てんぷら屋は何故潰れないのか?

2005.08.02

 眠いんですけど、書いてしまう訳なんですね(^^;)イヤネムイカラヨケイニカイテシマウワケナノカモ…

 ”さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学”と言う、本がベストセラーだそうな。『おや?』と思うような奇抜なタイトルである事と会計の素人にはわかり易く、知識のある者は金返せと怒号が飛ぶような、玄人無視の素人向け啓蒙書のような内容らしく、それで人気が上がり売れているそうな。(最近のベストセラーに顕著な傾向なんでしょうか?) ネットなら、アマゾン辺りで書評を眺めて見ると面白いかも知れない。

ところで、さおだけ屋が潰れない理由は、この本などによれば、さおだけ屋はさおだけのみを売る商売では無く、訪問サービスによる手間賃を稼ぐ商売である事で潰れないと言った結論のようだ。安い物干し竿もあれば高額な物もあり、一緒に物干し台も売り、古い物は引き取ると言う事で、安い1000円ほどのさおだけのみを売って商売しているのでは無く、高額な商品が案外売れると言う事らしい。実際、激安パソコンのショップなどを見れば、(多分、薄利と思われる)2万円台の激安パソコンもあるが、売れるのはそればかりでも無い。しかし、そんな高額な商品がバンバン売れていると言う事も無い。中には年商数百億のショップもあるが、徹底したコスト削減をしていながらも、決算で見る純利益は数%である事から考えても、やはり激安や特価品などの薄利のパソコン・周辺機器などが売れる主流と考えて良いように思われる。もちろん、さおだけ屋の例で言えば、パソコン以外の法人・企業向けのサーバー・WSなど高額な商品を主戦力とし、格安なパソコン販売はコンシューマー市場向けの位置づけとしている企業もある。

さて、そう言った理屈はさておき、本当にさおだけ屋は潰れていないかを考えると、これもそうでは無いらしい。かなりの数のさおだけ屋は製造元は別として、販売業の者は既に潰れてしまっているらしい。実際、ここ1年以上、私は『さぁおだぁけぇ〜』と言う声を聞いた記憶が無いし、さおだけを積んだトラックが走ってるのを見た記憶も無い。子供の頃は、さおだけを積んだリアカーを引くおじさんの声を良く聞いたし、実際それを母親が買い、一緒になって物干し台(我が家は裏庭の物干し場でした)に買った、長いものほし竿を乗せた経験を何度もしているが、今は量販店でステンレスでできた伸縮製のものほし竿が安く売られていて、普通に手で持って帰る事すらできる。(そもそも激安なハンガーなどによって長いさおだけと言う物は不要になった) 足の付いた物干し台も比較的安い。よって、わざわざさおだけ屋が来るのを待つ必要も無い。それに、訪問販売の類なので、気軽に家のドアを開けるような無用心な事もしない。

よって、このような逆境にもめげず、今も尚潰れないさおだけ屋は、訪問販売のプロであるからして、別にさおだけを売らなくても、何を売っても儲けてしまう口の達者な押しの強い人の事なのでしょう。(要は押し売りに向いている人と言う事ではないかなと)

さて本題。”なぜてんぷら屋は潰れないのか?”

前にも書きましたが、夫婦2人で経営しているてんぷら屋があるんです。1個50円。(最近気がつきましたが、よく見ると60円のもあります。日によって材料が違って高い日もあるのかも知れません。) そんなに人通りが多い所でも無く、買って行く人の姿を未だかつて見た事も無いのですが、夕方には数が減ってますので、多少は売れてるのでしょう。(一度は買ってみようかとは思うのですが、多分、その前に一度位は奥様が買うと思います)

で、そのてんぷら屋さんですが、私はてんぷら屋さんで働いた事など無いので、作業内容が全くわからないのですが、とにかく、中で黙々と作業をされています。いつ見ても、ただ黙々と働いています。別に副業をやってるようでもありません。しかし、元気で活気がこちらまで伝わってくるような気がします。

大型スーパーなどが出店してこなかった20年ほど前、近くの市場が賑やかであった頃は、そこそこ繁盛したのでしょうが、今は市場も殆どが店を閉め、周りの店舗も一般住宅となっています。それでも、てんぷら屋は残っています。

さて、これら条件で、てんぷら屋がつぶれない理由を幾つか考察すると。

他にする事が無い。てんぷら屋が好きだ。働くのが好きだ。商売が好きだ。てんぷらを作るのが好きだ。生活に困らない程度のお金ならある。年金生活者だ。売れ残ったら食べればいい。売れ残ったら近所の人にあげればいい。

こんな所ではないでしょうか。

そして、この例は決しててんぷら屋だけにのみ当てはまるのでは無く、例えば、客が滅多に入っているのを見ない、喫茶店や洋品店など、日本全国どこででもみかけるようなお店にも当てはまるのではないかなと、思う次第です。

代々商売人の家系のこせがれとして言わせて頂ければ、”商売をやっている人は金儲け目的”と考えるのは、ちょっと短絡的なのですよ。てんぷら屋の例で言えば、自分が作った作品(商品)を見てもらい、それが売れて行き、誰かがおいしいと思って食べてくれるのが楽しいとか、また来てくれるのが嬉しいとか、作る楽しさとか。若い人ならば、例えば(エッチ系とは限らない)同人関係の本などを作って売るのと同じと考えてそれほど差し支えは無いと思います。

要は、儲かろうが儲かるまいが関係無く、潰れないんじゃなくって、好きだから潰さないんです。

この日記にしても、誰が読もうが読むまいが、自分が好きで書いてるだけですので(^^;

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