Google Public DNS(無料DNS)によるネット高速化の考察

2009.12.04

米国Googleが、先日、Google Public DNSの提供を実験的に開始した。昨日、日本のユーザーが、Googleの無料IMEで盛り上がったように、海外(米国)ユーザーは、この話題で盛り上がっているようだ。
これは、OpenDNSのようなサービスで、プロバイダが提供するDNSの代わりに使う事ができ、公式ブログでは、高速なGoogleのPublic DNSを使う事で、頻繁に発生するDNSルックアップの遅延が解消され、ブラウザの速度などを上げる事ができるなどとしている。

但し、これは米国の場合であって、対象を日本などは考慮していない。OpenDNSの場合も、距離が遥かに遠い海外サーバーにまでDNSを参照すれば、結果的に日本では遅く、使い難いなどの指摘もある。
そこで、日本では、Google Public DNSが速いかどうか試して見た。

Google Public DNSの設定法

以下のDNSアドレスを設定するだけでいい

8.8.8.8
8.8.4.4

簡単で覚え易い数字だ。

具体的には、Windows XPの場合は、[コンパネ]⇒[ネットワーク接続]⇒[プロパティ]⇒”インターネットプロトコルTCP/IP”⇒[プロパティ]より
”次のDNSサーバーのアドレスを使う”にマークし、
優先DNSサーバー,代替DNSサーバーに上記のアドレスを入力し、[OK]で完了。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Pingで速度を比較する。

Windowsのコンソール上で、ping -n 10 ホスト名 を実行。

1:Google Public DNS
海外
Pinging google.com [74.125.67.100] with 32 bytes of data:
Minimum = 109ms, Maximum = 116ms, Average = 111ms
Pinging yahoo.com [209.131.36.159] with 32 bytes of data:
Minimum = 113ms, Maximum = 119ms, Average = 114ms
国内
Pinging google.co.jp [72.14.203.104] with 32 bytes of data:
Minimum = 51ms, Maximum = 56ms, Average = 53ms
Pinging yahoo.co.jp [124.83.139.192] with 32 bytes of data:
Minimum = 13ms, Maximum = 17ms, Average = 14ms

2:国内プロバイダ提供DNS
海外
Pinging google.com [74.125.45.100] with 32 bytes of data:
Minimum = 172ms, Maximum = 179ms, Average = 175ms
Pinging yahoo.com [209.191.93.53] with 32 bytes of data:
Minimum = 163ms, Maximum = 169ms, Average = 164ms
国内
Pinging google.co.jp [74.125.91.104] with 32 bytes of data:
Minimum = 180ms, Maximum = 183ms, Average = 181ms
Pinging yahoo.co.jp [203.216.227.176] with 32 bytes of data:
Minimum = 22ms, Maximum = 29ms, Average = 23ms

各10回の平均値(Average)を参照。 以上のような結果になった。
海外は速くなるとは思っていたが、国内では更にそれを上回り、Yahooが約2倍程度。Googleは3倍以上の結果となった。
もちろん、加入プロバイダのDNSの状況などによって、どなたの環境でも、上記のように必ずしも速い結果が得られるとは限らないが、逆にこれ以上に速い結果が得られるかも知れない。

追記:

一部でご指摘があるようなので、補足的に考察を掲載します。

pingは、逐一DNS Lookupを行う訳では無く、変換されたIPでの速度なのだから、Google Public DNS の速度を調べるのとしては、誤りであって、pingで調べるのならば、その対象を、Google Public DNSのアドレス(8.8.8.8)で調べるのが妥当です。

今回この結果を掲載したのは、ご覧頂ければわかるように、国内プロバイダのDNSが示すIPと、Google Public DNS が示すIPは異なっています。これから、Google Public DNSの場合は、同一ホストでも、よりレスポンスの良いIPを返しているのではないか、それによって速くなったように感じるのではないかと言う意味合いのものです。Webの速度を重視するGoogleの事ですので、ありえる話ではないかと言う考えの元での、結果の紹介です。

ただ、その後、別のPCも含めて、何度か試行すると、必ずしも(プロバイダのDNSよりも)レスポンスの良いIPを返している訳でも無さそうだと言う結果も出ております。

 

ブラウザ表示での 体感速度

1:GoogleChrome
正直なところ、日ごろからChromeは速いので、何度か比較しても、速くなっているのかどうか良くわからない。速そうな気がしないでも無いと言う程度。

2:Internet Explorer 8
コンテンツの多いページでは、明らかに速くなっていると感じるケースがあった。
但し、逆に遅いと感じる事もある。確実に速くなったとは良い難い。

考察

 最初に記載しているように、このサービスは、米国Googleの実験的なサービスであって、日本国内向けサービスは無い(少なくとも、現時点では、Google Japan Blogに、このサービスが実施された旨は記載されていない)ので、日本からの利用は、不安定になったり、逆に遅くなったりするかも知れませんので、各自でご確認下さい。
ただ、現時点では、国内からも十分に使える速度スペックはあり、Pingによる調査ではプロバイダのDNSよりも高速で、覚え易いアドレスですので、プロバイダが不調の時に使い分けるなりするのがベターかも知れません。

 個人的な素直な感想を言えば、(Chromeよりも比較的重いIE8でも)爽快感のある心地よいブラウジングが出来る場面が何度もあったので、ユーザーが増えるなどしてサービスの質が落ちない限り、頻繁に利用する事が増えるGoogleのサービスの1つになりそうに思います。

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