これからの時代を考える。シナリオその1

2008.10.29

 日経平均がバブル崩壊後の最安値をあっさり割り込み、そして先日は、7000円台すら割る場面もあった。
「日本の株価は8000円は割らない」などと著名なアナリスト達が口を揃えて言っていたのが、10月中旬の少し前辺りだったろうか。もちろん、チャートにしか目が行って無いようなそんな連中の話は、バブル経済の頃から信用していない。ましてや、「銀行マン(金融関係者)はスーツを着た泥棒である」と明治の年寄りに教育された者なのだから、話のネタにはなっても、信用には値はしない。真に受けるほうが馬鹿だ。私が経済を見るのは、まずウチのサイトで確認している。ネットの”口”はウソが多いが、行動は素早く、そして正直なのだ。

実は、先月9月15日のリーマン破綻から9月末のNYダウ暴落に到る迄に、既に海外無料サーバーが相次いでアクセス不能になっていた。この場合のアクセス不能と言うのは、閉鎖の可能性がある状態の物も含む。こんな事はサイト開設以来、初めての経験で、明らかに米国では実体経済への深刻な影響が出始めているのだろうと推測した。(商用サイトの閉鎖が相次いだのか、サーバーの運営元辺りが廃業したかと言う所か、或いはパニクってるのか、そんなところだろう)

10月に入れば、米国の大手銀行などではイモの子を洗うような取り付け騒ぎ、即ち恐慌状態である話も聞いた。もちろん、国内のマスコミなどでは報道された記憶は無い。(しかしながら、国内でも大手銀行株が軒並みストップ安になる事が、暗黙の示唆をしてくれていると思う)
また、日本最大の主力輸出企業であるトヨタですらも、速やかな米国撤退、春には韓国進出などのニュースを聞いており、予想以上の危機が到来する事は推測していた。よって、今の状況はマスコミが騒ぐほどには驚くに到っていない。

もう1つ言えば、程度の差はあれども、恐慌的な状況になる事を予測していた者も少なくは無いだろう。当方も今年の1月に”逆に、日本の株価は上がる”と書いたのも、市場で信頼できるのは日本だけになると言う予測があって故ですが、残念ながら、衝撃は予想を遥かに越え、恐怖に陥った投資マネーは現金化のみを望み、日本株では無く、堅調に値上がりを続ける円で持つと言う選択肢を選んだようです。
たとえ200兆円規模の対策ですらも効果は期待できないとされる、不良債権額が予想を遥かに超える6000兆円(CDS)であった事が、国際的な株式の信用崩壊(現金化)に繋がっているのだろうと解釈します。(この辺りは金融に精通している方のブログなどのほうが正確です。)

しかしながら、日本株がサブプライムローンの震源地の米国株以上に大幅に下げている理由の1つとして、日本の輸出企業などの国際競争力が、日本人が思う以上に将来性が無いと、海外の投資家が見ていると考える事もできるでしょう。ここからが本題です。

ものすごくわかり易い、シロート感覚の単純な話をします。

日本の有力企業株は外国人投資家が多数保有していたが、それらが現金化目的で大量に売られた事で、株の暴落が起きている。
円高が続き、日本の輸出を支えていた米国金融バブルが崩壊し長期化するのだから、輸出企業の損失は大きい。
以上の2点については、マスコミなどでも既出です。

次に、金融が経済を支えなくなった米国は、実物経済が経済の主体に戻り始めます。何かと批判されていたブッシュ政権でも科学技術分野への莫大な予算を計上し、この額は全世界の40%にも相当するそうです。また理数系をはじめとした教育熱は高く、世界のトップクラスの大学の多くが米国である点からも、米国が実物経済へ戻った場合の国際競争力は決して低いものでは無い事は予想できます。もちろん、保護主義が強まるでしょうから、購買意欲の高い米国国民が”Made In USA”を価値ある物に押し上げて行く筈です。これは”Made In Japan”で検証済みです。

他方、日本の教育の現状は、伝え聞くところでは昨今では驚く事に高校生の1割程度しか理数系へ進まないらしい。もちろん、産業の根幹を支える日本の中小企業の高い技術力を養った、昔のように手先が器用になる子供達の環境は随分前に崩壊し、更に言えば、少子高齢化による深刻な労働力不足は目前に迫っています。小資源国の技術立国として、アジアとの価格競争で勝ち残れる、付加価値の高い優れた工業製品ですら、後継者のいない現場では今後も生産し続けられる可能性が低くなっていると予測します。もちろん、勤勉で低賃金な労働者を有するアジアとの低価格製品市場での競争も勝ち残れません。上海(中国)でも平均月収3万円,デリー(インド)に到っては平均月収2万円と言う新興国とまともに競争できる訳が無いのです。

更に、国際的なデフレ圧力と円の独歩高が長期化する事で、海外からの割安な製品の輸入が増加する傾向は強まるでしょう。他方、同時に何らかの政治的なバイアスなどによって国内物価を維持される事で、国内経済は健全に維持され続ける可能性はあると思われます。

以上のように、日本は輸出立国では無くなり、アジアの低価格商品と、米国の優秀な工業製品の輸入大国への道を進んで行く1つのシナリオを描けるでしょう。他方、米国の今後は、大雑把な言い方をすれば、戦後の日本が歩んで来たような道をイメージするとわかり易いかも知れません。

