ネットの無料サービスを利用すると、本当に迷惑メールが大量に届くのか?

2009.09.20

 一時期、ネットの無料サービスの中には個人情報を取得が目的で運営されている物があるなどと言った噂があった。もちろん、それは、モバイルユーザーの特異な携帯サイトの世界の事であって、通常のPCサイドから見る、そもそも匿名前提のネットの世界では、身元がしっかりした情報が大量に得られる一部の大手ポータルやISP(プロバイダー)以外には、ビジネスに結びつかないので、論理的に考えられず、都市伝説めいた話や、或いは中堅・大手系による(中小サイト潰しなどの)ネガティブキャンペーンの類に過ぎないと解釈していた。

事実、深刻な個人情報の流出と言うのは、日本を代表するような企業や公的機関や、大手プロバイダー等で起き、過去、新聞・テレビなどでニュース報道されてきている事はご承知の通りです。

さて、個人情報は嘘八百で、個人が全く特定出来ないようないい加減な内容で登録(*1)しても、メールアドレスだけは当分は有効に使える物でないとサービスを十分に受ける事ができない。故に、メールアドレス転売や、メールアドレスに大量にスパムメールを送りつける事を目的とした業者が、メールアドレスの収集目的で、無料サービスを偽装する可能性は十分に考えられる。

この点について、実際に迷惑メールが多数舞い込むかどうかに興味をお持ちの方は少なく無いように思う。また、今も尚、ネットに対し必要以上に不安になる方が多く、特に知名度の低いネットサービスほど危険であるかのように間違った解釈をしている方も多いだろう。(個人的な経験では言えば、安全性と知名度の高さに相関関係はあまり無い。隅々まで見ても、違法情報、アダルト、情報商材系などの匂いがしなければ概ね安心なのではないだろうか。)

無料サービスのアカウントを多数取得しているメールアドレスを確認してみる

そこで、無料サービスの情報を調査する際に、実際にアカウントを取得するのが主な目的な、無料メールのGmailのメールアカウントがあるので、そちらの状況を紹介しよう。

全ての無料サービスでアカウントを取得しているのでは無く、アカウントを取得しないと詳細なサービス内容がわからない物や、あやしい可能性があると思われた物のみを対象としているので、それほど多くは無いが、それでも、このメールアドレスを利用して現在まで取得したアカウントは、国内外の無料サービスを含め約100〜200件程度はあると思われる。 多分、一般的なネットユーザーの水準を遥かに越えている数ではないかと思われるが、ネット関連サービスを調査している専門の者からすれば、少ないと言えるだろうか。(*2)

さて、本題の、このアドレスでの迷惑メール受信状況です。右上はよくご存知のGmailのログイン画面受信メール一覧。

右は迷惑メールのラベル部分を等サイズで、掲載した物。横に何も数字が記載されていない事で、新着迷惑メールは1通も無い事がわかる。

 

迷惑メールフォルダに入ると、1通もメールは入っていない。一覧には、右のように、”迷惑メールはありません”と言うメッセージのみが出ている。

本当は、Gmailのフィルタ機能でデフォルトでは迷惑メールフォルダに振り分けられていたメールが幾つかかあるのですが、実際はスパムメールと解釈されてしまったネットサービス関連の通知メールであって、本当のスパムメールや迷惑メールに該当する物は1通も届いた事が無い。

サイトに公開している通常のメールアドレスの迷惑メール受信状況

他方、当サイトの、一般窓口になっている連絡用メールアカウントの状況を見ると、右のように新着迷惑メールが860通届いている事がわかる。

このGmailアカウントでは、他の無料サービスのアカウントを取得する事は、最近は殆ど無い。
もちろん、Gmailの迷惑メールフィルタは優秀なので、殆どは自動的に迷惑メールフォルダに入る。判別されなかった物でも、一度迷惑メールフォルダに入れれば学習され、後続のメールは全て迷惑メール扱いとなり、たまったメールは30日後に自動削除される。
1ヶ月ほど前にまとめて1000通一括削除した事もあり、実際はこれまでに数千通〜1万通程度の迷惑メールを受信していると思われる。最近は、殆どが情報商材系の勝って登録のメルマガになってきている。実質的に未承諾のオプトアウトメールなので、監督官庁が何らかのアクションをするのも時間の問題ではないかと考えている。

このアドレスに大量に迷惑メールが届く理由については、一般向けの連絡用アドレスの為、サイト内の複数ページに公開している事が最大の原因だと思われる。もちろん、スパムフィルタ機能の優れたオンラインのWebメールである、Gmailだから公開できた事です。

迷惑メールが来るのは、別の理由によるもの

比較の為に用いたメールアドレスは、露出回数の点で言えば、一般の方と比較すれば極端かも知れないが、このように迷惑メール業者は、何らかのツール類などを用いて、ネット・ウェブサイト上から大量に収集されたメールアドレスや、アドレス生成ソフトを使って乱発するのが、コスト面でも効率面も良く、わざわざ、僅かな数のメールアドレスを収拾する目的で、相応のコストの負担をし、リスクを侵してまで、ネットサービスを立ち上げる必要など無い事がおわかりになると思う。

迷惑メール対策は、よく言われるように、無用心にアドレスの公開をしない、複数メールアドレスの使い分け、フィルタ機能の活用、単純なアドレス名にしないなどで、大半は防ぐ事が可能になります。

本文は、絶対に、どのような無料のネットサービスでも迷惑メールの類が来ないと言う事を述べている訳ではありませんが、本文を読めば、少なくとも、プライオリティは、無視できるほど極めて低いと考える事ができると思われます。

逆に、わざわざ記事にするほどでも無い(既知の事である)と思われる諸兄もいらっしゃるかとは思いますが、ネットを徘徊すると、今もなお、風説の流布を見る機会もあり、書いておく事とした次第です。

 

*1:しかるべき所が動けば発覚しますので、犯罪的行為等に使えると言う事ではありません。昨年のコミュニティ系掲示板での匿名の犯罪予告でも即逮捕の大量の例を思い出して頂ければおわかりと思います。

*2:勘違いされる方がいるかも知れないので、追記しておく事にする。このGmailのアカウントは、2008年2月4日に取得した物で、それ以前の無料サービスの調査は、Gmailでは無い物を含む、別の複数のメールアドレスを使っていた。故に、2000年以降、総数では少なくとも500以上の無料サービスのアカウントを取得し、調査・確認をしていると思われます。

無料サイト集 Kooss (run)記

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