SC440静音化を試みる

2009.06.16

デル SC440 Xeon搭載モデル デルのSC440は、一時期、1万円台で購入できるなど超激安と言う事で人気の高かったエントリー向けサーバー。当方も2台所有している。

一般的にSC440はこのクラスのサーバーとしては、価格帯性能で優れており、音も比較的静音であると言う評価が一般的ではないかと思われる。当方も1台目のPentiumD(PentiumD-E2180)搭載モデルを購入した時は、2台購入すべきだったと後悔したほどで、後にXeon(Xeon3040)搭載モデルが送料込みで1万円台で出た時には迷わず購入した。

しかし、2台目のXeon搭載モデルは、HDDを増設した事もあるのか、1台目よりは明らかに音が煩く感じるようになってきた。
1台目のPentiumD搭載モデルが、「スォーーン」と言う感じならば、2台目のXeon搭載モデルは、「ぐぅぉ〜〜〜ん」と言う感じだろうか。掃除機ほど煩くは無いが、冷蔵庫が稼動している時の音と同レベル位の煩さはある。
そこで、2台目のSC440の静音化を試みた。

ケースファン購入

SC440を開けて使われているファンを確認。

フロント下部のケースファン(ストレージ用ファン)
・メーカー・型番:FOXCONN PV903212PSPF-0B
・サイズ:92mm×92mm×32mm
・電圧・電流:DC12V 0.6A
・風量:83CFM

CPUファン
・メーカー・型番:Nidex BETYV TA450DC MODEL B35502-35 DEL
・サイズ:120mm×120mm×38mm
・電圧・電流:DC12V 1.4A
・風量:不明

メインのケース全体をフローする排気ファンを兼ねた、CPUファンの仕様は不明な点があるが、現時点では十分過ぎる風量が出ていると思われるので、これ以下のスペックの物でも良いと判断した。ケースファンのほうは主に、ストレージ(HDD)の廃熱が主用途だが、ヘビユースなサーバーでは無くHDDを酷使する事もあまり無いので、こちらも風量を抑えても良いだろうと判断した。

減圧も検討したが、静音ファンへの交換が確実だろうと言う事で、以下の2つのファンを注文した。

フロント下部のケースファン用
KAMA-FLEX9cm超静音(SA0925FDB12L) ・メーカー・型番:サイズ KAMA-FLEX9cm超静音(SA0925FDB12L)
・サイズ:92mm×92mm×25mm
・電圧・電流:DC12V 0.09A
・音量:19.7dBA
・寿命:MTBF12万時間
・風量:29.7CFM

CPUファン用
ULTRA KAZE DFS123812L-1000・メーカー・型番:サイズ ULTRA KAZE DFS123812L-1000
・サイズ:120mm×120mm×38mm
・電圧・電流:DC12V 0.25A
・音量:19.81dBA
・寿命:MTBF 3万時間
・風量:44.44CFM

CPUファン(12cmファン)は38mm厚のサイズで手頃な値段の物がスリーブベアリングタイプしか無かったので、これを選択したが、25mm厚の流体軸受けのオイルベアリングの物でも良いかも知れない。
いずれも、殆どのショップでも比較的簡単に入手できるが、ついでがあったのでTUKUMOで購入。参考までに購入値段を書くと、SA0925FDB12Lが980円,DFS123812L-1000が1480円。トータル3000円以上なので送料無料(小物類はこれが大きい)。

ファンの取替え

SC440などデルの激安エントリーサーバーにWindowsを載せてられるようなオーナーは、自作PC並みのカスタマイズをされ、よく分解されている方が多いでしょうから、手順は私以上に熟知されている方も少なく無いでしょう。ここは簡単に割愛しながら、取替えの様子を紹介していきます。尚、メーカー保証などが受けられなくなる可能性がある事は、暗黙の了解事項です。

