ブログは健全化するのか? それとも終焉を迎えるのか?

2008.03.31

 先日、ニフティの調査結果が話題になった。国内ブログの4割がスパムブログだと言う結果が出たらしい。ブログのスパムと言えば、数年前迄はトラックバック&コメントスパムが主流だったと思う。しかし、それらがフィルターなどによって制限される事になり、スパマーはブログ量産への道を歩みだしたのだろうと思う。

要は、プログラムによる、記事の自動生成による、意味不明の文章が羅列された記事だらけ、或いは画像を自動収集して貼り付けているだけのブログの大量発生だ。手法はいくらでも考え付くし、多少のプログラミング能力があれば、案外簡単にできてしまう(探せば、モジュールなんかもあるんじゃないかな)。SEOよりもスパムのほうが簡単な上に、Googleでさえ、スパムブログを見逃して上位掲載するのだから、アダルト系や(アホほど儲けてると推測される)SEMなどの業者の確信犯だけで無く(多分)個人もやっちゃう人が増えたのだろうと思う。真面目にコツコツと情報収集をし、時間をかけて丁寧に推敲した文章を書いた記事よりも、スパムブログ群が検索結果上位に並ぶのだから、馬鹿馬鹿しく思う者がいてもおかしくは無い。

(排除する程度の技術力はGoogleは持ってる筈だと思う。目視確認によるホワイトリスト、ブラックリストからの統計的なデータで文章を推敲させてやるような単純なプログラムでも、半分以上のスパムブログは排除できるんじゃないだろうか。それをしないのは、これがニーズでもあると認識している。又は排除させる要望が少ない。或いは排除しないほうがネットにとって有益と言う”上からの”見方もできるのかも知れない。)

もちろん、ブログを使ったスパム的な(組織的な物を含めた)行為は他にも多々ある訳で、数年前からこの編集室でも愚痴ってましたが、スパムブログが4割もあったのは、個人的には想像以上でしたが、今起きているブログの弊害なども含めて、そのような危惧は、ブログ登場間もなく、十分に想像できた事で、故に無料ブログなどを紹介しながらも、排他的な思いから、こう言う事(意訳して頂けるとわかると思うけれども、”ブログなんか本当は必要無い”と言う趣旨です。)なども書いてました。

ブログはその潜在的な性質上、スパムツールなのだから、スパムとして使われる宿命を持っている。

しかし、多数のポータルが(囲い込み戦略などを目的として)ブログサイトを運営するようになり、ブログ普及の流れは止まらないのでブログを使うなと言ったところで仕方無い。とすれば、多くの一般ユーザーが普通にコミュニケーションツールとして使う事でしか、スパムは止める事が出来ない。故に、無料ブログの紹介ページも設けたと言う事です。

ともかく、一人で100や200もブログを運営していると言うのは、誰の目にもあきらかにおかしい事だと思いますが、このような機械的に生成されるブログの大量発生によって、コミュニケーションが疎遠になった個人はブログからSNSなどへシフト(でも、mixiもトラフィック数は減少の一途のようですが)するか、サイトやブログ、プロフを一切持たない者が増え、(経験や免疫が無く、煽動され易い)より危険な状態のユーザーが増えて来るのだろうと思います。

私の考える、Web2.0の次(要はWeb3.0では無いWeb1.0改)はまだ遠いような気がしますので、ネットコミュニケーション手段が劇的に変わるような事は無い(少なくとも、より高機能化するのでは無く、シンプルな原点回帰であって、例えばチャット感覚のケータイメールに代表されるような、メーラーをベースにしたようなスタイルなどです。)でしょうが、国内ブログの4割がスパムブログと言う事は、それだけスパムブログが増えた点と、ブログのニーズ自体が減った事で相対的にスパムブログが増えて見える事の2点が推測される訳で、後者が主たる原因であるならば、益々ブログは”死に体”になっていると言う事でしょう。

もちろん、影の部分があるならば、光の当たる部分もあるのは、ブログも例外では無く、そのメリットを享受している健全で真面目な一般ユーザーも多数いますが、このままブログのニーズの低下が続けば、それらユーザーが最も損害を蒙る事になるように思います。ガイアックスの時と同じですね。

1つ言えるのは、「金さえかけりゃ、ネットは何とでもなる」などと考えてる企業がいる限り、インパクと同じ事は繰り返し起きると思いますね。

ブログはその性質から言ってコミュニケーションツールだけれども、与えてやればそれでいいなんてもんじゃ無くて、個人レベルまで目を向けて育ててあげようと言う意識が必要で、少なくともそのような役割を担う牽引役的なリーダーがグループ単位で存在しない限り、活発なコミュニケーションは成立しないんですよね。

無料サイト集 Kooss (run)記

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