自作PCアップグレード Athlon II X2 250@3.3GHz

2009.06.27

自作 Athlon II X2 250マシン サブマシンをAthlon II X2 250マシンとして、アップグレードアップさせましたので、紹介します。

 Athlon 64 3000+(Socket939)⇒Athlon 64 3200+@2.1GHz(AM2)と言う環境で使ってきたサブマシンで、WindowsXPの環境では、重いと思う事もまだ少ない状態でしたが、今後利用が増えるであろう、フルHD液晶でのフルHD動画再生をよりスムースに快適に見れる環境にする事と、上位プロセッサの割安感が高まった事で、CPUとM/Bを新規に調達し、PCをアップグレード(ほぼ自作状態ですが)しました。

当初は、5050e辺りを検討していたのですが、Athlon II X2 250(AM3/AM2+) のほうが長期で使える可能性があり、クロック耐性が高く、価格対性能比でのコストパフォーマンスが高いと判断し、X2 250に決めました。

結果、 かなりの低予算で、そこそこ静音・高機能なマシンになったと思うので、ベンチマーク結果を含めた概要を、簡単に紹介しておきます。

尚、お約束事ですが、計測結果などは環境等で異なるので、参考的な数値として参照願います。

ハードウェア構成及び購入費用

・CPU:AMD Athlon II X2 250 ※新規購入 TUKUMOにて。今はドスパラのほうが安くて9K円以下ですね。
・M/B:JETWAY PA77GTA-VT ※新規購入 但しバルク。BIOSは最新のA05だった。
・MEM:DDR2-800 1GBx2 ※そのまま流用
・HDD:160GB SAMSUNG HE160HJ SC440より流用。意外に静音
・DRV:TEAC DV-W50D ※そのまま流用
・VGA:ATI RADEON HD 4550 (RV710) ※そのまま流用
・SND:ONKYO SE-90PCI ※そのまま流用
・電源:ZUMAX 400W ※そのまま流用。但し12cmファン交換静音化
・CASE:フルタワー型 ※5年以上前購入した自作AthlonXP機。約3年間使用後、約2年間放置していた物

ハードウェア構成。シンプルでスッキリしている。今回の自作(と言うかアップグレードと言うか)に新たに購入したのは、CPU,M/B,及び電源用の12cm静音ファン(流体軸受)で、合計が約12700円。M/Bがバルクと言う事などで、超激安で購入でき、かなり安く済んだ。AM3のM/Bが手ごろな値段で流通する迄、1〜2年程度しか使わないかも知れないので、今回はバルクでも良かった。(但し、PA77GTA-VTは使用パーツの耐久性能が良く、中々不具合などは起きないと思われます。)因みに、OSは当分の間は、WindowsXPをメインとして継続利用。

以下、AMD公開のAthlon II X2 250標準仕様より抜粋

ProcessorAMD Athlon II X2
Model250
OPN TrayADX250OCK23GQ
OPN PIBADX250OCGQBOX
RevisionC2
Core Count2
Core Speed (MHz)3000
System Bus Speed (MHz)4000
Voltages0.85-1.425V
Max Temps (C)74
Wattage65 W
L1 Cache Size (KB)128
L2 Cache Size (KB)1000
CMOS45nm SOI
Memory InterfaceDDR3
Hyper TransportYes
SocketAM3

CPUクーラー&CPUファン

 M/Bがバルクだったので、JETWAYやRealtek等からドライバを入手する必要があった事などを除き、今回の自作で特徴的且つ時間を要したのは、このCPUクーラーに関する事のみだろうと思う。

AthlonII X2 250用クーラーの改造。リテールクーラーのアルミは硬く、ネジは片側だけで十分にしっかり止まる。PC背面に手を翳すと十分に涼やかな風圧があり、 ケース内のエアフローは十分に確保出来ているので、背の高い大型クーラーを別途購入すれば、ロード時もかなり静音で、アイドル時はファンを止める事もできると思われる。

しかしながら、折角標準で付属してくるリテールクーラーを使わないのは勿体無い。ところが、JETWAY PA77GTA-VTのスマートファンは、ON(最大回転数)とOFF(ファン停止)でしか機能せず、頻繁に生じる動作時と停止時の発生音のギャップが激しく、精神衛生上良く無い。また、フリーのSpeedfanも機能しない。他方、クロック耐性も高いので、常時OC(220MHzx15=3.3GHz以上*1)で使う為に、低速な静音ファン1個のみでは安定して使えないと思われる。

