子供に携帯電話を持たせないと言う事を、今一度考えてみませんか?

2008.05.28

 相変わらずの注目すべき異常な挙動が続いていたe-PISCOが、やや一段落ついたような、また復活してきそうな目の離せない状況ですが、気になってalexaで確認したら、数日前はウチ(Kooss)を軽く凌ぐほどのトラフィック数があったようで、掲示板では無闇に騒がれていなくとも、ちゃんと冷静に皆さん参照されていらっしゃるのだなぁと。ひとまず1週間程度は気を緩めそうに無いですが、地震関連の話題はこの辺りにして。

本題の小中学生(子供)に携帯を持たせない事。

ここ(編集室)に最初に書いた更に前から『子供に持たせるべきでは無い』と言う意見を、回りには言ってましたので、何年前になるかわかりませんが、ようやく、お国のトップも理解し始めたのかなと言うところでしょうか。先日、政府の教育再生懇談会が、「子供(小中学生)に、携帯電話を持たせない」「持つ必要があるならば、通話とGPSに限定」「フィルタリングの義務付け」などの内容で答申しました。

最初に簡単に断っておきますが、ゲーム機やテレビ、古くは小説などが、子供の教育上良く無いと言う意見はナンセンスで、(ナンセンスな事は)もっともな話だけれども、(現状の日本で普及しているような)携帯電話への批判も、そのような過渡的な現象として見る事もナンセンスだろうと思います。 それは、子供達の携帯電話への異常なほどの依存性に現れており、言わば、昔は子供でも、お酒やタバコを吸っていたものを、成人してからと言う制限を設けたような事に近いような、類似性を見出せるように思われます。

携帯電話が子供にとって悪い理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、ご存知の通り、あらゆる面において、パソコン等の端末よりも能力の低いインターネットアクセス機器としての携帯電話を利用する事で、子供に様々な危険性が及ぶ事。即ち被害者になる恐れです。

ここでは、携帯闇サイトなどの現在世間で騒がれている事例は省き、当編集室で幾度も紹介している、警視庁発表による統計から要点を以下に紹介します。

平成20年2月21日付 警察庁発表広報資料において、平成19年中のいわゆる出会い系サイトに関係した事件の検挙状況において、出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を使用した被害児童は、1100人中1062人で全体の96.5%を占める。との事です。

子供には携帯電話では無く、パソコンを使わせましょう

2つ目は、子供達を安易に加害者にさせる恐れです。どうして、携帯電話を子供に使わせるとダメなのかを簡潔に言うと で述べたように、子供の頃から携帯電話と言う名の”スパイツール”を使えば、スパイのような性質が顕著になり、悪意が芽生える危険性があります。良くご存知の事例では、援助交際やこれが発端となった未成年者の犯罪は、携帯電話の登場によってもたらされたものです。現在話題となっている子供達の闇サイト問題なども、携帯電話が故に、必然的に現れてくるのです。

ですので、悪い大人を制限するだけで何とかなるようなものではありません。しかしながら、わが子を犯罪者予備軍の悪い子とするには抵抗があり、性善説に則った考え方をする親は大多数を占めるでしょうから、それからすると”ウチの子に限って”と、他山の石と無縁な話と思われるかも知れません。あえて性悪説云々は言いませんが、子供であるが故の、更に顕著な性弱説は、納得頂けると思います。(ネットで子供の携帯電話利用禁止を、組織的に?批判している者の中には、多額な利益を得ている携帯関連業者も少なくは無いと思われますので、安易に煽動されないように… 追記:名称は挙げませんが、具体例で言えば、匿名通報ダイヤルのサイトで紹介されている犯罪事例がそうで、その加害者側も子供かも知れないと言う事です。よく、マスコミなどでは、”悪質ないじめ”とされるケースであろうと推測されます。)

もちろん、携帯電話が危険なツールなどころか、恋愛が上手くいき、仲間を増やし、家族全員が幸せになるかのようなイメージが、毎日何十回と流されるCMを、1億人が何年もの間見続けさせられながら、携帯電話の危険性に関する番組を、(CMの無いNHKを除く)大半の民法はスポンサーに配慮してか、殆どして来なかったのですから、「子供に持たせるな」と、噛み砕いて説いたとしても、すぐに受け入れらる事も無いのでしょう。

更に、現在の小中学生の親の年代を考慮すると、子供の学費や生活費の足しにと働く主婦達で、子供達との連絡をすぐにメールなどで取れる、使い慣れた手軽な携帯電話を、子供に使わせるなとなると、受け入れらるとも思いません。

この辺りは、具体的な携帯電話の子供への危険性の周知などが求められていく事が必要なのでしょう。携帯電話でゲームしたりコミュニティサイトへ行ったり、見知らぬメル友を作ってたり、いかがわしいサイトへも行ってたりと言う、多くの子供がやってる状況を、親が黙認しているのでしょうから、そのどれもが危険に繋がっている事が理解されれば、大半の親ならば、目の届く家の中で、ゲーム機やパソコンでやってくれたほうが、消極的ながら賛成と言う意見に変わって行くのではないでしょうか。Wiiが人気なのは、その現れでもあるように思います。

しかし、親が携帯電話の危険性を理解しても、子供の携帯依存症が解消されねば、何ともなりません。

教育再生懇談会の答申にあるように、もし本当に、子供用携帯電話は、通話とGPS機能のみに限定されるのならば、それに越した事はありませんが、携帯所有者の親としては、メールの送受信機能は望むでしょうから、非現実的なように思えます。かと言って、フィルタリングのみしても、依存症は解消される事はありません。

そこで考え付くのは、携帯電話のメール送受信や携帯電話の文字作成・文字入力に関しての、何らかの制限を加える事です。例えば、保護者等を除く送受信回数制限や遅延、日本語変換機能の制限や低下、絵文字制限などになるでしょうか。

即ち、子供達が作り上げた携帯メールのルールを緩和するような制限を設ける事で、不必要な携帯メール離れが自然に起きる環境を作れば、携帯依存症は解消されていくように思いますが、根本的に、携帯電話メーカーが、利益にならない事に足並みを揃えるかのような事に、楽観的観測は出来ないでしょう。

100歩譲って、あなたの子供も犯罪に巻き込まれる云々は現実的では無いとしても、10分以内に返信しないとシカトされるような日々の苦痛や、授業そっちのけでメールばかりして成績が落ちる、メールばかりで家族との会話が無い、などの耳にする機会の増えた現状に対しては、多くの親が改善されるべきものであると賛同するのではないかと思われます。保護者の関心が高まれば、或いは、そのような子供達の安全性を、より積極的に高めた携帯電話サービスが提供されるかも知れません。

自然発生的に携帯依存症が起きてしまう、アルファベットの英語圏には存在しない、[変換]キーが当たり前である、2バイト文化圏の日本の携帯電話特有の問題点に、親が前向きに考える時が来ていると言う事なのでしょう。

そもそも、携帯電話を持たせれば、携帯依存症になってもおかしくは無いのです。そのようになっている通信機器なのですから、そうなるのです。持たせておいて、携帯ばかり使うなと言うのが、土台無理なのです。

親ならば、ちゃんと考えて下さい。子供に携帯って、必要?

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