秋葉原事件の犯人に関しての作田明氏・小浜逸郎氏の考察を見て
なんだかんだとやる事があって日が変わってしまったけど、いちお書いておきます(リンク貼ったら以後永遠に放置の、ブログやってる人が多い現在のネット参加者にはわかり難いかも知れないけれども、リンク集(無料ディレクトリーサービス)では、ネタ探しや確認以上に、リンク品質管理が結構タイヘンで、これを多くのウェブサイトのリンク集が疎かにしない事で、ネットの健全性が保たれていたりするんです。なので、逆に言えば、性犯罪に何らかの加担をしていると思われるアダルトが氾濫したのは、ブログ主体のWeb2.0の構造でありまして… もちろん、マスコミご用達のいわゆる知識人達が言う方便のような結果論では無く、ブログ登場初期から、日本には不向きな物として批判してますので。)
昨日のたかじんの委員会、作田明氏が出演されていた。作田氏は、少年A(酒鬼薔薇聖斗)の犯人像の推理などから、広く知られるようになった著名な犯罪心理学者です。(作田氏による、酒鬼薔薇聖斗の推理は、外れていた点もあるように思われますが、当時、誰一人として子供による犯罪であると的確に推理した者がいなかった事を考慮すれば、真実の犯人像に近い事を述べられていた一人ではないかと思われます。気になる方は、”酒鬼薔薇聖斗事件・コメンテーター発言集〜逮捕前”などを参照下さい。) 番組の流れとしては、いつものコメンテーターの意見が主流で、専門家の作田氏による考察が少ない内容だった。
番組によれば、秋葉原事件の4日前に、作田氏が、今回の事件を予言するかのような論文を発表されていた事を紹介しており、確かに概要は的確に言い当てている。しかし、作田氏によれば、この事件は犯人のパーソナリティー故に起きた(本人の資質による)事件であると指摘されてあり、成長過程においては、母親による異常な心理的虐待などが重要なポイントとしてあげられていた。
子供がこのような犯罪を起こさせない為、加害者にならない為には、作田氏によれば、狭い価値観や狭い環境のみで教育しない事などと述べていた。(もちろん、テレビ番組慣れしている、”流れ”を遮らない作田氏の、コメンテーターのまとめ的意見として、私は解釈しています。)
一見すると、私達が、そこから何かしらの新しく学ばねばならない事実は見当たらない、テレビドラマなどですら、何度も使い古されたネタのような話に見えるが、(犯人の家庭内教育における虐待は別として)この事は、保守的な日本人故に、子供の将来を考えた時、最もリスクの少ない、学校教育を優先して来た事が、グローバル化を避けられない将来に不確定要因を持つ現代では、ハイリスクをも抱える要因の1つになっているとも考えられる。リスクヘッジよりもリスクを取る事が、現代の教育にも求められているのかも知れない。
保護者にとっては、教育の価値観を見つめなおす機会の1つになったかのような、いかにも日曜お昼のお茶の間番組として、(意外と?)優等生的な展開だったと思うけれども、抽象的な点よりも、代表的な専門家からの犯人の資質に関しての掘り下げた言及が無かったのが残念だなと言う感想だろうか。
他方、昨日、msn産経ニュースに、小浜逸郎氏の、”【暴発 秋葉原殺傷事件を読む】(4)評論家・小浜逸郎”と題する、やや短いコラムが掲載されていた。(小浜逸郎氏については、氏が主催する、”人間学アカデミー”のサイトの参照をお勧めします。少なくとも、そこいらの人気ブロガーの記事よりは、読んで実りのある記事が1つは見つかる筈です。)
当方も、この事件はテロであると書きましたが、小浜逸郎氏のこのコラムでは、極めて明快に、犯人は現代のテロリストである事が紹介されている。要約すれば、”社会を形成する国家体質が不明瞭な現代では、矛先が国家権力では無く、秋葉原という社会に向かった”などの内容で述べられている。
例えば9.11のように、 何らかの政治的意味合いを持たねばテロでは無いと定義づけしているようでは、古いオツムと言う事なのだろう。確かに、この事件は、国家権力に対する脅威では無かった(かも知れない)が、日本国民の安全を大きく脅かし、その影響はまだ広がっている。単なる事件の域を超えている。(追記:私が、この事件をテロであると考える理由について、個人的な見解で未記載の点が未だ残っていますが、目下のところ、これに関しては、検察の追及で報道があった場合、或いは公判で述べられた場合に限定して言及し、自粛を継続しています。)
犯人の目的がテロであったのならば、携帯サイトの掲示板上にある矛盾や工作めいた点、或いはキレている箇所なども全て理解できる。目的がテロなのだから、ウソや創作なども多分にあるのだろう。決行を、強く決意したのは比較的近い日かも知れないが、テロと言う事ならば、予め、ワイドショーなどの番組で取り上げられる(独占される)事を、何ヶ月も前から想定した上での事も考えられるのだから。
