イギリスの新型コロナ感染者数の伸びが衰えないのはマスクをしないのが原因か?

2020.05.10
日本の新型コロナウイルス感染が収束に向かっている事がわかる4つのグラフ

 新型コロナウイルスの感染爆発がやや落ち着いてきてベクトルが収束へと向かいはじめた欧州・ヨーロッパ、その中で英国(UK)のみ感染者数が一向に減らずおかしな状態が続いている。

新型コロナウイルス感染推移 英国,フランス,ドイツ,イタリア,スペインの比較
新型コロナウイルス感染推移 英国,フランス,ドイツ,イタリア,スペインの比較 出典:Covid Trends https://aatishb.com/covidtrends/

上のグラフを見て頂きたい。ドイツ,イタリア,スペインが下降方向に動き、フランスは急下降してる中、横一直線方向で推移し、なおかつまだ幾分上昇傾向にあるのが英国・イギリスだ。

これはイギリスが感染初期段階で集団免疫のようなおかしな政策を行ったからかと思い、今の英国をウェブサービスを利用して眺めてみると、あまりにも無防備な状況に驚いてしまった。未だにイギリス国民は集団免疫止むを得ず?と言う考えがあるのかというほどだ。

英国ロンドンのライブカメラやお散歩動画など見ると、ソーシャルディスタンスはそこそこ守られてるようで、ジョギング中の家族が出合い頭に人と会って急に立どまって衝突を避けるようなシーンはあるものの、何よりもマスクをしていない。呆れるほどに英国人達は(ロンドンだけかもしれませんが)マスクをしていない。

あのマスク嫌いなアメリカのニューヨーカーもアジアが感染爆発しなかった原因の1つがマスクである事を知ると一斉にマスクをし、イタリアやスペインもこれまでと180度方向転換しマスクの有効性を認め、外出時はマスク着用の義務を課す地域も現れ、フランスなど国によっては罰金を科す程になっているにも関わらず、人口100万人辺りの新規感染者数では、イタリアやスペインも遥かに超えてしまったイギリスではマスクをしてない人のほうが圧倒的に多く、稀にしかマスクをしていない。

幾らロックダウンをして街を歩く人は少ないとは言え、これでは感染者数も死者数も中々減らない筈だ。

英国ロンドンでは殆どの人がマスクを着用していない

通りを歩く人は殆どマスクをしていなかった

マスクを着用せずロンドンの通りを行く人々のサムネイル画像
マスクを着用せず英国ロンドンの通りを行く人々

上のライブカメラの連結画像を見て頂きたい。プライバシーに配慮し顔以外の箇所を加工している。

これは、日本でもどこの都市でも見るようなありふれた車道横の歩道が見れるロンドンのライブカメラ映像の通りを歩く人の部分のみを切り取って連結した画像なのだが、見て頂けばわかるように、殆どの人がマスクをせず通りを歩いているのがわかる。たまにマスクをしている人を見るとやたら目立つ状態になっている。最後の3人のみマスクをしている

中にはスケートボードで遊んでいる子供などもいた。英国はまだ全土に外出自粛要請もが出て、ロックダウンも実施中と思うが、そこそこ呑気なようだ。

Snakes Lane east 24/7 live stream,London

マスクをせず普通に散歩や公園で憩いを楽しむ人達が殆どだった

マスクを着用せず英国ロンドンの街や公園を散歩する人々のサムネイル画像
マスクを着用せず英国ロンドンの街や公園を散歩する人々

ロンドンの美しい町並みなどが見れる、ロンドンウォークの動画を見ると、公園で散歩したり遊んだりする人もいるし、ジョギングや自転車で走る人もいる。同じく殆どの人がマスクをしていない。

日本ではソーシャルディスタンスは、ウォーキングなら2mでは無く4m,ジョギングなら10mを推奨としているが詰まっている場面もある。自転車もそれ位は必要だろうが、結構な数の自転車が連なって通りを走るシーンもある。

4K London walk- Sloane Square To Sloane Square Station Round Trip During COVID19 In 2020

