Web2.0時代のアクセスアップは、細切れで。

2006.11.18

A:ともかくさ、どうせ言ったところで始まらないってのはあるよね。投げてるってのじゃなくて、言うべきでは無いとか、大局的な見地って言えば大袈裟なんだけどね。

B:どうせ小市民ですしね。ケセラセラみたいなのは確かにそう。でも、わかってる人はわかってて、わかってるから寡黙にもなるし、無視したりもする。TVの視聴率が落ちてるのと同じようなもんじゃないかな。

A:一種の祭り的な物としてのインターネットは変わらないだろうから、そのほうが面白いから、ワーッとなるでしょ。でも、中にはそれが普遍的な真実とすら思う人がいて、そのまま雪達磨式にって現象があまりにも多い。インターネットは機械的なパソコンを使って、文書を声では無く、ただの文字として読むから勘違いしてしまいがちだけど、実質”人”なんだから、普遍的な物なんか、そんなに無いんだよね。

B:強大な影響力を持ったところが勝手に作ったルールでも無いですよね。誰だったかは忘れたけど、つい最近もTVは国民性を反映したメディアとのたまっていた。じゃぁ、ネットはどうかと言えば、現実社会を遥かに上回る大競争社会なんだから、そっぽ向かれたらおしまい。利用者のニーズに逐一適応できないと終わりですよね。

A:利用者のニーズを追求せねばならないのは、全てのウェブサイトがそうだからね。このままWeb2.0が進んで行くとして、Web2.0の勝者と言う観点で考えた場合、”いかに細切れであるか”なんだろうね。サイトテーマが一貫している事と、一見すると矛盾するかも知れないけど、細切れじゃないと駄目。

B:どこでもリンクし易いウェブサイト構成である事が、アクセスアップの近道って事ですね。何かのテーマで記事を書き出した時に、それと一致した都合の良いコンテンツがリンクし易い形であれば、自然にリンクが発生する。

A:もちろんリンクする側も今まで同様に恩恵を受ける訳だ。例えて言うなら、目利きの腕の良い料理人と、全て食べつくせる高級食材が、勝ち残って行くみたいなもんじゃないかな。どんな食材でも旨い料理にできる料理人と、どんな料理人が食材のどの部分で作っても旨い料理。どっちも旨いでしょ。

B:実際、数出せばいいってもんでも無いですよね。ニュースサイトもどこも同じで食傷気味だし、過激ネタも、TVだけでももうお腹いっぱいでうんざりです。そう言う意味では、ブログで言えば、百式なんかは、成功していますね。ブログでありながら、ちょっとしたモンスターサイト並みのアクセス数ですから、この類のサイトは益々増えるんでしょうね。正に腕の良い料理人で、アクセスアップの為に、百式のようなブログに載る事を目指すサイトも増えそうですね。

A:今は、ブログ記事といえば、トラックバック集めてSEOで上位目指すが主目的ですから、まだまだなんですよね。実効的なアクセスが最強で、検索エンジンからのアクセス≒実効的なアクセスだけれども、それを上回る実効性と影響力を持ったブログの出現を目の当たりにする人が増えれば、トレンドはまた変わる。

B:でも、腕の良い料理人の高級食材による一流の料理よりも、毎日食べたい家庭の味ってのもあるんじゃないですか。確かに百式は人気があるけれども、あんなブログだらけだと、逆に見ない。

A:だから、そこでも細切れって事になる。スーパーで売れるのは、魚の切り身だったり、調理済みのほうだって事に着目したほうがいい。複数のページにリンクして、まとまりのある文章でわかり易く紹介するような手腕の無いブロガーでも、紹介し易い構成のページにするとか、トラックバック の際も、最初の20文字以内で要点が簡潔にわかる内容にするとか、画像や素材への直リンクを避けつつリンクを貰う為にも、画像単位で掲載ページとPermLinkを設けておくとか、リンクURLやページ内容がちょこまかと変わらないとか、動画に至っては、YouTubeが一番いい例じゃないかなぁ。