そこで、リテールクーラーに手持ちの静音ケースファン(流体軸受)を2段重ね(*2)で使う事にした。ファンの組み合わせは、5cmファン(4000rpm)+8cmファン(1500rpm),8cmファン(1500rpm)×2等々、高負荷環境でのテストなどを含め数日間色々と試し、試行錯誤の結果、上段8cmファン(1500rpm 14.0dbA)常時回転,下段(2000rpm 23.4dbA)スマートファン制御 と言う形に落ち着いた。

クーラーはみ出た部分の気流は、メモリーや下のノースブリッジへと流れる因みに、8cmファンはクーラーより若干大きい為、はみ出た部分からの気流は、メモリーを迂回して、ノースブリッジへと流れ、周辺も冷却する。ノースブリッジがかなり高温になるので、配慮した。左の写真を参照願いたい。

通常のブラウジングや音楽や動画再生などのアイドル時は、非常に静かな上段のファンのみが回転し、ベンチマーククラスの高負荷時のみ下段のファンが回転し、CPU,メモリー,チップセットを急速に冷却すると言う構成になっている。下段も流体軸受けの静音ファンなので、2個動作時でも煩いと言うほどでも無い。

CPUの温度は後述の通り、アイドル時29度 ロード時49度(室温25度)となった。

以下、参考迄にCPUファン,電源ファンを含めた構成を紹介

・CPUファン1:8cmファン SA0825FDB12SL(14.0dBA) ※やや個体差はあるが、無音に近いほど静か。
・CPUファン2:8cmファン SA0825FDB12L(23.4dBA) ※スマートファン用。アイドル時は停止
・ケースファン1:8cmファン 不明 15db前後と思われる ※7.5V減圧なので、実質10dbA以下と推察
・ケースファン2:8cmファン サイズ製 ※但し現在はオフ。本格的な夏場に使うかも知れない。
・電源ファン:12cmファン SA1225FDB12L(15.8dBA)

*1:Athlon II X2 250のオーバークロック耐性は高いのですが、当方はOCが目的では無く、安定して動作する速さを選択しただけです。国内では、3.8GHz動作の記事などもありますが、海外では、Phenom II X2 550の4GHzオーバー動作の記事もあります。

*2:多分、ネット上には(CPU)ファンを2段重ねにして使う記事は無いと思われるので、補足しておくと、上段と下段のファンは付属のネジでしっかり固定されます。但し隙間は若干1〜2mm程度あけておいたほうが、微妙な風切り音が出なくなります。また、回転数の大きなファンを下段にする事で、若干発生音が抑制される模様です。

CPUコア電圧設定

 当初はK10statを使って細かく電圧設定を行った。ロード時(3.3GHz動作)で1.20Vに設定していると高負荷時などで不安定になる等があった(*4)ので、安全の為若干高めに設定した。
長時間高負荷状態で使う事が滅多に無い為、高負荷時の熱対策や省エネは、さほど気にしなくて良い。

3.30GHz 1.30V
2.53GHz 1.20V
1.98GHz 1.10V
0.88GHz 0.75V

但し、アイドル状態で、0.75Vに落としても、後述のようにCnQ有効 アイドル時(1.00V)との消費電力の差がワットチェッカーでは1〜3W程度の差しか無かった。
また、Athlon II X2 250 は、OC耐性が比較的高い模様なので、常時OC(220MHzx15=3.3GHz)で使う事にしているが、デフォルト電圧(1.425V)以上にして4GHz等の高クロック動作を目指すと言う事は無いので、現在はK10statでは無く標準的なCnQの環境で使っている。

*4:後で再度調べたところ、マウスやUSBキーボードなど周辺機器側の不具合の問題で、現在は解消されている。3.3GHz時も1.20V動作で特に問題は出ていない模様。

消費電力とCPU温度

 ワットチェッカーを使った消費電力の計測結果(*3)を、簡単に紹介しておきます。

CnQ動作時
ロード時:118〜120W ※Prime95使用 約10分間観測
アイドル時:70〜72W ※タスクマネージャー CPU使用率0%状態時

K10stat ※NBはデフォルト1.175V
ロード時(1.3V):118〜120W ※Prime95使用 約10分間観測
アイドル時(0.75V):68〜71W ※タスクマネージャー CPU使用率0%状態時

因みに、待機電力は2〜3Wとなっている。

尚、この時のCPUコアの温度を、CoreTemp(0.99.5β)の値を参考として以下に掲載。室温は25度

ロード時:49度 ※CoreTemp 0.99.5β最大温度 Prime95 約15分使用後 安定温度
アイドル時:29度 ※CoreTemp 0.99.5β最低温度