LONDON WALK --- from NOTTING HILL GATE to KENSINGTON GARDENS

地下鉄はマスク無しで満員電車になる場合も

マスクを着用せず満員の地下鉄に乗るロンドン市民
マスクを着用せず満員の地下鉄に乗るロンドン市民

また、イギリス政府の政策が悪かったのが原因だそうだが、地下鉄の電車の便数が少なく、通勤客で満員状態になっていたが、同じくマスクをしてる人は圧倒的に少なかったニュース映像があった。日本ではほぼ全員がマスクをしてほぼ全員が無言の通勤電車はクラスター化していないようだが、米国はマスクもせず大声で喋る人も少なく無かったのでNYの地下鉄がクラスター化し感染爆発したと言う話があるが、英国は大丈夫なんだろうか。

London Underground packed as services cut to curb Covid-19 spread

欧米ではマスクが嫌われる理由の考察。マスクマンは悪党だった。

 日本は目で表現し欧米では口元で表現する文化で、顔文字も日本は目だけで感情を表し、欧米は口の形で感情を表す事は、インターネットが始まる以前の、パソコン通信時代から言われています。

などですね。なので口を隠すマスクは欧米では流行らない。しかし、たったそれだけの理由では無いと思います。

日本では、鞍馬天狗の時代から善人はマスク。現代はマスク美人も流行

日本ではマスクをする者は善玉
日本ではマスクをする者は善玉

日本の場合は、目を出して口を隠すのは、時代劇に登場する頭巾をかぶった鞍馬天狗や忍者などのヒーロー的なキャラクターがそうです。逆に口元を出すとなると、手ぬぐいを頭に巻いて口を出したコソ泥などの悪党が該当します。

子供向けのヒーローキャラクターはフルフェイスの仮面(マスクマン)ですし、日本の能やアジア諸国の神々の面も含め、マスクをする者は概ね好感的に受け入れられる文化があり、日本は花粉症対策やインフルエンザ対策でマスクをする習慣すら定着しています。

また、以前は失礼にあたる可能性のあったマスク着用が、スーパー,コンビニの従業員では着用がマナーのように定着して一般的にもマナー的になった面や、マスクをしたそっくりさんタレントが人気者になって、マスク美人などが定着した事なども影響していると思われます。

欧米では、口を隠すマスクは悪玉、本物のヒーローはマスクをしない

欧米ではヒーローはマスクで口を隠さない
欧米ではヒーローはマスクで口を隠さない

では、米国の場合では、目を出して口を隠すのは銀行強盗などのギャングや犯罪者です。逆に目もとを隠して口を出すのはバットマンのようなヒーローの善玉です。マスクを全くしないなら、スーパーマンのような王道のヒーロー物です。

そもそも日本でもタイガーマスクが黄色い悪魔と言われたように、プロレスなどでもそうですが、欧米ではマスクマン≒悪玉の文化で、スパイダーマンも劇中でよく悪人と勘違いされる設定になっていますが、あれはフルフェイスのマスクをかぶってるからです。

最近でこそアイアンマンのようなフルフェイスのヒーロー(中で操作するロボットなので例外かも)も定着しましたが、悪玉は善玉にピストルで殺されると言うのが米国の典型的なヒーロー文化なので、マスクをするとそう言ったリスクも生じます。

英国でマスクをしないのは暴力を回避するため?

 欧米ではマスクマンは悪党と言う認識があるが故、マスクをしないと考察しましたが、理由は更に根深いかもしれないと考えます。

 マスクをしている=悪党、悪い奴と言う潜在意識が植えつけられる文化が故に、(失礼ながら)単細胞の人間が、全く罪悪感が無く、(花粉症なので)マスクをしているアジア人女性を、コロナと罵り危害を加えるなどの暴行事件が、新型コロナの感染初期に欧米各国で多数あったのを覚えている方もいるかと思います。

最近でも、米国では州で義務化されたマスクの着用を、マクドナルドで接客した従業員が求めると、客が逆上し、銃で発砲して負傷を追わせるなどの発砲事件が続発しています。それだけマスクへの抵抗がある人もいるのでしょうが、銃で発砲するのは常軌を逸しています。