もちろん、日本は工業製品のみでは無く、円高メリットを生かして、特に福祉や医療現場で従事する優れた人材もアジアなどから輸入する事になるでしょう。この事は、高齢化社会日本では、決して不幸な事ではありません。
先の見えない不安感が過去10年の日本を不幸にし、そしてその不安が、お年寄りをお金にしがみつかせてきたのですが、今後も継続するであろう、物価上昇・インフレ、消費税増税、銀行の倒産に、(何らかの理由で)お金があっても物が買えない状況が増えて来る事で、食への信頼の低下に続き、金融、そしてお金その物への信頼の低下も起きてくるように思います。
そんな状況が続けば、強い経済に期待するよりも、安心できる医療や福祉を望む者が増える事は、容易にできる筈です。高度で質の高いサービスでは無くとも、そこそこ満足の行くサービスが安定的に受けられる状態のほうが受け入れられるのではないでしょうか。
2年前にも、移民国家ニッポンとして、10組に1組は国際結婚などと書きましたが、現在は、それらカップルの子供(混血児)の出産が増えており、今生まれる30人に1人はハーフとの統計も出ている模様です。日本が移民を受け入れる土壌は着々と進んでいると推測します。

さて、話を少し戻して、今度は少し怖い話をします。

米国の金融バブル崩壊は、実物経済への移行の為に避けては通れない事であって、その準備として、米ソの冷戦崩壊後のレーガン政権移行、米国の教育熱が強まり、実は予定されていた事であったと仮にするのならば、ブッシュ政権が行った政策の中には、更に深い意味があるものもあるのではないかと考えて見る事もできる。何かと言えば、米国の北朝鮮のテロ支援国家指定の解除の事だ。北朝鮮としてはIMFなどからの融資を期待しただろうが、今の世界恐慌状態では望みも低いだろう。また、米国が北朝鮮の核保有を容認したと言う事は、核は持った物勝ちと言う事なのだから、この事は、他にも核保有国が増える可能性を示唆している。

米国としては、(金融ショックで)「お金が無いので世界の警察やめます」と言うような解釈もできたが、「安心を買え」とも取れる。すぐさま買える優れた米国の高価な工業製品は何かと言えば、兵器に他ならないからだ。もし、今後米国の工業製品の競争力が高まっても、諸外国の購買意欲が低いままならば、核兵器の危機から国家を守れる高価な兵器を、金持ち大国日本などに買って貰うのが手っ取り早いだろう。(いや、不要になった老朽化した戦艦を売り払ったほうが米国はオイシイかも知れない) もちろん、北朝鮮の核保有を認めたのだから、同盟国日本にも認めると考えるのが自然だろう。

俄かには信じ難いだろうが、良く考えて欲しい。

今の日本は、”安全・安心”に関して極めて神経質で、最大級のエネルギーを注ぐ体質に変貌した。メタミドホスが全く入って無い米でも、僅かにカビが生えただけで全て焼却する位に安全を重視する国家なのだから、”安全・安心”の最重要事項である、国家の安全保障こそ、最大級にエネルギーを注ぎ込む対象になる事は間違い無い。「安全・安心」とは、そう言う事なのだと解釈している。高額な兵器であっても湯水の如くお金を注ぎ込む土壌はできつつあり、「安全・安心」と唱え、日本はアジアの平和の責任を担うと言えば、反対する国民は少数派になっているのではないだろうか。

こんなサイトを運営しているので、 なかなかまとまとまった時間が取れず、メインのサイト情報の更新などをしながらで、考えを整理した上で書いた訳では無いのだが、中長期的な展望に立って考えた場合、日本にとって最も重要な課題は、経済の国際的競争力や株価暴落などよりも、少子高齢化問題のほうがウェイトが大きい事はご理解頂けると思う。
これからの日本人が幸福になる方法は、高度成長期のように大量の外貨を稼ぐ事、”Japan as No1”などを目指すのでは無く、高齢化社会でも、健康で豊かな生活を送れる安心できる社会を目指す事であろうと思う。莫大な額の、人質状態の対外債権が順調に円で戻って来る為にも、不安定な金融などに依存せず、強く安定した実物経済大国に米国が変貌を遂げる事は不可欠であり、欧米化した豊かなライフスタイルを維持する為にも、優れた工業製品を提供する同盟国の存在は安心に繋がるのだろうと思います。

リーマン破綻はたかだか6兆円程度で食い止められたらしい。この程度で米国の金融バブルはソフトランディングを続ける事が出来た。にも関わらず、このような恐慌状況に故意にした米国の思惑が何かを考えた時、何らかの目的でダイナミックな衝撃を与える必要があったのだろうと推測する。

そこは日本人としては、敗戦国故の脊髄反射的に死の商人としての戦争が真っ先に思い浮かぶでしょうが、果たして先のイラク戦争ですら苦い思いを強いられている政権が、世界大戦を視野に入れプライオリティを高くしているとは考えられません(更に言えば、次期米大統領候補オバマ氏は核全面廃絶すら提唱している)。米ソ冷戦崩壊以降、米国が注力したのは軍事力では無く、教育分野だったのです。逆に、日本の教育は”ゆとり”が提唱されるようになったのです。地球温暖化ビジネス・新エネルギーなど、新たなイノベーションに基づく変革が起こり、覇権を握る絶好の機会が到来しようとしている現代、日本にとって、それがどこの国である事が最大のメリットとなるのかを考慮すれば、現状起きている事は、決して悪い事では無いのかも知れません。

以上は、あくまでドシロートの楽観的視点に基づく、1つの解釈である事を承知の上でご理解頂きたい。もちろん、門外漢故に前提無しに好き放題なたわ言が書けるのですけどね。もちろん、”シナリオその1”としているように、本文は考えつく幾つかの中の1つに過ぎませんが。

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