朝生 地球温暖化は嘘か本当か

2009.08.29

 ”環境問題はなぜウソがまかり通るのか”の著者、武田先生が地球温暖化関連のテーマで出ると言うので、久々に朝生を最後まで見た。
番組のほうは、官僚なども本音は無理だと言っている、到底実現できる訳の無い量の温暖化ガス削減目標を各国が掲げている、どうしてこんな馬鹿げた事をサミットなどでやっているのかについての議論に、主軸をおいた時間配分で進められていたように思う。一般的には寝てる人の多い深夜帯の田原さん番組なのだから、難解で理屈をこね回したような平行線の話が延々と続く事は無い。しかし、昨今の地球寒冷化の話もあり、そもそもの温暖化が本当に起きているのかどうかについても、時間を割いていた。

地球の気温に大きく影響を与えているのは、二酸化炭素よりも、太陽の黒点で、近年は黒点活動が極めて低調で、温暖化よりも寒冷化に注意したほうがいいと言う話は、ネットでも、色々な人が記事にされているので、よく知られているように思う。
出演されていた、丸山茂徳氏(東京工業大学大学院教授)は、太陽の活動と宇宙線の増減によって生じる雲の量が、地球全体の気温を決めていると言う趣旨の学説を述べておられた。門外漢の無知な私でも、よくわかる簡単な話だ。因みに、宇宙線の量と雲の発生とは相関関係が一致すると言う学説もあり、トレースするように見事に一致したグラフも見た。

太陽からの熱線を遮る雲が多ければ、地球は寒冷化する。逆ならば、温暖化する。現在は宇宙線の量が増え、太陽活動が低下しているので、寒冷化の恐れがあると言う。尚、丸山氏は地質学の分野では世界的に権威のある方で、”地球温暖化論に騙されるな”の著者でもある。
今年は日本も冷夏だった事や、ここ数年、2005年以降地球の気温が下がっている事からして、見ている者には説得力があったように思う。

 他方、地球温暖化論の江守正多氏(国立環境研究所 温暖化リスク評価研究室長)は、スーパーコンピューターによる予測を元に、今後も順調に気温は上昇する。ここ数年の気温の下落は許容範囲内であると延べられていた。
クローズなプログラムの事ですので、私達は得られた結果を受け入れるしか無い。ただ、素朴な疑問として、多分、同様にスーパーコンピュターなる物を使っても、地震が予知できない現状や、或いは、利用したかどうかはわからないが、近年多発している、ゲリラ豪雨と多数の死傷者まで出したその被害予測などの、本日の気象による災害すらわからないレベルで、100年後だとか、そんなにも未来の予測が本当に正確に出来るのかと言う疑問はどうしても残る。
どれだけ信頼性のおける物なのか、視聴者として良くわからなかった。

番組は、この分野で著名な科学者達を招いて行われた。司会が田原さんだけあって、難解で専門性の高い、視聴者おいてきぼりの議論のやりとりは退けるように舵を切ったが、視聴者は、彼らの議論の仕方ややりとりを見て、自身の直感で判断すればいいだけのように思う。もっとも、温暖化問題は、既に科学の領域の話では無く、政治や経済の話になっているのだから、私達庶民は、優れた能力のある政治家を選ぶ選択肢が最もプライオリティが高い。

温暖化でも寒冷化でも、いずれにせよ、数十年以内にエネルギー危機は高まるし、輸入に依存する日本で、お金(円)で物が買えなくなる時代が到来する可能性もあるのだから、脱化石燃料・自給自足社会を進めるのは必然的な事だろう。その為に、地球温暖化問題が利用されて効果的に働くとしたならば、それは歓迎すべき事だが、もしも、本当に地球が寒冷化するならば、それは地球規模の飢餓や戦争が起きる事に繋がるのだから、各国が見せ掛けだけで無く、本気で対策を講じるべき事になるだろう。

さて、話は逸れるが、今月、2009年8月21日08:51に千葉県北西部を中心にM:4.2(最大震度3)の地震があった(気象庁参照)。関東では地震が多発していただけに、記憶されている方も多いだろう。
この地震発生の予知に、多分成功しているのではないかと思われるサイトがある。地震発生直前に生じる電気が電離層に影響を与える事で生じるFM電波の変化をグラフで記録し続ける行徳地震前兆観測プロジェクトのサイトがそうだ。
その行徳の千葉稲毛観測点で、2009年8月19日に西方向のアンテナのグラフが振り切れ状態になっている。

私が記憶が無いだけかも知れないが、行徳でこれだけハッキリとグラフが振り切れているのを見た事が無い。地震は、まさに稲毛の西で3日後に起きている。
もちろん、震度3程度の地震は、そう珍しい物でも無く、たまたまだったのかも知れないし、今回は震源が極めて近かったので当たった可能性が高いのであって、電離層や電波の伝播に影響を与えるのは、地震の影響だけでは無くグラフが異常であるからと言って、いかなる場合においても、地震を警戒するべきであると言う事では無い。

地震は、気象庁も予知できないと断言され、スパコンを導入している予知関連機関も発生を予知出来ているようではない。地震発生のメカニズムさえまだよくわかってないらしい。だから、地震は全く予知出来ないと考え、このようなオーソドックスな計測方法でどうやら当たっているケースがあると言う事すらも、胡散臭く信じれる物では無いと考えるのは、賢明とは思えない。

これは、地球温暖化・寒冷化の話にも通ずる面があるように思う。今の予測と数年後の結果を見て、『どうやらこちらの予測が当たってる』と判断できる事なのだろう。外れたほうは信じない。それだけの話だ。
ただ、地震の予知関連情報は、一定の読み解く能力のある者達だけが知ってればそれだけで済むし、怖ければ各自の責任で日頃から大地震への備えをしていればいい事なのだが、世界的規模で動いている、地球温暖化対策は、そうは行かない。もちろん、エコ推進で省エネ化は良い事だが、温暖化対策と寒冷化対策は全て一致せず、寒冷化対策で、日本を守る為にすべき事は何かを、政治家は早い段階から見極めておく必要があるのではないだろうか。

あたかも青天の霹靂のように言われる米国の金融危機も、随分前から破綻すると言う噂もあって予測しリスクヘッジ出来た事であり、現在の日本の景気状況も或る程度は予測の範疇であった事だが、結局は、ハードランディングを避ける為に、先送り借金を増やせば済むだけの単純な事に過ぎなかったが、地球規模の寒冷化(ミニ氷河期)は、そう容易な解決策は無いように思う。

明日は大事な選挙です。もしかしたら、1票の重みは、あなたの予想以上に遥かに大きいかも知れません。

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