エセ科学かどうかなんて、もう興味が無くなった時代なんだろうか。

2008.07.30

 最近でも無いようですが、ガソリン代高騰へ対応する為に、燃費向上効果があると噂されている、”コンデンサーチューン”なるものが流行ってるそうな。値段の安さもあってか、車の燃費改善グッズとして結構売れているらしい。ネット検索すれば自作法も多数紹介されている。何かと言えば「電解コンデンサーを、バッテリーに繋ぐだけ」の物。なので、理屈があまり良くわからない。

ノイズの影響を受けるような車内の電気回路系統を持った、例えば車載オーディオなどのコンデンサーが経年劣化した場合などの音質向上などには効果がありそうに思うけれども、エンジン等の電子制御系がそんなにノイズや微妙な電圧変動の影響を受けるとも思えないし、20%程度も燃費が向上する訳は無いだろう。

いわゆる、エセ科学(ニセ科学)的な胡散臭さが漂ってるのだけど、これをきっかけにして、燃費向上に神経を使い、低燃費運転をして、本当に燃費を向上させるような人も、もしかしたらいるのかも知れない。運転の仕方を工夫すれば、人によっては、燃費は数十%程度改善されると言う話もあるようだ。(因みに、日本のガソリン代はまだまだ安いで書いたように、基本的には諸外国よりも物価の安い日本が、全体的な物価上昇トレンドに入っている現象の1つと考えているので、ガソリン代だけに目を奪われている場合ではありませんが…)

 科学的には地球温暖化は懐疑的(少なくとも、危機的なほどの温暖化が起きると言う科学者は多数派では無い)でも、政治的に地球温暖化問題があるとする事は、(多分)今の日本の国益に合致している事と、どこかしら似ているような気がする。

 ところで、先日、某NHKの「ためしてガッテン」で放送された、”熱湯のほうが、水よりも早く凍る”と言う、いかにも非科学的に見える”ムペンパ効果”ですが、ネットでも話題になっていて、確かに、熱水を水にする時間をロスする分だけ、水よりも凍るのが遅くなりそうに思えますが、実際は、(一定の条件下では)冷蔵庫の冷凍室に入れた熱湯のほうが早く凍ります。ムペンパ効果の原理はまだわかっていないようですが、0度以下でも凍らない過冷却の水に衝撃を与えると一瞬にして凍りますが、逆に考えれば、常時対流運動をしている熱湯ならば、凍り易いのかも知れません。

一見すると、エセ科学に見える話ですが、そうでは無いんですよね。

別にエセ科学的な話は、どこの誰ともわからないイカガワシイ輩のみがやってる事でも無く、例えば、タバコの害は空気清浄機では除去できないのは、今はよく知られている事だと思いますけど、3〜4年前は、大手家電メーカーは、空気清浄機の宣伝文句に、タバコの害に効果があるかのような謳い文句を大きく入れてました。そんな空気清浄機でも、導入する事で、室内環境を改善させるように働かせるかのような効果が、もしもあったならば、或いは、今も人気の家電製品となっていたのかも知れませんが、実際は、(愛煙家のいる環境では)導入する事で、(有害物質を部屋中に撒き散らし還流させるのですから)健康への悪影響の増加が懸念される物でしたからね。

さて、先日、神戸で痛ましい水の事故が起きた。同じ神戸でもこの辺りは、川による事故はあまり無いのだが、灘区の都賀川での、津波のようなてっぽう水が起きた原因は、短時間に大量の集中豪雨が起きた事と、六甲山系の傾斜を持った一直線の川であった事などが言われている。

以前から増水する危険な川であると言う認識は、地元の人々にはあったらしいけれども、橋脚に迫るほどの高さの津波のような鉄砲水が、注意する間も無く、一気に押し寄せたと言う、地元では経験の無い水害は、それだけ短時間に大量の集中豪雨が少し上流の街中で起きていて、適切に処理出来なかったと言う事が大きく影響していたと推察できるでしょう。当日は、こちら(長田区)でも、大きな落雷を伴った、バケツをひっくり返したような豪雨でしたので、都賀川上流も相当な雨が降っていたのでしょう。

最近の街中での治水を考えると、住宅・マンションなどの屋根や敷地、或いは道路に落ちた雨の殆どはそのまま下水や側溝に入ります。昔のように、地面がスポンジのように雨水を吸収して地下水として流れたり、一時的な貯水層の役割を担う、大きく深い溝もありません。また、堅牢な河川も同様に水を吸う事の無い、海への太いダクトになっていますので、同じく地面に吸収される事も無く、水量も減らないのでしょう。

また、このような都市部に集中豪雨が降る原因も、現在の都市構造が原因とされる説もある。ヒートアイランド現象によって、積乱雲の発達を促し、集中豪雨を起こすと言う事らしい。もし、地球温暖化で南洋の国同様の気候になっていると思っている方がいるならば、”ヒートアイランド 集中豪雨”でGoogleなどで検索して専門家の見解を確認してみるといいでしょう。

もっとも、日本は、街中が暑いのは地球温暖化が原因であるとするようなマスコミの論調が(多分)無いのは、まだ倫理観があると言う事なのでしょう。これも、上記で述べたような近年の都市部の治水構造が原因の1つとなっている、ヒートアイランド現象故なのですから。田舎のように田んぼがあって風通しの良い一軒家に住まずとも、例えば、昔のように、雑草の生い茂る空き地や、藻などが生えた溝があるだけで、地域住民全員が協力して行う打ち水効果を遥かに凌ぐ、冷却効果がある事位はわかると思います。

もちろん、衛生上悪い(と思わせるような)環境は街中にはそぐわないので、気化熱による都市の冷却を促すような、共存しうる自然の活用なり、類似する同等な効果を持った素材なり、現況の治水構造の工夫や改善。要は、欧米型都市構造を真似るのでは無い、日本の風土に根ざした都市構造である事が必要でしょう。

もっとも、現状で快適な環境が実現されてしまうと、地球温暖化対策への国民の関心が逸れ、日本が超えていかねばならない、金だけではエネルギーが買えない来るべき時代に、競争力のある省エネルギー関連のイノベーションの促進が危ぶまれるでしょうから、急激に改善されると言う事は無いのでしょうね。

或る程度予想されていた事ですが、先日トヨタが減益の業績予想を出しました。トヨタの儲けが減ると言う事は、国内の景気が更に悪化すると言う事を示していますので、暗いニュースがより一層増えるのでしょう。この分野でも、日本はEV先進国として、国家全体がプロモーションしていける位にならないと、明日は無いのかも知れません。しかし、この分野でも、インドなどの新興国の躍進には驚かされるばかりです。(ところで、どうして、日本は電動スクーターを勢力的に開発・販売してないんでしょうか?)

私たちは科学者では無いので、生活を脅かす訳でも無いなら、エセ科学かどうかを究明する必要はありません。その場合は、新聞の三面記事程度の、面白い世間話のネタ程度にしか過ぎないのです。科学者にとって、科学は興味や学問の対象でしょう、しかし、政治家や軍人にとっての科学は、時として戦争兵器にすら利用する為の物です。そして、私たち一般人は、その科学が真実であろうが嘘であろうが、非科学的であろうが、そんな事はどうでもよくって、人を幸せにする方法であるならば、神話の時代より、受け入れるようになっているのです。(そもそも、現代のマスコミに何が期待できるのかと。私たちには、本質に迫る真実の情報がどの程度供給されているのか… いや、それらは知らないほうが幸せなのだよね… と言う社会じゃないですか)

「信ずる者は救われる」の宗教のような物だとは思いますが。もちろん”狂信”では無く”妄信”ですけどね。

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