尖閣流出ビデオの件で、徒然なるままに。

2010.11.06

 先日YouTubeに掲載され瞬く間にその情報が広がった、尖閣諸島沖での中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突事故の様子の動画6本。
別にこのような確たる証拠を見せなくても(体当たりしてきた事など)当たり前の事で、想像した通り(身内で以前に話していた通り)の事が映像で見れたと言うだけの事だけども、その事実を映像として見せて、皆が「本当だ」などと口々に叫んでいる様子を目の当たりにしないと、本当にそうだと信用できない人と言うのが、もしかして存在するのではないかと思うと、少しぞっとするような話だ。もちろん、政治的,思想的に受け入れ難い云々と言う方が想像しえない事実であったと言うケースなどは、暗黙の了解事項で、想定しているのは、ごく普通の一般の人の事。

ところで、先月の某NHKスペシャルで、貧者の兵器とロボット兵器と言う特番があった。タリバンが旧型の兵器や自爆テロを行うに対し、米軍が安全な所からの遠隔操作による、言わばフライトシューティングゲームのような画面での無人戦闘機による攻撃。番組では誤爆も多いとの事だったが、果たして民間人かそうではないかの確認をどの程度行っているのかは、甚だ懐疑的だ。ネットで番組の感想を述べている者の中には「喧嘩両成敗」「どちらも悪い」かのような発言も見る事が出来た。もちろん、どちらが悪いかを考える番組では無く、今中東で起きている紛争の在り方について各自が考える為の番組だと思うが、その結論に至るまでの前提としてどの程度の理解(コンセンサス)があるのかが重要に思う。

日本も戦時中は、(空から見て)動く物なら女、子供も、猫でも犬でも何でも機関銃の的になった事を聞いている(地元神戸での、昔よく聞かされた話) 若年層世代ならば、人道的に許されざる行為ならする筈は無いと思う方もいるかも知れないし、デマの類と直感的に思うかも知れない。しかし、ここは冷静に、沖縄などで洞窟に火炎放射器で一斉に焼き尽くす証拠としての広く知られている記録映像を見て、果たして民間人か軍人かなどを確認して行っているか考えればわかるかと思う。思うに、神の子の子孫が、進化論で猿からヒトになった動物に対して、害虫駆除をしている(心理状態)と、さして変らないのではないだろうか。(時代が違うので現代の戦争や紛争とは違うと思うかも知れないが、「時代が変った」などは明治の昔から言われている話なので、今も昔もさして変らず、重要なのは十字軍の遥か昔からの歴史的背景を念頭におけなばならない事だろうと思う。実際、米軍の兵士はロボット兵器での民間人への誤爆もある事を述べ、(民間人が死んでも当たり前のように)仕方ない事と容認していた。)

10年ほど前だか、TV番組の街頭での10代後半辺りの若者向けのクイズで、日本が米国と戦争をした事すらも知らない者が意外に多かったので驚いた記憶がある。(あれだけ仲の良い)米国(と日本)がそんな事する訳無いと、(彼らの)常識ではそう言う結論が出るのだろう。
若干横道に逸れたが、尖閣諸島沖での”あの程度の揉め事”も映像として見ないと、本当に信用しない者が、意外にも多かったとしたならば、あのビデオの流出の意義は大きかったのかも知れない。

あと、今回の尖閣流出ビデオの件で、個人的に一番興味深いと思ったのが、その情報の伝播。
流出ビデオの存在が、最初にTVやマスコミ系のニュースサイトでは無く、ミニブログのTwitterや個人ブログ(巨大掲示板は未確認)を通じて、深夜のネットに広く伝播されて行った事。あまりにも騒ぎが広まったので、マスコミもニュースとして取り上げざるをえなかったのではないか(?)と言う気もしないではない。もちろん、何の意図をもって流出させたかについての部分に、政治的意味合いも含まれる事も想定されるので、若干冷ややかに推移を見ている部分もある。

ただ、最も個人的にユニークだと感じたのは、(日本の既得権益を持つ)マスコミや電○がYouTube対抗などで音頭をとってTVの情報番組などによってユーザー層を広げたと思われるTwitterが、最も情報の拡散に貢献したのではないかと思われる点。(よく、GoogleBuzzが、Twitter対抗の戦略的なコミュニティと言われ、言うほどの成功を収めていない事から、「またGoogleは駄目だった」などと言われているが、思うにこれは波状攻撃のアイテムで、主体的なコミュニティはYouTube(現在Alexa世界ランキング3位)だと考えている。ネットは人を取り込んでナンボの話は、当方も随分前に書いたが、TV&マスコミ連携のTwitter vs ネット動画&ネットTV で次世代メディアの覇権の攻防が繰り広げられている。映像コンテンツは、莫大な金の動く産業なのだから、Googleは数百億円以上と言われる赤字を垂れ流しながらでも、運営を続けてきている。そして今年はとうとうYouTubeは黒字化するらしい。因みに、今回の流出ビデオの報道で、マスコミがYouTubeを叩いているかのように見えるのも、特に深い意味は無く、TVがYouTubeを嫌ってるからなのだろうと思う。)

Twitterは、トップダウン的な情報の伝播しかしないかのように錯覚をしてる者もまだいるかも知れないが、(純粋な)時事ネタなどは極めて民主的に(本来の)クチコミのような形で広がる事も珍しくは無い。利用者の大半は、時間差チャット感覚や暇つぶしのPOSTではないかと思う。かく言う私は、極めて限定的な例を除き著名人のPOSTは殆ど見る事は無い(文才に長けた著名人ならば、僅か140文字のメッセージよりもまだブログを読む)し、ニュース系サイトの情報もわざわざTwitterなどでは見ない。Twitterもミニブログの1種であって何も特別な事も無く、(多忙故に)わずらわしい人間関係の維持など気にせずに、等身大に近い人達の今が楽にわかる為のツールとして見ている。(補足すれば、フォロワー数がPOSTの伝播に与える影響は、1年前と比較し桁違いに小さくなっている。bitlyや、googleの無料URL短縮サービスなどは、外部からクリック統計を閲覧できるが、フォロワー数万程度の者のURL付きPOSTでも、今ではクリック数が僅かに10前後と言うのも極めて珍しい例では無い。フォロー関係は数では無く質へと変遷しているように思う。)

また、前回のTwitterのリニューアル以降、YouTubeもTwitter上で再生されるように連携が強まり、マスコミにとっては皮肉な事に、Twitterを使えば使うほど、TVネタやニュースサイトの記事では無くYouTubeの動画から情報を得やすくなってきている。いずれにせよ、(携帯電話の二の舞のようにガラパゴス化しかねないように)次世代ネットTVのGoogleTVしかりで、日本のマスコミも本気でネット上に土俵を移すべき時がいずれやって来るのだろうと思う。

YouTube上に公開された尖閣流出ビデオの元のアカウント”sengoku38”は既に削除されているが、動画は(中国を含めて)幾つも至る所に転載され、世界中の多くの人の目に触れられる状態になっている。YouTube上だけでも、本日現在関連した動画は1000件以上にもなる。到底、何らかの権限をもってしても削除は無理だ。良し悪しは別として、民意(ネット世論)の前に政府の権力が屈したかのような構図と見れるように思う。

「インターネットが日本に本来の民主化をもたらす」と言うのは、ネット黎明期より一部で言われてきた事ですが、もしかしたら黒船はGoogleになるのかも知れませんね。多分、ずっと後にならないと今の時代と言うのが、どう言う時代なのかが見えて来ないのだと思いますが。

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