B:確かに、YouTubeが成功したのは、記事内に組み込んで一体化させる事すら許容した無料動画コンテンツだったからと言う要素は大きいですね。ホームページと違って、素材やレイアウトなどで他サイトと差別化もできず、文章も苦手な人なら、こんなに楽なコンテンツは無いですもんね。コメント一行追加するだけでいい。

A:しかし、細切れが当たり前で、これからは、細切れになる事が王道みたいなネットの進化も面白いよね。数年前は、『誰に許可を得て、このページにリンクを貼っている。即刻削除せねば、法的手段に訴える事を承知しておけ』 みたいに怒号を上げるサイト管理人もいましたからね。あぁ、怒られたのはウチじゃないですよ。

B:今でも、『リンクはトップのみに』『リンクする場合は要申請』みたいな企業のサイトもありますが、検索エンジンには、全ページ許容しているのって矛盾してますよね。だったら、メタサーチや、検索エンジン結果を自動参照する形式のリンク集なんかだったら、どうしようもないじゃないですか。

A:うっかり、アクセス制限かけて無かったら、どこまでも晒されるのは怖いよねぇ。cgiのページにアクセスが集中してサーバーダウンしたりとか。でも、アクセス制限かけた途端に、他のページもクローラーに拾われなくなって、アクセス激減みたいな事もあるし。htaccessをこっちの都合の良い面だけで解釈してくれるとは限らない。

B:htaccessと言えば、サイト移転も怖いですね。ほんの些細なミスか、たまたま検索エンジン側の都合かで、いつまで経っても、旧サイトしか引っかからないみたいな話も結構ある。旧サイトから移転先にリンクを貼らずに消しちゃうから駄目だって事もあれば、旧サイトや旧ページが残ってるから駄目だって事もある。

A:結局、試してみるしか無いじゃない。そこで、大失敗するリスクもあるけど、わかんない ブラックボックス。

B:論理的な理屈じゃないって事もあるかも知れないんですよね。確かにわかんない。

A:だから、そこでまた、細切れに戻るんだけど、結局、Web2.0なんだから、Web1.0的な検索エンジンからの直接アクセス中心の脱却をしないと駄目だって事なんじゃないかなぁ。最初から、検索エンジンを相手にしない事が、中長期的で見て、アクセス向上の近道になるみたいな。

B:また、百式の話に戻りますが、確かに、あそこの記事は、汎用性のありそうタイトル名は少数ですから、SEOは意識してないように思いますね。百式は”百式”で検索されてるんでしょうね。唯一、最も知名度が高そうな、シャア専用機の同一名称をパクったようなサイト名称以外は(笑) でも、それは、ツカミでしかないほどに、確かにいいブログです。独り”デリシャス”みたいな。

A:国内のソーシャルブックマークはつまらないのが多いけど、デリシャスは確かに面白いよね。これは、国民性もあるのかもね。共有するブックマーク故に、公共性のある物として相応しい物を真面目にじっくり選んじゃう日本人、もしくはサイト宣伝目的なのに対し、人と違う事を示す事が優れていると認識されている欧米社会でのサイト告知かなぁ。日本人って保守的ですよね。百式も、記事掲載サイトを海外サイトじゃなくて、国内サイトにしていたら、あれほどの人気が出なかったかもね。

B:だとしたら、百式のような腕の良い料理人のブログが扱える食材としてのコンテンツサイトは限られて来るって事になるんだろうか。

A:その点は、重箱の隅を突付くような相手でも寛容にさせる、日本人特有の、ちょっとした笑いのセンスなぞで、解決できるんじゃないかな。威張ってちゃ駄目だよね。実るほど頭を垂れるなんとやら、で、サービス精神が無いと。”素材”に関しても、暗黙の了解によって皆が望む情報をまとめたような実用性よりも、その実は、意外性やウケ狙いに軸足を置いたほうがいいんじゃないかな。

B:段々と、敷居の高い話になってきましたが、ともかく、細切れにされ易いサイト構成である事が重要性を持ってきている事の再確認と、その程度のちょっとした配慮ならば、誰でもできそうだって事ですね。

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