GoogleのGmail新機能、Google Buzz(バズ)の考察
公開数日前より、TwitterやFacebookの強敵になるのではなどと、海外サイトで話題になっていたので待ち構えていたのところ、先日の公開日はモバイル版先行で、本命のGmailのほうは、後回しになってしまい、書く気も失せていたのですが、Google Buzzを暫く使ってみて、もしかしたらこれは面白いかも知れないと思い、何やら書いて見る事にしました。
尚、このページでは、本名や現在位置などの個人情報が漏れたなどで話題になっている、モバイル版Google Buzzについては言及しない。(当方が未確認なので、述べようが無い。詳細は日本のGoogle公式ブログ”Google バズ を快適にお使いいただくために”で掲載されている)
Google Buzz概要
ざっくりと言えば、Gmailの新機能に、Twitterなどに代表されるような、ミニブログのような物がついたと言えばわかるだろうか。Gmailにログインすれば、”バズ”の項目があるので、そこから開始する事ができる。
フォローされておらず、不用意に、Gmailとのアカウントとの連携を意識していない、写真サイトやYoutube,Google リーダー,Google Blog(blogspot)などを、”接続済みサイト”に追加しなければ、プライバシーは保たれるので、心配は要らないように思う。不安な方は、デフォルトで”接続済みサイト”に入っている、GoogleリーダーとPicasaを”編集”から”サイトを削除”で削除すれば良い。(尚、もしBuzz自体が不安と言う方は、Gmailの最下部にある、”バズを無効にする”で簡単に無効化できる。不必要に不安がる事は無いだろう。)
尚、Gmail上のバズの一覧を、Googleバズでは”ストリーム”と呼ぶようだ。また、投稿した記事は、Googleプロフィールに反映され、第3者に参照される。但し、フォロワーとの会話などはこちらには掲載されず、プライバシーには配慮されているように思う。もちろん、Googleプロフィールを所有していなければ、掲載される事は無い。
当方のプロフを見ていただければわかるように、Googleプロフィールが、Googleバズによって、無料ミニブログとなった。
Googleアカウントを所有していれば、プロフにある”フォローする”のボタンを押せば、自分のGoogleバズのストリームで見る事ができる。
概要については、Gmailヘルプの”バズの使用方法”に書いてある。それと、当方で確認したGoogle Buzzの機能を簡単に列記していく。
[基本]
・検索:検索窓にキーワードを入れ、参加者全体のバズから検索できる。(*1)
・
・ストリーム:全体のストリームと、自分の名前ををクリックすると自分のストリームが見れる。連続投稿などバズが多い場合は重ねて表示される。
・接続済みサイト数:バズに反映させたいサイト(フィード)を反映できる。Twitterのつぶやきも対応している。Twitterのリプライ(返信)は掲載されないなどのプライバシーへの配慮もあるようだ。
・ユーザー検索:”○○をフォローしています”などから、ユーザー名や地域,連絡先で検索し、フォローする事ができる。
・ブロック:フォローされたく無い相手はブロックできる。相手は、自分のバズへのコメントや評価などができなくなる。相手には通知されない。ブロックもいつでも解除可能。但し、本日(2010年2月12日)現在、ブロックしても、相手のストリームに自分のバズが出てしまう模様。
[記事投稿]
・記事:つぶやき,発言を投稿できる。HTMLタグは使えないが、URLは自動でリンクが貼られる。長文投稿対応。公開は、一般公開,或いは幾つかのグループ分けされた仲間内の限定公開を投稿毎に指定可能。削除,編集は随時可能
・@ + ユーザー名:Twitterのように特定のユーザーに直接バズを送信できます。相手の受信トレイに届く。
・リンク:画像URL,YouTube動画URLなどを投稿できる。自動的にサムネイル表示になる。又、画像をクリックするとダウンロードされる。
・画像:画像をアップロードできる。自動的にサムネイル表示になる。
[ストリーム]
