粛々と実行される?インターネット規制の強化。

2008.07.01

 先日ネットで、ちょっとした事件があった。毎日新聞の、海外向け英文ニュースサイトの閉鎖だ。理由は、普通の日本人なら、驚くほどの変態的ゴシップ記事が多かったからで、それへの批判を受けての事のようだ。(外人には、そんな変態的な日本がウケてたんでしょうね。日本最大のスター、ゴジラすらも米国で当初ウケてた理由は、原爆が生んだモンスターと言う真面目な戦争映画では無かったし、ジャパニメーションも”HENTAI”即ちエロと見ている輩が相変わらず多い事は、”hentai”で米国Googleを検索すると推察できると思う。かと言って、それに4大紙の一角が迎合する姿勢もいかがなものかと思うし、あまりにもネット上に氾濫するアダルトへのアンチ姿勢を取っているサイト管理者としては、日本の性産業のあり方へも一石を投じた今回の件は、意義深いと思っている。特にアジア圏では、AVの映像は日本社会の真実であるとするかのような、誤った解釈が今も根強いように思うが、これが、日本への偏見に大きな影響を与えているのだろう。)

さて、その毎日新聞が、海外向け英文ニュースサイトの件で、某巨大掲示板に法的措置を取るとしている事で話題になっている。と言うのも、掲示板では、記事内容とは無関係の、女性ライターや毎日新聞社員などを誹謗中傷したと言う事によるもの。

この件についての詳細は、毎日新聞社の公式サイト上での、僅か3行程度の文言であって、一見すると、”ネタ”的なもの、或いは、軽い牽制の域を超えていないものと解釈される方もいるかも知れない。
実のところ、毎日新聞社の意図は、私などのようなボンクラの外野には、よくわからない。
ただ、この件を考える時、直近で起きている2つの大きな要素を考慮した上で、見つめなおすと、本当に毎日新聞社が法的措置を取る可能性もあるのではないかと思われるようになるだろう。

  1つ目は、犯罪予告(殺人予告)が犯罪と広く認知された事。
サミットを控えている事もあり、秋葉原事件以降、模倣犯の逮捕者・検挙者が後を絶たないのはご存知と思うが、では、その全てに対して、内容を確認されている方は、そうはいないだろうと思う。私も全て見た訳では無いですが、その一部を見ただけでも、今までならば、明らかに「冗談です」で済みそうな内容であっても、逮捕されてしまうと言う事がわかる。(某犯罪予告情報サイトによれば、逮捕者はここ数日で急激に減少し、昨日と2日前は0人だった模様。効果があると言う事なのだろう。)

もちろん、その背景には某巨大掲示板などの当局への協力があり、犯罪予告を掲示板に投稿した者は、IPなどの個人情報が公開(開示)され、他の一般の掲示板参加者が当局へ通報するようになっている。
今回の毎日新聞への誹謗中傷は民事であって、民事不介入の原則故に、全く同様な事が起きる事は無いと思われる。しかし、犯罪予告の多くが威力業務妨害である事を忘れてはならない。毎日新聞社の社員に対しての誹謗中傷の度が過ぎていた場合、もしも、業務妨害(偽計業務妨害罪)に当たると解釈されれば、話は別になる恐れがある。(ざっと見たところ、複数のブログ等でも、関与したライターと思われる者への殺害予告めいた記事が確認できた)

  2つ目は、ネットの更なる規制強化
先頃成立した、青少年ネット規制法案は、概ね、業界の自助努力を促す内容で、実効性と言う面では、やや懐疑的な内容だろうと思う。しかし、先の秋葉原事件によって、更に強化されていくのでないだろうか。
記憶が曖昧なので申し訳無いが、以前、徘徊中に見たサイトでは、大手マスコミ並みの閲覧数のある影響力のあるサイトに関しては、同じような条件で責任を課すべきと言ったような意見が、政治家の中にあるなどを目にした。

大半が煽動され易いドシロートの溜まり場と、御用聞きと物書きを生業とする集団のプロのサイトを同列に扱うのも如何なものかとは思うが、確かに無責任な者達の(或いは作為的な扇動者による)ネット内外へ与える影響力と言うのは計り知れないものがある。ここ何年かで、個人サイト攻撃などは減ったので、匿名性による攻撃に、直接的に憤慨するウェブ管理者は減ったと思うが、その矛先が変わり、一見すると、ナショナリズム的に組織的勢いで、企業や社会、国家へと向かっているように思える面もある。もちろん、適切な批判が増える事は、日本のインターネットの健全な発展にも貢献し、喜ばしい事とは思うが、果たしてそれが毎回、特定の組織などによる意図的な煽動の結果では無いと、誰が言い切れるだろうか。

  問題となった、毎日新聞社の海外向け英文ニュースサイトは、速やかに削除されたが、今もその記事内容等はゲリラ的に延々と転載が繰り返されている。更に、今回の、毎日新聞社の法的措置を取るとした文を掲載以降、某巨大掲示板では、関連スレッドが乱立(本日現在、400は越えてる?)し、更に強く煽るような反発等が増えているようだが、この事は、ネットの規制強化を促進してはいないだろうか。

ネットを徘徊すると、毎日新聞の解約が急激に進んでいるとの噂もある。
毎日新聞としては、”スルーすればいい”と言う状況では無いかもしれない。
某巨大掲示板に対しての直接的なアクションは考え難いが、掲示板のみならず、ブログや各ネットサービス上での投稿記事で、扇動者が特定されれば、魔女狩り的な行動に出る事はあるのではないだろうか。
もしかしたら、毎日新聞社は本気で検討しているのかも知れない。

悪しき前例とならなければいいのだが…

追記:2008/07/02

昨日の某掲示板での殺人予告で、「無差別に人を投します」と”殺す”では無く、”投す”と書いた18歳の会社員が逮捕されました。本人は、冗談半分と言う事らしく、文字の誤用によるネタとして、面白いと思ったのでしょうが、警察は、しっかり、殺害予告として解釈し、悪質と厳しく対処されています。

例えば、暫く前ならば、”的を射る”では無く、”的を得る”と言う、学校教育レベルでの文字の誤用を行うと、批判されるのがネットでしたが、昨今では一般常識(常用される言葉)として”的を得る”の理解が、ネットにも広がっていますが、一般世間では、文字の誤用で否定される事は少なく、何を意味するものなのかで受け入れられる事が遥かに多いのです。(因みに、中高年から上の世代では、”的を射る”よりも”的を得る”と使う事が多いように思います。もちろん、”当を得る”が本来は正しい事も理解していますが、通用するからそれでいいのです。) この場合、一般常識では、前後の文字を考慮して、”投す”が”殺す”以外の意味に解釈できないと考えられるであろうと思われます。

この事件で、悪質とされたのは、社会人と言う立場でありながら、(模倣犯を増やす可能性のあるような)面白半分で威力業務妨害を行った事であろうと推測しますが、今後、一般世間の常識がネットの中で幅を利かせて来る事を考慮したならば、文字の誤用で済ませられるのは、ネット特有のものである(あった)と言う認識が必要になって来ると言う事なのでしょう。

サミットを控えている事もありますが、秋葉原の事件に感化された可能性のある、殺人事件も起きていますので、面白いからと、悪心を煽るような事をして、タダで済む訳がありません。

これ(文字の誤用への不寛容)も、ネット規制の1つと解釈できるかも知れません。

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