AM2リテンションのツメ折修理@BIOSTAR Geforce 6100 AM2

2009.05.25

 先月中旬に、サーバーを漸くDell SC440に切り替えた事を書いたが、その重い腰を上げるきっかけが、旧自作サーバーCPUのリテンションのツメ折れの確認だった。

ツメが折れているといつ、CPUからクーラーが外れ焼け死んでもおかしくは無いので、放置状態なサーバーでは無理だろうけど、状態を確認しながら使うクライアントには利用可能だろうと言う事で、この機会にSocket939なサブマシンをSocketAM2に替えて、幾分かパワーアップさせようと言う事で、簡単に組む事にしました。

適切な接着材・溶剤は見つからず

当初検討したのは接着剤・溶剤の類。専門の企業サイトなどで色々探すも、これと言うのは無い模様。例えば、ナントカアルファのようなCMを長年見てきている国民性故だろうか、接着剤などにいたっては万能と勘違いしてしまいがちだろうが、プラスチックのような分類であっても、都合よく接着・接合できるような物では無い。壊れたらおしまい。工場の成型機でも無ければ、同じ形で再生はできないと思われるが、細かく粉砕しても再生できるとは限らない。

クーラーとリテンションをバインドする

Athlon64用リテールクーラーとリテンションをバインドした次に、CPUとクーラーの接着具合を確認。かなりしっかりしているので当分は外れないだろうと言う事で、終端をリテンションのネジで止める事で、固くバインドしておいた。もし外れても、少なくとも落ちる事は無い。使ったのは100円均一ショップで購入した園芸用の物(バインドタイなどと言われている)。

その後、約1週間ほど使っていたが、マシンのチューニングを幾度も繰り返している内に、何度かCPUファン(80mmのケースファンをリテールクーラーに無理やり止めて使っている)に、手が強く当たる事があり、CPU温度が上昇しだした。どうやらCPUとクーラーの接着面が外れているような気配。Core Tempで確認すると、ロード時のCPU温度が53度以上になる場面もあり、そのまま長時間利用していると良く無いと判断した。因みに、Athlon 64 3200+ AM2 の公証稼動時最大温度は69度なので、大慌てするほどの事では無い。

取り出したAM2リテンション。右のツメが無い事がわかるだろうか。PCを空けて確認すると、CPUはクーラーからやや浮いた状態で、接着面は外れていた。

さて、この場合、通常一般的な手段としては、

1:リテンションキットを買う。
2:マザーボードを買う
3:リテンション不要のCPUクーラーを買う

拡大写真などの選択肢になるだろうが、どうも機能向上では無い出費には納得がいかない性分で、また、リテンションのツメが折れる事もあると言う、どちらかと言えばメーカーの不良品であるかのような、予め予想の範囲内の事でも無い、修理・メンテナンスに、見合ったコストを払う気にもなれないので、お金をかけない修理をする事にした。

右の写真は、リテンションのツメが折れた箇所を拡大したもの。完全に無くなっているのがわかるだろうか。

ネジをツメの代わりにしてリテンションを修理

選んだのは、ネジをリテンションの折れたツメの下に、ねじ込んで、新たなツメとして使う方法。
予め、キリで確かめながらネジ穴を開けた。(先をドリルにした)電動ドライバだと、力が強く穴が大きすぎたり、リテンションが破損する恐れもあるので、手で確かめながらゆっくり大きくしていった。

リテンションの横にネジ穴を明けたところ。この方法で注意すべきなのは、止める位置が更に下になるので、クリップに更に力が加わり、リテンションが破損する可能性を予め考慮しておく必要がある事。そこで当方は、レバーを回して無理な負荷をかけない状態で、クリップがしっかりとまり、クーラーが十分固定される位置にネジ穴を開ける事にした。

ネジをツメの代わりにしてリテンションが復活ネジはやや太目のほうがいいだろうと言う事とリテンションの長さから、ケースファン用のネジを利用した。
リテンションが割れて破損するほど強力な力が働いても抜けるような事は無いだろう。しっかり止まっている。

尚、クーラーは余っていたAthlon64 X2用のリテールクーラーを新たに使った。残っている熱伝導シートを擦り取ってシリコングリスを塗るのが面倒だった事もあるが、こちらのほうがレバーなどは装着し易そうに思われた。CPUファンは静音の80mmケースファンに換えている。