・コメント:相手(自分)の投稿へコメントできる。見た感じは1行レス式掲示板に似ている。コメントも削除,削除できる。投稿すると相手の受信トレイにメールで通知される
・Good:バズを評価できる。評価は後で削除する事もできる。
・チャットで返信:プライベートな会話へ移行したい場合などに使えるでしょう。
・この投稿をメールで送信:特定の者にバズをメール送信できる。
・この投稿へのリンク:バズのページができる。日付の箇所をクリックしても可。
・この投稿をミュート:自分のストリームからバズを消せます。コメントのあったバズを受信トレイに表示させなくもできる。一度ミュートさせると復活は出来ない模様。
因みに、自分自身をフォローする事もできる。フォローしても、ストリームが何か変わると言う事は無いようだ。
Googleバズは、Twitterと競合するか
昨今の海外のIT系サイトも、読者の興味のある刺激的な切り口で、Twitterキラー的な存在として煽るように紹介している物もあるような印象ですが、基本的に、現時点でのGoogleバズは、Twitterとは性格が異なります。
1:フォロワー数は、当分はそれほどは気になりそうも無い。
現時点では他者とフォロワー数が比較される事も無く、煽られるようにフォロワー数を増やさねばならないかのような無言の圧迫感は存在しません。(ただ、既に大量にフォローしまくってる人の話も聞きます)
2:チャット好きはGoogleバズは使わない。
既に、Gmailにはチャット機能もあるので、BuzzをTwitterのようにチャット感覚で使う人は少ないように思われます。
3:掲示板感覚に近い
Buzzのストリームの印象は、スレッド型の一行レス式画像掲示板に近い面があります。企業などは簡単なグループウェアの掲示板感覚で使えそうです。
4:ミニブログに近い。
(登録していれば)Googleプロフィールがミニブログへと変わります。
5:メーリングリストや非公開SNS的に使える。
随時バズを限定公開で投稿すれば、限られた者達のみが見れる、メーリングリストや非公開SNS的に使える。
6:全体の検索機能,リツィートなどが無い。
Twitterでは、皆が今何を発言してるか、どのような発言(つぶやき)が人気があるかなどがわかる機能があるが、Buzzには無い。追記:Buzzにも全体の検索機能はあります。(*1)
7:バズ専用の外部アプリが無い。
登場して間が無いので当然ですが。APIが公開されているので、今後登場するかも知れません。
以上のように見ると、Twitterのように、誰彼構わずフォローし、「おはよう」「ただいま」「おやすみ」などの挨拶合戦が行われ、それらの(チャット的な)会話から、見知らぬ誰かとのコミュケーションを促進するような性質にはならないように思う。
では、Twitterのように”新たな人との出会い”的な役割は担わないかと言うとそうでも無い。Twitter同様につぶやく事もできるのだから、気になるブログやサイト、コンテンツを持っているユーザーを見かけたら、フォローする機会もあるだろう。Buzzを使っている人ならば、他のBuzzも気になるので、フォローして見る事もあるだろう。見知らぬ者との繋がりも徐々に増えて行くように思う。
Google Buzzユーザーが爆発的に増える可能性はあるか。
あくまで仮の話ですが、Googleの検索結果上位に、Twitterのつぶやきが出ますが、もし、Twitter同様に旬なキーワードに関してBuzzでつぶやく者が増えれば、これがGoogle
Buzzに変わったとしても不思議では無い。リアルタイム性に強くなれば、Buzzでもいいだろう。Googleの検索結果で上位になるのならば、Buzzを使うユーザーは一気に増える可能性がある。
ただ、現時点ではTwitterのように、”地震”や今見てるTV番組名などで全体検索(*1)をして、ユーザーがライブ感を大人数で共有する事もできないので、果たしてリアルタイム性の強いつぶやきを発信するユーザーが増える土台があるかについては疑問が残る。
*1:追記
Buzzにも、全体検索機能がある事を確認。通常の、Gmailの検索窓の横に[バズを検索]のボタンがあり、全体のバズからキーワード検索ができます。
