w=(笑)は正確では無い。

2013.12.17

 先日、三省堂国語辞典第七版に概ねネット用語の”w”が登録された事が、三省堂のTwitterアカウントによって告知され話題になった。国語辞典に”w”が載ったのは初めての事だそうな。
ただ、その意味が、(インターネット上の俗語)で”(あざ)笑うことをあらわす文字。”とされているのに、ネット上の反応を眺めると違和感を感じた者もいたようだが、そこは三省堂だけあって適切に掲載されたと関心した。

実は、もう何年も気にしながら、まだ誰かが書ているのを見た事がないので簡単に書いておこうと思う。wの原点を(笑)とするのは正確では無い。

よく、(笑)→笑→藁→わら→w→草生える→草不可避 と言う流れで紹介されているけれども、笑→藁 と直接的になったようには、私は理解していない。

私の経験からすると、”藁”が流行った経緯を思い起こせば、2chで煽りあって罵声をあびせ言い争いあった者や、或いは何かに恨みを持つ者が、藁人形(や藁人形を打ち付けているなど)に類するAA(アスキーアート)や”藁藁藁藁藁藁藁藁藁…”の連続文字列を大量に延々と掲示板に張っていた事が印象に残っている。

これは、言わば呪いを込めて「お前氏ねや」と言う意味合いに近いもので、それがライトに簡略化されて、クールに嘲笑レベルになって広まったのが(藁)や(ワラじゃなかったかと解釈している。(言うまでも無く、更に簡略化されワンキーで済ますようになったのがwになる)

当時のそういう類のスレッドの”名残”が今もネット上にそのままの形で残ってるのは少ないとは思うが、気になる人は、例えば”氏ね””藁藁藁藁”などのキーワードでGoogleなどで検索してよく眺めて貰うと、2つのキーワードが比較的近い位置で出現する事がわかるかなと思う。

現在のネットでは、普通にwを(笑)の代わりに使うように一般化し違和感や反感(喧嘩売られたなどと思う)を持つ人は滅多にいないでしょうが、他方、ページタイトルにwを入れると若い中高生などが多く釣れると言う事からか、近年はアダルトサイトなどでもwを含めたネットスラングを多用するケースをちらほら見かける事があります。

当時、2chなどを頻繁に利用していた者が、果たして藁やwを見てどのように思ったかどう理解したか、また、こう言った用語の変化を含むネットの変遷をどの程度受け入れているか、それと記憶の薄れ具合などにもよるとは思うが、あまりフレンドリーでは無い目上の人に親愛の情を込め、(笑)のつもりで、不用意にwを羅列しメールやメモ,手紙,或いは年賀状などは送るべきではないと言う事は、頭の片隅にでも入れておいたほうが賢明だろう。