フロント下方ケースファン(ストレージファン)交換

ストレージファンの音を確認。上は取り外した標準ファン1:ファンの入っているケース(カバー)のストッパーを軽く押さえ、スライドさせれば簡単に外れる。

2:中のファンを取り出し、新しいファンと取り替える。

3:ファンの4Pinコネクタを接続する。

4:ひとまず、サーバーの電源を入れ、動作等確認。

CPUファン交換

CPUクーラー横のネジを外す。1:CPUクーラー横のネジを外す

2:CPUクーラーを軽く後方に回転させるように持ち上げ外す。

3:ファンの入っているケース下部のストッパーを軽く押さえスライドして外す。

4:中のファンを取り出し、新しいファンと取り替える。
ファンガード(フィンガーガード)は四隅のピンの頭を強く引けば取れます。

CPUファン、ケースファンを外したところ5:ファンの4Pinコネクタを接続する。

6:CPUとクーラーのグリスをふき取り、新たにグリスを塗る。
因みに、今回使用したのはよく冷えて安いシルバーグリス。

7:CPUクーラーを接着させ、ネジを元通りにしめる。

8:サーバーの電源を入れ、動作確認。


ファンを入れ替えた状態。4PINコネクタ回りは自作せずに、簡単にまとめるだけにした。フローに影響は無い。

静音化の効果を確認

 特に、db測定やスペクトラムアナライザなどのソフトを使った計測はしていないので、耳と感覚だけの評価になる。

当初の「ぐぅぉ〜〜〜ん」と言う感じが、「キュォ〜〜ン」と言う感じになっただろうか。フォントサイズ等を含めて、わかり易く書くと、以下のようになる。

静音化前 「ぐぅぉ〜〜〜ん」

静音化後 「キュォ〜〜ン」

並べて使っているので、ノイズも比較し易い。確かに、静かになった。
ケースを閉める前は、本体を寝かせて作業をしていた事もあるだろうが、CPUファンに耳を寄せると、若干風切り音がしていたように思われたが、それも殆ど感じない。

ただ、隣の1台目のSC440と比較すると、まだ煩い。並べて使っているので、比較し易い環境にある。
原因は、電源ファンからのやや高めのノイズが出ているからのようだ。ファンのサイズが小さいと、どうしても高音傾向のノイズが多少は発生する傾向にあるが、それが若干耳につく。

補足:SC440は、Xeon搭載モデルとそれ以前とは、電源を含む一部パーツが異なっていると言う話がある。故に、静音性に違いもあるのだろうと思われる。当方では未確認だが、確認した際はこちらに追記しておく予定。

奥の手?を使う。

 高音のノイズと言う事なので、適当なスポンジなどがあればいいのだが、今回は手じかにあった、雑巾を使う事にした。
流石に電源のすぐ前におくのは気流の妨げにもなりリスクが大きいので、DVDドライブ以外は全く何も無い、フロント裏側の5インチベイに雑巾を1枚詰めてみた。フロント裏側全面を覆う訳では無いので、やはり隙間からは多少の音が漏れて来るが、大幅に甲高い音は減少した。下に敷けば、振動を吸収し低音を防ぐ事もできるので、雑巾は手軽な吸音材と言うところだろう。もちろん、埃の発生源であり、且つ不燃性では無い”生地”なので扱いには、十分な注意が必要。
2台目のSC440の音も、1台目同様にほぼ「スォーーン」と言うレベルになった。

より静音化をする為には&考察

目下のところ、一番気になるノイズは、電源からの音になると思われるが、このSC440は代替の電源を探すのすら難しいと言われているので、一般の静音ATX電源と入れ替えると言う事は出来ない。
よって、電源を分解し、最適な静音ファンと交換するのが、最も楽になるかと考察している。或いは減圧させ回転数を下げ、電源背面に超静音の排気ファンをつけるのもいいかも知れない。(8cmファンなら幾つか余ってますし…)

また、今回交換したファンについても、既述のようにヘビーユースなサーバーでは無く、フルスペックで回転させ続けるほどでも無いので、VRをかまして減圧させてもいいかなと考えている。(これは、丁度どっかにジャンクが転がってたと思うので…)

SC440の場合、ノイズは全てフロントから出るので、安易に最も大きなCPUファンが主原因かと考えてしまったのは甘かった。つい先月辺りに、自作PCのATX電源の12cmファンを交換して劇的に静かになったので、12cmファンに着目し過ぎていたのかも知れない。
SC440静音化の参考になる記事はネット上では散見できるが、まとまった物が無かったので、今回書いてみた次第だが、果たして参考になるかどうかはあまり自信が無い内容になっている。

パソコンの静音化はデフォルトになって久しく、作業としては簡単なのだが、やってみるまでは良くわからない事がまだまだあるものだなと、あらためて感じた次第。

追記:

日頃からPCの静音化が当たり前の耳になって久しいので、一般的な意見の参考として、奥様に『どんな感じになったか?』 と、感想を尋ねたところ、「日頃から全く気にして無かったので、よくわからない。言われると、静かになったような気もするけど?」 と言う事らしい。

処理速度に続き、パソコンの静音化も、それほど正義でも無くなっているのかも知れない。

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