今回の自民党自滅選挙を簡単に考察する

2009.09.04

 個人的な考えとしては結論が出ている、今回の自民党大敗の選挙について、簡単に書いておこうと思います。

・自民党は獲得議席数119と大負けした。残ったのは保守派だった。
⇒郵政造反組復党や麻生おろし等を経て、愛想をつかした自民党支持者が多かったのではないか。

・公明党は小選挙区で全敗し、代表他3役が議席を失う異例の事態になった。
⇒自民党からの選挙協力が無く、自民党支持者は、逆に対抗馬の民主に入れたと言う話もある。

・民主党同様に、みんなの党が大躍進した。
⇒”脱官僚”,”地域主権”を全面に掲げた政党である故に勝利したのではないか。国民は改革の継続を望んでいる。

・現状維持か躍進の多い野党の中で、国民新党は大敗した
⇒国民の多くは、郵政民営化の選択は正しかったと考えているのではないか。

・ネガティブキャンペーンの影響があったのではないか。
⇒将来展望に繋がる政策よりも反民主党的宣伝が多く、多くの国民が納得しうる政権与党の継続の必要性は理解できていない。

・そもそも、今回の選挙は、選挙迄の支持率の推移を見てもわかるように、勝てる選挙では無かった。
⇒自民党は下野する事を前提に今回の選挙を戦ったと思われる。この事を中心に考えれば、今回の選挙の本質がわかるのではないか。

 今回の選挙は、自民vs民主では無く、選挙直前までごたごたが続いた麻生おろしに代表されるように、自民党内部が完全に1つにまとまり切れて無かった事が、結果に大きく影響したように思う。元を辿れば、郵政造反組復党辺りになるだろうか。要は自民党の自滅選挙だったように思う。

 民主党に投票した人も、多くは、積極的な期待よりも、消去法的、或いは、自民党への批判票としての投票活動であったように思う。浮動票が民主党に流れたと言う単純な話では無く、自民党支持層が民主党に投票した点に注目するべきだろう。

もし、自民党が本気で選挙に挑むのならば、反民主党的なネガティブキャンペーンを繰り返すよりも、中央突破的に正攻法で、改革や地方主権などの将来ビジョンを国民に示していれば、健闘した結果になったのではないだろうか。或いは、ばら撒き等と批判される景気対策をこれだけしたと言うアピールよりも、高齢化社会の将来の不安を除く為の未来の為の消費税増税の必要性を強く説き、実行する固い意志を示す事で、政権与党の継続の意義が伝わったのではなかろうか。

多分、何らかのチャンスはあったにも関わらず、そう言った選挙戦略を取らなかった、或いは取れずにいた事が、自民党自らを自滅に導いたように思う。少なくとも、背水の陣に望む立場であると言う姿勢は感じ取れ無かった。もちろん、自民党が勝つのでは無く、ボロ負けにはならない可能性の示唆に過ぎない。

 民主党の当面の最大の課題は、実力者不足や素人議員(小沢チルドレン)による、官僚支配の増長だろう。国民から強く支持される長期与党政権になる見通しも無く、大臣経験者も限られていれば、官僚から舐められるのは目に見えている。官僚主導政治の打破を掲げていながら、選挙直後のTVの特番などでは、霞ヶ関の大きな壁と言う現実を目の当たりにし、「官僚の皆さんにも協力して頂いて」などと延べていた議員もいた。もちろん、民主党が駄目などと言う意味では無く、これまでの戦後政治の長い歴史によって構築された官僚政治の改革は、そんな簡単には出来る物では無いだろうと言う事です。また、官僚の協力無しで、ハードルの高い数々の公約を実現は、まず無理な話で、敵対するのでは無く、協力を求める姿勢は極めて生々しい現実的な姿であろうとも思います。

今回の自民党がそうであったように、民主党は次の選挙で逆風が吹く事を最も恐れているだろう。来年の参院選迄に幾つ公約を実現できるかが1つのポイントになるだろうが、選挙対策として、自民党や集票能力の高い支持基盤のある公明党をも巻き込んだ、大連合が起きたとしても不思議では無いように思う。もし、協力体制が取れ無ければ、1枚岩では無い(旧自民+旧民社+旧社会)のだから、今回の自民党のように自滅する可能性もあるのではないだろうか。

色々と忙しいので、言葉足らずですが、この辺りで。

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