追記:2017/12/09
w=(笑)は正確では無い(w=(笑)は正確ではない ※1) この記事、久々に見たら検索結果から消えていたのでGoogleへ通知し、ざっとネットを見渡すと、w(藁)の変遷がかなりいい加減なブログが蔓延しているのに驚く。笑がワラになって藁になってWになったみたいな記事も恥ずかし気も無く平然と書かれている。wに嘲笑の意味(国語辞典に(あざ)笑うことをあらわす文字として掲載されている)があると言う重要な説明が欠落しているにも関わらず、普通に(楽しい)笑いを語源として記載している事に本人は全く気づいていないようだ。随分と若い者の何も知らない無知さ故もあるのだろうが、広告費稼ぎの釣り記事もあるだろう。そもそも、wを何の臆面も無く書いたり、何も深い思慮も無く受け入れたりしている者だろうから、その程度の人間と言う事だろう。それこそwwwとあざけ笑うしか無い。
少なくとも当時10代後半以上で無いと2chのディープ(と言うほどでも無いが) 死ね(氏ね),殺すなどを平然と使い罵り合っていた投稿だらけの状況を見てないだろうから、ここで書いたような変遷も知らないだろう。なので、今は少なくとも30歳前後位から上で無いと知らないネットの話になるように思う。
藁は藁人形の藁だけど、それは「ハハハ」では無く「ヒヒヒ」などが近く卑屈で冷笑した嘲笑と言えば、よりわかり易いかもしれない。藁人形を木に打ち付けながら「ヒヒヒ」と嘲笑した様子が「(藁)」となる。
因みに、そう言う印象を回避したい事からか、現在の主流は”草生える”,”草不可避”となっていて、悪く無い落としどころになったんじゃないだろうか。
尚、”コトバンク”を参照すると、wの語源は藁である言う旨の解説は、知恵蔵にも記載されているようだから、興味のある方は参照されたし(※2)。ただ、藁がなぜ嘲笑かなのかは知恵蔵のライターも知らなかったようだ
ともかく、w,藁,笑にまつわるこの件だけで無く、いい加減な内容のブログがやたらと増えて、しかも検索結果の上位にのさばってるなぁと。こんなの誰が検索するよ? 検索離れが進むだけじゃないの?? 今や、一時期バカッターと言われたTWitterのほうが確度の高い役立つ情報が流れてくるようになったように思う。おこちゃまに迎合し過ぎるとダメになるのはネットも同じなんだな。
尚、十数年経過した今も、当時の名残は垣間見る事ができ、”氏ね” ”藁藁藁藁”や ”処刑” ”藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁藁”や ”死ね” ”藁藁藁藁”で検索し検索結果を眺めればわかるように、相手を呪い殺す為の”藁”である事が推察できる事が理解できるかと思う。
因みに、藁がワラ,wへと変遷したのは、変換する手間が無いので、素早く相手を罵声する文言で埋め尽くせる事ができるからだろう。例えば、wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwのように。ずっと、wを押す+改行を連打すれば、自分に不都合な投稿は簡単に流れて行き、他の者の目に触れる事は減る。別にAAでもいいだろうが、このほうが遥かに簡単だ。また、wの羅列の合間に文字を分割して挿入し、更に嘲笑の度合いを上げて煽る応用形?のような物も多数あった事を申し添えておこう。
これだけ藁人形の”藁”を語源とした”w”が流行り、更に形を変えて、今も”草生える”として残っているのは、SNSなどがまだ無かった頃に存在した最盛期は毎日2000万人近くが利用していたと言われる巨大掲示板(※3)には、そういった強い思念,怨恨,怨嗟,激憤,厭悪を持った者や活動家などが、当時は数多くいて、そういう場面を大勢の人間が目にしていたからだと言う事と、不都合な存在のクサイ物には蓋をするネットの現状には、ネットで情報を発信する者ならば、理解しておくべき必要があるだろう。
一般のユーザーは、少なくとも、昔は2chをよく使っていたであろう目上の上司などに喧嘩売ってるつもりが全く無いならwは絶対使うな。人によっては地雷だ。
※1:重要な事は曖昧にしてサイトを探しにくくしておきながら、どうでもいい事で検索結果をGoogleが区別(誘導)するので併記しておく。併記しないと本文タイトルで検索しても検索結果から消される事になる。見ればわかるように意味は同じだ。
※2:調べられないと言う方のわかり易い検索キーワードは、コトバンク 知恵蔵 w 藁 でYahoo japanなどで検索下さい。
※3:因みに直近のLINEの国内月間アクティブユーザー数が7000万人以上。2chは最盛期が1日辺り2000万人近くいたらしいので月間に換算すれば人数は現在のLINEに匹敵するレベルかと推測されます。ただ、中身に関しては圧倒的に当時の2chのほうが濃く深いのではないかと。当時の2chのディープな面は、例えば西鉄バスジャック事件のネオ麦茶などを参照下さい。尚、当時のネットはADSLがそろそろ普及し出しスマホなども存在してないまだWeb1.0の頃の時代です。

追記:2013/12/30
wが嘲笑の意味合いをも指す事が広まったからか、その後、不特定多数の参加者が多いSNSなどでは、wを使っている人を見かける機会が減ったような印象があります。少なくとも、wを使って場の空気が変わったと感じた場合は以降はその場での利用は避けるのが賢明でしょう。
wが使えないと表現し難いので困ってると言う方は、(^_^),(^^),(´∀`):-) などの心情のバリエーション豊富な顔文字を辞書登録しておくなどが良いかと思われます。
余談ですが、この"w","(藁)"の成り立ち同様に、ネットで近年流行している物のそもそもの由来や成り立ちには、多分、今回のwと比較できないほどに(知らない人だと)仰天すると思われる物がありますが、こちらももし機会があれば。

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