この検索結果を見れば、既に大量にバズッてる人が多い事に気づきます。また、大量にコメントがついているバズを見かけると、それが1つの人気のバロメーターとなっているようにも思われます。また、コメントがついたバズは、検索結果のトップになるので、この用途が主流になれば、まさに巨大なスレッド型掲示板コミュニティ的な利用がされ易いかも知れません。
Google Buzzは成功するか
時事ネタやTVネタを大勢でチャット感覚でリアルタイムに楽しみたいならば、今まで通りにTwitterを使えばいい。現時点では、無理してBuzzを使う必然性は感じない。
しかし、Twitterが、Twitterの世界の中だけで完結してしまいがちなのとは対象的に、GoogleBuzzは、その性質からして、既存のサイト,ブログ,コンテンツを持っているユーザーが、Google
Buzzを使って発信して行くのに適している。「わーっ」と大勢で盛り上がる事も無いが、繋がる世界が限定されている事でマイペースで続け易い。
また、即座にメールやチャットに移行できるので、プライベートなコミュニケーション促進に貢献する。
何かと言えば、男女の恋愛、或いは仕事に関する話だろう。恋ができる、金儲けできる、職探しができるとなれば、使うユーザーは一気に増える。もちろん、バズには反映されないので第3者からは見え難く、いかがわしさも無い。
ブロードバンドのインフラ普及がトップクラスの日本のTwitterが、欧米と比較してさほど爆発的に普及しないのは、この2点で活用できない状況にあるが、Buzzはいとも簡単に成し遂げる資質があるだろう。
Buzzを使うにはGmailアカウントが必須にもなってくるのだから、Gmailユーザーは増える可能性があるだろう。また、フリーメールを選ぶ場合に、Buzzと言う、掲示板やミニブログ、或いはメーリングリストに似た機能のある、Gmailを選ぶ確率が高くなるだろう。また、メール交換相手が”バズ”を要求してくるかも知れない。そして、一度Buzzと言う付加価値を気に入ったユーザーは、他のフリーメールを選べなくなる。
Buzzによって、現時点でも大量のユーザーがいるGmailが、世界標準のフリーメールとなる。もちろん、Gmailアカウントは、そのままGoogleアカウントになるのだから、Googleの全サービスを利用する機会も増えるだろう。
この点だけを見ても、Google Buzzは、Googleにとって成功すると考える事ができるだろう。
また、自分が求める要素のあるフォロワーを積極的に増やすならば、”フォローする”のボタンのついたGoogleプロフィールを公開し、自分のサイトやブログ、或いは各種ネットサービスからプロフへのリンクも必要となってくる。所有していないならば、新たに取得する必要も出て来るだろう。Buzzの普及は同時に、既存のネットサービス利用の活性化も促す可能性があるのではないだろうか。
最後に
無料サイトの紹介サイトを長年に渡って運営しているので、Twitterが日本でサービスを開始して間もなく、私もアカウントを取得し、色々と試しましたが、『何が面白いのかさっぱりわからない』と言う状況でした。今はその時のアカウント名すらわかりません。
その当時とは異なるアカウントで、私は頻繁にTwitterを使うようになりましたが、その理由は、Twitterが既存のマスコミなどで幾度となく紹介され、一般ユーザーが増加した事で、身近に住んでいるような人や同世代の人、或いは同じ事に興味を持っている人の意見や会話がリアルタイムで見れ、気楽にコミュニケーションできるように成長していたからです。
もはや異論すら無いと思えるほどになった『結局ネットは人である』と言う結論は、Web2.0やmixiなどのSNSが登場する以前、2002年に述べています
今のBuzzの状況も、Twitter初期の頃と同様に、「何が面白いのかわからない」状態で、多くの方がそう感じているのではないでしょうか。
既に世界でも日本でも大量のユーザーのいるGmailにBuzzが追加機能として自動的についたのですから、一気に大量の利用者がいる事は間違いありません。殆どが見えてないだけで、何やら独り言をつぶやいている方は多いのではないでしょうか。
Buzzの面白さは、それらBuzzの繋がりが増えていった時、初めて、見えて来るのではないでしょうか。
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