また、NHKの国際報道2020によると、新型コロナウイルスの感染拡大以降、英国では家庭内暴力(DV)に関する相談が65%増加したとの事なので、英国では暴力的な人が増加している事が伺えます。マスクをすればより警戒してDVも増加するでしょう。

つまり、このような暴力事件がニュースになっている事で、テロ事件などが日本などよりも遥かに多く日頃から暴力を恐れている体質の国民で、なおかつマスクの予防効果があまり声高に言われていない国、即ちイギリスでは、暴漢や暴力から身を守る為にマスクをして無い面もあるのではないかと考えます。

英国ではマスクが買えないからマスクをしないのか?

 英国では市場でのマスク流通量が少なく、手に入らないからマスクをしている人が少ないのではないか?と言う考え方もできるので、少し、英国Amazonで”face masks”で検索すると、不織布使い捨てマスク50個17.38ポンド辺りからありました。日本円で約2289円なので今の日本の相場と同程度ですね。高く無い。しかも、使い捨てマスクも布マスクも立体的なマスクも医療用マスクでさえも大量に販売されていますので、英国では、マスクが手に入り難い訳でも高くて買えない訳でも無く、ただマスクを買って無いだけと言う事が想定されます。

英国ではマスクを購入できない空気が出来ているのではないか?

 英国BBCのサイトなどを見ると、日本よりもWHOの指針に従って対策が取られており、その影響力が大きいような印象を受けます。

WHOでは”医療従事者用のマスクを一般人は買うべきでは無い”と言う注意が出ており、英国では、4月に医療用(手術用)のマスクをたった3枚盗んだ男性に実刑判決が下りてニュースになっていますが、 医療用も一般用の使い捨て不織布マスクも見た目は同じなので、『勘違いされるのではないか』と言う思いや、『一般人は(どんな)マスクも買うべきでは無い』と言う誤った同調圧力のような物が働いてマスクが買えない、マスクを着用できない面もあるのではないかと推測します。

最後に。英国のニュースサイトを見ると。

ざっくりですが、海外のニュース記事をざっと見ると、4月28日にスコットランド政府は店舗内等でマスク着用の推奨をはじめたようですが、UKでは、マスク着用の議論はされているものの、まだ国で着用の推奨すらされていないようです。

英国では、ソーシャルディスタンスが大事で、十分な距離が取れているならば、マスクは不要と言う考えもあるようですが、実際は距離が取れないケースが多発し、日本でも感染の危機が生じる事はが周知されるようになった、手指の物理的接触による口元を守れない事での感染は考慮されて無いようです。

日本でも一部の医者が、マスクは予防には効果が無いので一般の感染者では無い人はマスク不要と最近まで言い続けていましたが、新型コロナウイルスの最近の研究では、発症者よりもむしろ発症前の無自覚感染者のほうがウイルスを大量に拡散する事がわかり、特に無自覚な感染者である可能性のある一般の人にも、専門家会議や厚生労働省をはじめとして地方自治体などでも、マスクを強く推奨しています。

この編集室でも、”マスクがコロナの感染爆発を防いだ”点も考察し、予防効果は極めて高いとは思うものの、マスク無しでも感染を防いでる国家もあり感染拡大防止の絶対的必須条件でも無いので、既に感染爆発してしまった英国が、このままマスク推奨や義務化をせずに、コロナが収束へと向かうのか、それともマスク着用を含めた新たな対策を取り入れていくのか、今後の動向を引き続き注目していこうと思います。目下のところ、このイギリスとブラジルとこれから寒くなっていく南半球に注目しています。

追記:イギリスと日本の新型コロナの被害状況が100倍以上の大差が開いている理由を、日本人特有の自然免疫としている方もいるようですが、この記事でも紹介しているように、今の英国人は国がロックダウンや罰則などを設けてもそれほどの緊張感は無くそこそこゆるゆるで散歩やサイクリングや公園で遊んでたりし、逆に日本では行政が強力な権限を持って強制せずとも、日本人は粛々と徹底的にウイルスから身を守るような生活を自発的にし自粛生活をしている、その辺りの違いが出てるのではないかなと思います。

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