斜め上から見た様子。レバー回さずに止めてある。以下、Super π 419万桁を実行させた結果

CPU:Athlon 64 3200+ AM2 2.1GHz動作(Cool'n Quiet有効)

ロード時 タスクマネージャー CPU使用率100% 約3分間経過後
・Smartguardian 21度
・Core Temp 44度
・総消費電力:約106W(ワットチェッカー調べ。但し液晶モニター除く)

アイドル時 タスクマネージャー CPU使用率0% 約3分間経過後
・Smartguardian 7度
・Core Temp 31度
・総消費電力:約68W(ワットチェッカー調べ。但し液晶モニター除く)

 Smartguardianは、Geforce 6100 AM2付属ユーティリティCDにあった、CPU温度やファン回転数等のハードウェア情報を表示する世界的にも比較的メジャーと思われるソフト。但し、当日の神戸の気温は20度なので、アイドル時の温度が7度と言うのは考えられず、Core Tempの値が正しいと思われる。

 尚、MP3を聞きながら、幾つか窓を立ち上げて、色々な作業を同時進行させながら、本文を書いている現在の状態は、以下の通り。

・Core Temp 30度〜34度
・総消費電力:約70W〜72W(ワットチェッカー調べ。但し液晶モニター除く)

但し、ブラウザ(IE8)操作時は、消費電力は80Wを超える。

最後に

CPU回りの状態 リテンションのツメ折れをネジで代用すると言う記事が、ネットをざっと見ても見当たらなかったようなので、今回は書いておく事としました。
多分、現状、690G以前のユーザーならば、ツメが折れたら780G+5050e辺りに買い換える方が多いんだろうと思います。5050eって、デュアルコアでもシングルコア並みの省エネでエコですからね。でも、Geforce 6100 AM2でも4850eが動作すると言う話もあるので、このままでも(近い)将来的にも、十分エコなマシンとして使い続けられるのかも知れません。

もっとも、現状でも、重いと言う不満は殆ど無く、Athlon 64 3200+ AM2はクロックアップも2.4GHz前後までは無問題(強者ならば、空冷でも3GHz動作させられるらしい)なのを確認しましたし、CPUファンに静音ケースファンを利用&ケースファン5V動作&12cm電源ファン交換なので、かなり静かめで、動作音に不満も無いです。もし時間があれば、今回の自作再生PC?の詳細を書いておきます。(因みに、サウンドやVGA,LANは、オンボードじゃないです。そもそも、このM/Bはサーバー用に買ったので、デフォルト仕様をクライアント用に使うには個人的には、やはり役不足ですね…)

あとは、M/Bの寿命を延ばす為に、暇があったら電解コンデンサでもぶらさげておこうかと思ってます。これもジャンクから拾ってくればいいので、買う必要は無いかな(^^;)

追記:2009/05/31

冷却効果を高める為に、試しに熱伝導シートを丁寧に剥がして、シリコングリス(silicon compound stars-420 多分、中国製)を塗ってCPUを装着しなおしました。が、結果は大差無し。全アルミ製のリテールクーラーの限界か、圧が足りないか、その辺りでしょうか。もちろん現状でも、既述の結果通り、”よく冷えてるほうだ”と言えると思われます。

因みに、熱伝導シートはCPUはティッシュのみ、クーラーは手近にあった住居用洗剤(TV通販などで見かける結構強力なタイプ*1)で綺麗に除去しています。

*1:通常は薄めて使うタイプの原液で除去。DIYショップなどで購入可能。熱伝導シートや固まったグリスの除去には、除光液や専用の除去剤などが一般的と思われますが、市販の住居用洗剤でもほぼ完璧に除去できます。但し、プラスチックなどに付着すると腐食の恐れがありますので、注意が必要です。

追記:2009/06/23

現在は、このM/Bは、奥様の静音改造スリム型PCのメインマシンに組み込んで使っております。主用途がブラウンジングでしたので、長い間Socket754なSempron3000+で特に不満も無く、「速くさせる必要は無い」との事でしたが、IE8なども楽に使えるようにと言う訳で(私が無知やり)アップグレードさせました。そんな訳で、私のサブマシンのほうは、Athlon II X2 250なAM2+なマシンに変わりました。パフォーマンス的に見て、5050eよりも割安感があったので、AM3なAthlonIIにした次第です。暇があれば、レポート記事など書いておきます。

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