TV朝日 巨大地震は必ず来る を見ての感想

2006.07.01

  本日、7月1日に、テレビ朝日系列で放送された、土曜スペシャル(通称ドスペ)”巨大地震は必ず来る”を見ての感想です。(阪神大震災の経験者として… と言う事です)

番組では、巨大地震が来た場合のケース別の一問一答で、どうするのがベストかによって、ゲストが模擬的に視聴者と同じ立場に立って回答し、震災に対する生存率などを、示すかのような内容。巨大地震、即ち震災と言うことで、以前にも、こちらでご紹介した、E-ディフェンスのデモ動画が、番組でも頻繁に使われていたように、阪神大震災の震度7クラスを想定していると解釈した。

そこで出題された幾つかの質問とベスアンサーに、少しながら疑問を持った。

Q:大地震が来たらどうするか?
番組の答え:外へ飛び出す。
※古い木造建築の家は倒壊の危険があるから。(倒壊の恐れの無い家なら不要と言う事と解釈した)

Q:トイレ中に大地震が来たらどうするか?
番組の答え:外へ飛び出す。
※上に同じく、古い木造建築の家は倒壊の危険

Q:キッチンで大地震が来たらどうするか?
番組の答え:キッチンから避難する。
※上に同じく、古い木造建築の家は倒壊の危険など。

阪神大震災経験者として言わせていただければ、物が飛び交い、部屋が沸騰しているような状況の中、揺れが続いている数十秒間の間に、危険から身を交わし、安全に迅速に飛び出せるほどの運動神経と冷静な判断力を持っている人であるか、或いは、家の玄関などの出入り口に近い所にいる人ならば、すぐに家から出られる可能性はありますが、特に阪神大震災の時は、(ほぼ)暗闇だった事もありますが、最初の、やや濁った鈍く乾いたような『パァーーーーン』(或いは『バァーーーン』)と言う、かつて聞いた事も無いような、全く 得体の知れない、(やや遠方で、ミサイルなどの)爆撃を受けたような音を聞いた瞬間で、極度な緊張状態になり、金縛り状態で、私は、全く動けませんでした。(家が揺れている間も、あれが地震による物とは思えませんでしたから) また、家から飛び出せたとしても、上から物が飛んで来る可能性などは否定できないでしょう。

他の答えの1つには、テーブルの下に隠れると言うのもありましたが、テーブルが部屋の中を縦横無尽に飛びまくったり、場合によっては、ひっくり返ったりする可能性もあり、凶器と化すかもしれませんので、テーブルの下も危険であろうと思われます。

基本的に、戦後〜40年代程度に建てられたような、瓦の重い木造建築の家屋だと、1階も2階も無くなるほどの全壊が一気に起きる可能性があり、家の中にいるのは危険ではないかと思いますが、昭和50年前後以降に建てられたような軽量瓦を使った木造建築の家であるならば、(阪神大震災では、我が家の近隣で は、昭和46年前後に建築された家屋でも、一気に全壊した物は無かった。旧家は1階も2階も無くなっていましたが…)立地条件等にもよるでしょうが、即、倒壊する可能性も低いと思うので、無理な状況で飛び出す必要は無いと思う。

明らかに倒壊する恐れのある場合ならば、家から出る事が最良の策かも知れませんが、そうでも無いのならば、私なら、布団をかぶってじっとしてます。

尚、番組では、地震に詳しい防災アドバイザーと言う肩書きの方が述べられるには、(当然の事ながら)『震度6以上では人間は歩けない』としている。初期微動の時に動けるとしているが、震源から近い所では、そうもいかないだろう。

更に、別の問いで、”家の外で大地震が起きた場合、落下物によって、他所の家の庭に駆け込むのは危険”としている。と言う事は、家の中から、飛び出すにしても、庭など、家の近くに飛び出してはいけないと言う事になり、玄関の外へ出る のではなく、家の外の安全な場所に行く事が必要と言う事なので、そのような場所がすぐ近くに無い環境の人だと、無理だと言う事になる。

結局、冷静にすぐに、家の近くの安全な場所まで飛び出せる条件が揃っている人と言うのは、そんなにはいないと思うので、番組の回答通りに行動するのは難しいと言う事になると考えて間違いは無いでしょう。(対象家屋を、E-ディフェンスのデモ相当と仮定しているならば)そもそも、余震では無く、最初の地震で、全壊する恐れのある、地震対策をせず、強度の弱い、古い木造建築の家を前提状況にしているので、そうでは無い家屋にお住まいの方ならば、最初の(最も大きな)地震の後、次の余震が来るまでに、数分程度の余裕はあると思うので、家屋の被害状況を判断した上で、逃げ出せばいいと思う。

大地震の場合は、イザと言う時、何ができるか、どうするか。
では無く、イザと言う時、何もできないのだから、何もしないでも何とかなるようにする為に、或いは、悔いを残さない為に、日ごろからどうしておくか。
が重要ではないかなと、私は思います。

参考:震災10年に思う

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