”に負けただけなのかも知れない。

ゼットンは、勝つ為に”計画どうりに送りこまれた戦略兵器”であった故に、科学特捜隊に負けたように思う。

ウルトラマン最終回、”さらばウルトラマン”が放送されたのは、昭和42年、1967年の事。それから約8年後にベトナム戦争が終結するのですが、最新鋭の兵器を持つ強大な米軍を震いあがらせ撤退させたのは、臨機応変に戦い方を変える、ベトナムのゲリラ兵であった事はご存知のとおりですが、この事は、ゼットンが科学特捜隊に負けた理由と類似性を見出せるような気がします。

さて、そろそろサンプロを見る時間なので、これにて(^^;)

追記:最近では、ゼットンは1兆度の火球を吐くので最強などと言われるようですが、この設定は怪獣図鑑などでライターが勝手に書いたものと言う話があり、言わば”白髪三千丈”のように、(ウルトラマンを倒したと言う)強大さを示す為に、後からつけられた能力ではないかと考えています。(当時の怪獣図鑑は、子供相手でしたので結構いい加減でしたからね。1兆≒物凄い温度と言う事なのでしょう。) 少なくとも、番組ではそのような非現実的な攻撃力を持つ事を垣間見せるほどの火球(光線にしか見えないが)を発する場面は1度もありません。特撮の神様と言われた円谷英二の円谷プロの映像の事実のほうが重要でしょう。因みに、ゼットン星人と言うのも、後になってから、命名されたらしいそうです。(私はケムール人だとばかり思ってました)

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