M/B熱対策 AMD 770チップセット冷却

2009.07.04

 前回のAthlon II X2 250 自作PCの続きに該当する記事になりますが、今回、中古のCPUクーラーを購入し、取り付けてみたところ、チップセットの廃熱対策の必要に迫られたところ、あまり一般的では無い方法で解消しました。多分、最近のAM2+対応チップセットを搭載した低廉・格安な価格のM/Bを購入した方の中には、同様なお悩みをお持ちの方もいるのではないかと思われましたので、今回も記事にしておく事にします。

ハードウェア構成の変化は、前回の仕様に、CPUクーラーが以下の物に変わったのみです。

購入中古CPUクーラー 侍ZリビジョンB SCSMZ-1100

 購入したCPUクーラーは既にメーカー販売が終了し、ショップ在庫のみで取り扱われているサイズのSCSMZ-1100で、ファンが煩いなどの悪い評価も一部である物です。購入した理由は、たまたま寄ったショップで、840円と安かったからだけの衝動買いです。但し、乱雑にショップの販売ケースの中に投げ込まれてあったジャンク品ですので、底面の傷や、全体的な歪み・変形も多々あって、そのままでは使い難く、修正が必要ですが、薄いアルミと柔らかな銅ですので、さほど難しくはありません。プラモデルや粘土細工のように、指先や手の平を使って丁寧に元に戻してやれば良いだけです。

SCSMZ-1100ジャンク品。修正途中の物。底面の傷やまだ歪みなども残っている事が或る程度わかると思う。SCSMZ-1100 仕様概略
・サイズ:128×98×高さ85mm
・搭載ファン:92mmx92mmx25mmm
・ファン回転数:2000rpm
・ノイズ・風量:23.5dBA 32.4CFM
・ベアリング:スリーブベアリング
・重量:360g

付属ファンはベアリングなので、高速回転時は確かに多少煩いが、5V駆動時の低速回転時は非常に静音。よって、先日SC440静音化で使った、超静音ファン(KAMA-FLEX9cm超静音 SA0925FDB12L)とトレードする事にした。SC440ではHDD冷却専用に充てられていたので、当方のHDDを酷使しないローカルサーバーな環境では風量が少ないファンでも何ら問題無い。SC440では5V駆動で常時回転させ、X2 250自作マシンでは、KAMA-FLEX9cm超静音をスマートファン動作で使う。もちろん、SCSMZ-1100付属ファンに適当な抵抗やVRをかませて使ってもいいだろうが、(抵抗による)無駄な発熱の発生を許容するよりも、今回の選択肢を選んだほうがクレバーであろうと考えた。

Prime95実行後の結果。43度以上上がっていない。一世代前の旧モデルとは言え、 SCSMZ-1100は確かによく冷える。KAMA-FLEX9cm超静音も確かに静かで、PCケースの蓋を閉じれば動作音は全く聞こえない。もちろん、ケースを閉じずとも、耳を近づければ「スゥーン」と言う軽量感のある音がするのみだ(若干個体差はある)。しかも、アイドル時は殆どファンは回転しておらず、ケース内の気流のみで冷却されるようだ(室温24〜26度時) もちろん、ロード状態が続いても、スマートファンの設定次第では、室温並みの低さのCPU温度で維持させる事もできるが、BIOSメニュー上でのCPUファン動作開始を46度に設定している。

右は、Prime95を10分程度実行した後の温度状態。Highが43度を示している。

ただ、ここで問題が起こった。BIOSメニューでモニターをしていると、ノースブリッジのチップセット(AMD 770)の温度がどんどん上昇を続け、30分程度過ぎた辺りで90度台に達したので、電源をシャットダウンさせた。CPUファンをスマートファン動作から、常時回転へと変えたが、殆ど変化は無く、同様に上昇を続ける。前回の自作CPUクーラー(改造クーラー)の場合、周辺も冷やすようになっていたが、このCPUクーラーはその効果が殆ど無い。元の自作CPUクーラーに戻しても良いのだけれども、中古(ジャンク)激安品とは言え、折角購入したので、SCSMZ-1100を使う事にした。結果、以下のようにチップセットの廃熱対策が必要になった。

PA77GTA-VT のノースブリッジ AMD 770を冷却する

 今回、以下の手順で考察を行った。

1;チップセットクーラーを置き換える

 通常、チップセットを冷却する簡単な方法は、チップセットがよく冷える専用のクーラーを購入する事だろうが、当方の環境の場合は、クーラーのタイプ別に以下のように考察した。

幅の広いクーラー
 残念ながら、幅を広くしてもCPUファンからの風が十分に当たる事は無く、冷却効果はさほど上がらないだろう。

背の高いクーラー
 ケース内の気流で冷却される効果が望める背の高いクーラーに取り替えると、CPUクーラーを止める独自の回転式のフックが干渉して回らなくなる。CPU交換時が面倒な作業になってしまうので難しい。

ファン付属のクーラー
 最も効率的にチップセットを冷却する方法だと思うが、口径の小さなチップセットクーラー用のファンの回転音は非常に煩い(追記:最近では静音型もあるが、満足の行く風量と静けさが得られるかどうかは微妙)。かと言って5V駆動などにすると十分な冷却性能が得られない。手持ちファンで検証したところ、12V駆動時以外は十分な冷却効果は期待できなかった。

