少子化対策は、生涯現役で働く元気な高齢者の多い社会で

2007.02.17

 サッポロホールディングの買収騒ぎ。もちろん、M&Aによる投機的な株価の吊り上げで、利ざや稼ぎであると言う事で、庶民からすればどうでもいいような、茶番劇的な馬鹿騒ぎにも見えますが、サッポロが経営統合を検討する理由の1つは、それへの対抗とは別に、根底には、少子化による市場の縮小を見越した統合の動きなどもあるような印象ですね。

 生活保護の母子加算の減額など検討されているらしい。働く母子家庭よりも、生活保護を受けている母子家庭のほうが所得が高いと言う結果などの不公平感の是正もあるらしい。真面目に働いている者が馬鹿を見るのは確かによくは無い、それに(実際は)破産状態とも言われる国家の財政状態 とは反対的に生活保護費の急激な増加を見れば、やむをえないような気もする。しかし、この根底にも少子化が深く関与しており、先日の日記に書いたように、日本の高齢化社会を支える人を増やす、即ち、働く者を増やす事のほうこそ、その目的があるような気がします。

お金を儲けると言うのは、お金の流れる仕組みの中にいる、或いは、その流れを作る事で、収入に結びつくものです。働くと言う事は、社会貢献をすると言う事であって、その結果として、お金が儲かると言う事です。 だから、働くと気持ちいいんです。もちろん、働く事をお金を儲ける為にするのは、人が生きていく上で必要な事ではありますが、その点のみに主眼を置くことで、身につかない苦労ばかりが残ってしまうと言う事もあるように思われます。働けど働けどわが暮らし楽にならざりは、現代のワーキングプアに通じると思われますが、その 理由の一部には、働く事に生きがいを見出していないが故の面もあるのではないでしょうか。

右肩上がりの経済で、生活レベルの向上が約束されていたから、みんな一生懸命に働いた時代とは違う。確かに、振り返ると、そうだったと思いますが、日本の高度成長期、そう思いながら働いていた人は、果たしてどれ位いたのでしょうか。 (日本が経済発展したのも結果論であると言う見方もできますから、約束されていた訳でもありません。) なんだかんだと文句や愚痴は言いながらでも、働きたいから働く、働くのがやっぱり好きだから働いていた人のほうが多かったのではないでしょう。働く事に生きがいを持っていた人は、今よりも随分と多かったように思います。(何も無い中での戦後復興故の創造的な社会は展望が明るく、大した楽しみも無く、生きる選択肢も限られていた、貧しい時代だった故などと言う解釈ももちろんできます。しかし、根本的には、そんな事よりも、一緒に何かを成し遂げる事の嬉しさ、達成感、喜びなどを子供の頃から熟知してる世代であった事のほうが影響は大きく、故に働く事に楽しみを見出せていたのではないでしょうか。)

 さて、昨日より確定申告がスタートした。e-Taxは電子証明書の取得に手間がかかって、かえって不便と言う声もあるなか、今年はベッキーを起用して普及の促進をしているようですが、それはさておき。今年の確定申告の特集でも、テーマの1つに、少子高齢化社会が上がってきている。これからの社会と税 簡単に言えば、高齢化によって税の支出が増えるのに、少子化で税収が減る、国の借金も増える一方と言う事が書いてある。

何度も書いているように、少子化の原因は、結婚しない女性が増えた事による物で、根本的な解決は、(これまで編集室で書いてきた事からも推察されるように、30代でも恋愛体験すらも無いような者が多いと予想される)出会いの促進や(既に結婚するカップルの10組に1組に達しているとされる)国際結婚の増加を中心に検討すべきですが、(非婚を希望する)個人の自由や家族の(子供を持つ事に対する)価値観も尊重せねばなりませんし、政治が介入するような性質のような物でもありませんので、高齢化社会を支える為には、結局は、働ける者はとことん働き続けねばならない社会になると考えるのが、妥当な気がします。もちろん、それは、社会の犠牲になるなどのような事では無く、生涯現役として社会を支える高い志と、仕事 を通した人生を明朗快活に楽しめる、周りから頼りにされるようなお年寄りが増えた結果、そうなる事が望ましいでしょう。昨年の老人の日(敬老の日)のイベントにしてもお年寄りを労わるというよりも、老人の生涯現役を推進した内容が顕著になってきていますので、社会全体で、そのような元気なお年寄りが増えるような方向へ支えて行くようになっていくのでしょう。

 既に身近に感じる高齢化社会とは別に、少子高齢化は、着実に、多くの国民の実生活や企業運営に影響をもたらしはじめているような気がします。

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