現時点で最新の報道によれば、犯人の態度が逮捕直後の神妙な様子とは、やや変わってきている事が伺える。昨日、殺人容疑での再逮捕を告げられると、「あっそうですか」と淡々と答え、逮捕直後は述べていたと伝えられる、被害者への謝罪も無くなった模様だ。
犯人は昨日22日、検察へ送られました。厳しい本格的な追及が始まるのでしょう。
*
この事件で、つい先日まで知らなかった事(私が気づかなかっただけなんでしょう)があったので、追記しておきます。
朝日新聞によれば、犯人のインターネット接続環境は、どうやら携帯電話のみだったようで、パソコンにネット接続環境は無く、ゲーム専用に使っていたようです。
携帯電話によるインターネットアクセスの危険性は、何年も前からこの編集室で掲載してきており、ここ数年では、特に、子供には携帯電話を持たせない事が主体ですが、この事件が鳴らす可能性のある警鐘の1つは、大人に対しても、誤解や錯覚を生じさせるような、低機能な携帯電話では無い、健全なコミュニケーションの促進に十分な性能を持ったモバイルツールが必要なのだと言う事なのでしょう。
追記:2008/06/24
徘徊中に、某YouTubeに、関西の某局の某番組ムーブの秋葉原事件関連の動画がアップされていた。放送日は不明だが、追加日は6月23日になっているので、比較的新しいのだろう。
内容は、某雑誌Spaの秋葉原事件の取材記事。以前から犯人が「とぶかも」と言っていた事を紹介している。因みに、「とぶかも」に関しては、記憶違いで無ければ、去年から言っていたような報道があったと思う。
番組では、事件直前にも、心を開いて語り合える親友がいた事に、コメンテーターを含め、全員が驚いた様子だった。番組の流れ故か、本音かは不明だけども、(犯人がアクティブで活発で陽気で仲間が多くて付き合いも良くて面倒見も良いとかって言う)んなこたぁ、事件発生間もなくわかってた事。
重大な犯罪行為はしなくても、昔からこう言うタイプの男性は、身近なところにも何人もいた。
私はハナから携帯サイトの投稿は、事件の本質とは、あまり関係の無い、どうでもいいような、胡散臭いもんだと思ってる。或る意味釣りでしかない。(もちろん、全てが信用に足りない本心では無い投稿だとは思って無いが、まぁ、ネットのウソを嫌と言うほど目にしてしまうような、こう言うサイトを長くやってる事もあるんでしょうね。)
いちお、動画も貼っておきます。
ネットでは、今も犯人は根暗で臆病で、誰一人友人もいない寂しい人だったなどと考える人も少なく無く、犯人の彼女の存在すらも”ウソ”(取材費目的でウソをついてる出会い系の女)と言う者も、少なからず出てきている。できれば、この親友だけでは無く、彼女に関しての、より詳しい報道も期待したいところだろうか。
あぁ、この親友にも「誰にも言わないでね」と釘を指しているように、「誰かに止めて欲しかった」と言うのは、ウソや詭弁の類である事は、この動画からもおわかり頂けたと思う。
(追記:2008/06/30 動画のほうが、削除されていたので、ムーブのネタ元となっている、週刊アサヒの記事が、デジマガにアップされていたので、リンクしておきます。 http://digimaga.ocn.ne.jp/publisher/100/001/20080617/main.html?5)
追記:2008/06/24
(時間はあまり無いけれども) もう少し、無駄口を叩いておこう。
「犯人が親への復讐心があるのならば、何故、親を殺さずに、秋葉原へ突入したのか?」「親が悪いのだから、親を殺せば良かったのに。」「いや、こうする事で、親を殺すよりも、より大きな復讐を果たす事ができたのではないか?」
ネットを徘徊すれば、このような意見を多く見る。それらが間違いであると断定するだけの証拠は出て無いが、全く別の見方もできる。
犯人はそんなにバカでは無い。
犯人を産んだ母の事を一番良く知る者の一人が犯人だろう。また、父や弟もしかり。犯人だけが、家族の中で、特別悲惨だなどと果たして思い続けていただろうか。確かに、高校生時代には、家庭内暴力を振るい、母親を殴るほどの反抗も見せている。が、そんな親でも自分の親だし、そんな親にしたのも、また、その親なのだ 位は理解できる、知能と、(犯人と同世代の者達以上に)十分な人生経験を持つ年齢になっていただろう。
犯人は、警察の取調べで、両親などについての不満も述べ、幼児期の話では涙ぐむ場面もあったそうだが、恨み辛みに該当するほどのものは無く、結局のところ。
「あんなのは他人だ。関係ない」
と述べた。今の自分には関係無いと言っている犯人の心理が、おわかりになっただろうか?(因みに、小浜逸郎氏も、上記コラムで、犯人の携帯サイトでの投稿から推察し”今の自分のあり方を親のせいにする形跡は見られない”と述べられている。)
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- 2008.06.23: 秋葉原事件の犯人に関しての作田明氏・小浜逸郎氏の考察を見て
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