以上のように、当方のJETWAY PA77GTA-VTの場合では、チップセットのクーラーを置き換えるのは難しいのではないかと言う結論になった。

2:側面にパッシブダクトを設け、サイドから吹き付ける。

 次に、一般的な方法としては、PCケース側面に穴を開け、新鮮なエアーを吹き付ける方法がある。
しかし、薄く平坦な側面の鉄板に固定させる為に、微妙な振動でもケースの箱鳴りが起きたり、パッシブダクトから音が漏れる可能性があり、折角の静音性にマイナスの影響が出てしまう。また、ケース側面の鉄板を、ケースファンの径がぴったり一致するように綺麗に丸くカットするような技術は当方は持ちえておらず、そんなに時間や手間をかける訳にも行かない。また、新たな工具を必要とする。新規のケースを買ったほうが安上がりになるだろう。以上のように、この方法も使えないと判断した。

3:クリップ付のファンを使う

 マザーボードの一部やメモリーを挟んで固定するクリップが付属し、ファンの向きが自由に変えられる、何かと便利なクリップ付のファンが販売されている。事務用クリップを加工すれば、自作する事もできる。何かと重宝するので、1個位は持っていても損は無いだろう。(家電ショップやファンシーショップなどに売ってる超ミニ扇風機などでもいいかも知れない)
しかし、今回の自作PCの場合において、ノイズの音量や、十分な風量が得られるか、安定してクリップで挟める所はあるか等を検討したところ、やや難しいのではないかと言う事になった。6cmファン程度のサイズなら問題は無いが、最適なポジションと十分な風量は得られず、8cmファンの場合は、クリップのみでは長期間固定できないように思われた。

4:静音8cmファンを設置する。

 実は、PC側面やクリップで固定できなくても、ファンは比較的手軽に設置できる。しかも、そこそこ硬く固定でき外れ落ちる事も無く、PCケースに不要な振動を与える事も無い。(実は、こう言う記事をネットで見かけた事が無かったので、書いた次第です。そんなに手間のかかる腕のいる改造をせずとも、案外、色々とできたりするもんなんです。)

2段ファンにする。

8cm超静音ファンを上段に重ねている。下にAMD 770のクーラーが顔を覗かせているのがわかると思う。 前回の自作CPUクーラー(改造CPUクーラー)同様に、上段に8cmケースファンをネジで固定する。但し、ネジは1箇所のみの固定で、ファンの端がVGA(グラフィックカード)の上に当たるようにし、計2点で固定される事になる。この時、ファンの中心がほぼノースブリッジ(AMD 770)の真上に来るように回転して設置されているので、直上からダイレクトに十分な風量で吹き付ける事ができる。

結果、BIOSでモニターしている限り、NBの温度は、60度を上回る事は無くなった。但し、部分的にCPUファンと被っている事で、ロード字に同時に2つのファンが回転する場合は、微妙な風切音が発生するようになった。(前回の自作クーラーでは、ほぼ発生しないか、発生していても殆ど耳につかない音になっている。)
このCPUファン(KAMA-FLEX9cm超静音)は単体で常時動作させても、非常に静かなので、そのギャップから、風切音がやや耳につく印象が強くなった。よって、この方法も再検討する事とした。

ファンをPCIスロット側面で固定する

PCIスロット側面で固定。770をややサイド方面から冷却。VGAも或る程度同時に冷却できる。 硬くネジ止め出来る箇所で、不要な振動をPCケースに与えず、CPUファンなどの動作とも干渉せずに、メンテナンスが楽で、十分な風量をチップセットに与える事が出来る所となると、PCIスロットが最適ではないかと言う結論になった。

普通に、インチネジ1個で硬く固定できる。絞まり具合からして外れる事も無く、多分大丈夫だろう。暫く様子を見て、万が一緩むなどの変化が見受けられれば、DIYショップで雌ネジとセットで適当なネジを購入しようと思う。(多分100円もかからない)
 肝心のチップセットの温度のほうだが、上記2段ファン時のように、770の直上では無く、左からの吹きつけになるので、強力な冷却効果は無いが、十分な風量は当たっている。同様にBIOSメニューでモニターすると、NBは、63〜65度辺りから上昇する様子が無い(室温27〜29度時)当然、音も非常に静かで、PCケースに振動を与えている様子も無い。

冷却性・静音性で満足の行くパフォーマンスが得られたので、今回はこの方法を用いる事とした。

尚、上記写真は全てファン回転中の物を撮影したものです。全てのファンが止まって見えるのは、シャッター速度のほうが遥かに速いと言う事です。

最後に

 この記事を書く1週間近く前から、全く手を加えていない事もあり、多分、これで今回の自作PC(Athlon II X2 250)は、当分いじる事は無いと思う。

そもそも、立ち寄った某中古ショップで見つけた激安のCPUクーラーに誘惑されなかったら、前回の仕様のまま使い続けていた訳で、今回のような作業も必要無かった事だろう。消費電力・静音性など、環境は殆ど変わっていない。

SCSMZ-1100の構造と8cmファンよりも大きな9cmファンを搭載している事からして、周辺チップセットも十分に冷却するだろうと考えていたのが甘かったのがそもそもの始まりだが、かと言って、何もできない訳では無く、何か別の物の新規購入や交換などは不要で、今回のようにほんのちょっとの工夫で十分に対処できるのが、自作パソコンである事を、本文を通して幾分かは理解して貰えたかなと思う。

前回の記事ともあわせ、最新のX2 250を安定してOCで非常に静かに静音動作させ、音質や映像面での妥協もしていないマシンが、これほど低コストでアップグレードできると言うのは、自作パソコンならではのメリットの1つと言えるだろう。

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