庵野版シンゴジラ本日公開。これは大震災映画になるのだろうか。

2016.07.29
シンゴジラ 7月29日劇場公開

 今日から庵野版シンゴジラが劇場公開される。相変わらず中々自由な時間が取れないが、もし余裕ができれば見に行こうと思っている。そんな訳でここに書いてる時間も無いのだけれども、もし映画を見に行けた時の自己検証用としてメモっておきたいと思う。

 因みに私は、ゴジラは特に1960年代に劇場で見て育った口で、当時、同居していた祖母同然の祖父の妹が映画の無料パスの融通が利き、ゴジラ映画もよく連れて行って頂いた。家は貧乏ではあったが、東宝,東映の子供向け映画は殆ど見ていたように思う。

 庵野版シンゴジラは、原点回帰のリメイク版の新しい真ゴジラであって、大震災などをオマージュとした神ゴジラと言う事のようだ。映像的な見どころは、巨神兵東京に現わるをゴジラでやっちゃう辺りなんだろうなと想像してる。ただ、カタストロフ映画では無く、最後に勝つのはニッポンで、ゴジラは生死は不明若しくは完全には死んで無いか辺りな感じじゃないかなと。まぁその辺(続編につなげる方法)はどうとでもなるので実はあまり興味は無い。

 個人的には、作品後半の展開としては、ジブリを継ぐとさえ噂される庵野氏と言えども、ゴジラをやれる事なんてそう何度も無いだろうから、どうせならば、庵野版帰ってきたウルトラマン(帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令)や庵野氏が手掛けたDaicon IV OP的な事(要はもう何でもアリで、それこそ石原さとみがウルトラマンのように巨大化して、ゴジラと戦うとかでもいいかと)のような、誰も絶対やらない事をやってのけてもいいんじゃないかと思っていたんですが、公式アナウンスで王道ゴジラと言う事で、あぁこれは1954ゴジラが国難だった戦争を思い出させたように、(映画前半辺りは)現代の国難の大震災を思い起こさせる震災映画になるんだろうなと思う。

 阪神大震災の前に、大地震を予知した学者がいて、学会で報告もされたが、(ここいら阪神間は大きな地震などが起きる場所では無いなどとして)問題にもされず一笑に伏されたように、シンゴジラでも津波?が巨大生物の影響だと言うのを、馬鹿にして一笑に伏されてしまう辺りや、実際に巨大生物ゴジラが現れても、何もできずに、ただゴジラが何もしない事を祈り通り過ぎて行くのを待つ国の偉いさん達の様子は、まさに自衛隊を派遣せずに「大げさなんだよ」と言っていた阪神大当時の眉毛の総理大臣たちや責任を取りたくない官僚達の挙動(失敗しない為には何もしない事が最善)に類似していると思っている。因みに震災後漸く被災地に足を運んでも被災者から罵られ、オウム事件が起きたので、これ幸いと阪神大震災の対策を切り上げたのが当時の政府。

 同時に、被災者へのマスコミの酷い扱いも同様に描かれているのも気になる。小さな子供が泣くまでマイクとカメラを向け続けるのが正義であって、「わざわざ取材にしてきてやってるんだ」と言うマスコミ様的な映像などはあるだろうか。

 また、もしも一般人もリアルに描いているのならば、阪神大震災当時を想定するなら、興味本位でゴジラやゴジラに破壊された映像を見て面白がって笑っていたり、(当時は芸能人すら堂々とやっていた事を告白した位に)ゴジラに殺された死者の数で賭けをしている者がいたりするとか、また、震災ではボランティアが大きく役立ったように、ゴジラ撃退に何かボランティア的な結集したニッポン人の力が役立つようなストーリーがあればとても面白いと思う。

 時間が無いので、文にまとまりは無いが、これは単なるゴジラ映画では無く、また庵野だからこそできるハチャメチャな映画では無く、あの1954年のゴジラ映画ですら超えられなかった壁さえも超えて行く、今の日本だからこそできた、今の日本人だからこそ感動できる、王道のゴジラ映画になっているのではないかと期待して止まない。だから見に行きたいと思っている。単に、幼少期からゴジラ映画で育った人間だから見に行きたいと言う訳では無い。

シンゴジラ

 あと、ゴジラ映画と言えば、気になるのが、故・伊福部昭氏のゴジラのテーマだろうか。

 実は、このシンゴジラで違和感を感じたのが、全く新しい造形のシンゴジラなのに、声(鳴き声)が昔のまんまだった事。コントラバスを使ったオリジナルのままだ。

2014年のGODZILLA(レジェゴジ)ではゴジラの鳴き声も新しくなっていたのに、音楽は伊福部昭氏のゴジラのテーマをリスペクトしたイメージの物だった。

今回のシンゴジラで今の所耳にしているのは、予告編で流れる鷺巣詩郎氏のシンゴジラのテーマ曲のみですが、音(ゴジラの声)を原作を全く変えずにオリジナルのまま使うほどのこだわりを持っているのならば、シンゴジラの中でも、伊福部昭氏のテーマ曲が使われるのではないかと思っている。伊福部昭氏のゴジラのテーマが使われると言う事は、(過去のゴジラ映画がそうだったような)そういうストーリー展開も期待できるんだろうと思う。もちろん使われるのは最後のエンドロールだけで、昔のゴジラの映像などと共に流れるみたいな、最近のリメイク版,リブート版の特撮映画によくあるパターンも考えられる。

実際、タワーレコードで7/30販売予定のシン・ゴジラ音楽集はメインの鷺巣詩郎氏の他にも、伊福部昭氏の名前がハッキリと書かれている。果たして、これだけで劇中音楽として使われるのかどうかは不明だが、ゴジラ映画のファンにとっては、映画を見る上での最大の楽しみの1つになる事は違いないだろう。

他にも気になる点は幾つかあるが、もし時間が取れれば、早い内に見に行こうと思う。

追記:阪神大震災についてあまり詳しくご存じで無い方は、こちらなどを参考にどうぞ。

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