*3:誤解の無いように、蛇足ながら追記しておきますと、消費電力を気にされる方は、オンボードVGAの780G等のチップセットのM/Bをお勧めします。増設グラフィックカード(ATI RADEON HD 4550)の正確な消費電力は未計測ですが、20〜30W程度、更に消費電力の削減を達成でき、増設カードを使用しない、内蔵VGA,SOUNDを利用する環境では、アイドル時、40〜50W程度になるのではないかと推測します。

ベンチマーク結果

 以下、簡単にベンチマーク結果を紹介しておきます。

3DMark06 1280x1024
3911 3DMarks,SM 2.0 1373,SM 3.0 1532,CPU 2773

FFBench(FFBench3)
Resolution High
7493

スーパーπ
104万桁 24秒
419万桁 2分4秒

CINEBENCH R10ベチマーク実行終了画面CINEBENCH R10
※CPU性能のみ計測
Rendering (Multiple CPU): 5622 CB-CPU,2分37秒

ゲーム向きでは無い、HD映像を快適に見る為に購入した、低消費電力&ファンレスのビデオカード(VGA)のみしか所有していないので、3DMarkやFFBenchではVGAの影響が出ているのがわかると思います。ただ、それほど遅く無いのは、CPUの性能が影響しているのでしょう。

AMD系はスーパーπは比較的遅いが、Athlon II X2 250でも、同様な結果になっていると思う。他方、レイトレーシングでレンダリング速度を図る、CPUの速度が大きく影響すると思われるベンチマークソフト CINEBENCHの結果は、デュアルコアプロセッサとしては、そこそこ良い結果になっているように思われる。

最後に 自作PCのススメ

 目下のところ、速くなったと強く体感できるのは、Apple Movie TrailersのHD(1080p)動画が、標準のQuickTimePlayerでも極めてスムースに再生できるようになった事でしょうか。但し、Athlon 64 3200+等の遅いマシンでも、VLCなどのプレイヤー次第ではスムースに見れるので、旧サブマシンでも見れなかったと言う事ではないのですけどね(^^;)

あと、IE8のもたつき感が無くなったとか、そんな程度ですね(追記:一部のツールの一部の機能で目に見えて、速くなっている場合もあります)。ゲームやエンコもしないので、特に作業効率が大幅に改善されたと言うような事はありません。基本的に、このサブマシンは、CPUをフル稼働状態で使う事が少ないので、今のところ、あまり速さの恩恵は得られませんが、外付けの地デジチューナーなどを購入してフルHD液晶で見たり録画するようになったら、実感できる機会が増えるかなと思っています。

あと、 暇があったら、Windows7のテストでもしてみます。

 サブマシンにAthlon II X2 250と言うのは、明らかにオーバースペックなのですが、前述のように、1万円台そこそこの費用でアップグレード出来た事や、消費電力などから見て、総合的なコスト面では、特に何も問題は無いように思われます。また、AM3マシンになっても使い続けられる石である事で無駄にならない安心感が大きいかも知れません。

また、既述のようにCPUやM/B以外は、殆どが手持ちのパーツの流用で、新規購入パーツを極力減らしました。本来、冷却性能を上げるならば、最新の高性能なPCケースとCPUクーラーを購入するのが手っ取り早いのですが、既存のパーツを再利用している事で、かなりエコなマシンになっているように思います。(本当のエコ=ゴミを出さない事。ゴミにしない事)

ノートPCの場合は、一般的に分解すら敷居が高く、パーツの調達もままならず更に割高である事からすれば、デスクトップPC(自作PC)の場合は、パーツ交換を繰り返せば、低コストで長期に利用し続ける事ができます。

もちろん、中古市場に売れば無駄はありませんが、今はノートPCでも旧型機は供給過剰気味で、高値売却は難しいそうですね。他方、自作PCの場合、かなり古いパーツでも需要があって売れる事もあり、無駄を省きやすいですね。同じパソコンを長く使う人が増えているんだと思います。

パソコンは年を追うごとに安くなり、今はミニノートPCならば、2万円台デスクトップでも旧型アウトレット特価なら1万円前後で買える事もある時代ですし、自作PCは趣味の範疇と言う認識も広がって久しいのですが、長期的視野で、こだわりのある優れた性能のパソコンを使い続けるのならば、やはり自作PCが、最も総合的にコスト面でもパフォーマンスが高い結果になるのではないかと思われます。

因みに、このサブマシンで利用していた、以前のM/B&CPU(BIOSTAR Geforce 6100 AM2 + Athlon64 3200+)は、奥様のメインPC用に、静音仕様で組み上げて現役で使っています。こちらのパーツは全て再利用になります。

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