神戸市営地下鉄海岸線の赤字が770億円。4年で460億円負債額が増加。

2011.07.12

 先日7月10日はウルトラマンの日と言う事で、神戸ハーバーランド キャナルガーデンに、ウルトラマンとウルトラセブンが来ると言うので、時間を作って行ってきた。

ハーバーランドと言っても、キャナルガーデン入ってすぐの1Fはイズミヤで上の階はユニクロ、更に上にはソフマップと、中身はごく庶民的でリーズナブルなショッピングセンター。但し郊外型と違って、駐車料金無料にするには一定金額以上の買い物のノルマがあるので、比較的客足が少ない。わざわざ車で行く時は、向かいの神戸阪急にちょっとした買い物がある場合程度でしょうか。

そう言う訳で、当方の場合は、利便性から神戸市営地下鉄海岸線を利用するのですが、長田から神戸までの3Kmちょっとの料金が230円。この料金、イマドキは同額ですき家の牛丼のミニが注文できる。往復料金に20円足せば特盛りすら食えてしまう。
市営地下鉄は、ごくたまにしか利用しないけれども、昨今の感覚ではこれはやはり高い。JRと比較するとスピードが遅い上に料金が高いので一層の割高感を感じる。

ウルトラマンの日も日曜にも関わらず余裕で座席に座れた。足を組む事すら出来る。利用者が少ないのはいつもの事だ。決して市民の”足”にはなっていない。

そんな風に交通費を考慮すると、ちょっとした買い物程度なら全部通販で済ませると言うパターンが増えるので地元産業の衰退が加速する。昨今のネット通販だと大半が市価よりも安い上に送料無料も多いのだから、それでも割高な交通費を払ってでも足を運びたくなる魅力が無ければ商売は難しい。

自治体が土地活用を改善して人口を増やすなどに仮に成功したとしても、特にこれからの若者世代ならば、多分公共交通は積極的に利用しないし車の利用も減る。近い未来の彼らには、省エネで低廉な電動バイクや電動自転車が魅力的に映る時代だろう。そもそも集客施設に人が来ないので企業が撤退しているのが現状だから、新たに集客施設を作っても効果はあるのだろうか。

庶民の足として、脱車社会を進める為にも公共交通機関は料金を下げるべきだろう。
昔は、市電(国鉄須磨駅から国鉄神戸駅までずっと乗っても大人料金15円)や市バスが安かったから、長田の神戸デパートや新開地や神戸三越などが栄えたのではなかろうか。
JRを基準に考えると、現行の半分程度の120円位になれば頻繁に利用しても良いかなと思う。

神戸、特に海岸線の場合は、他所の自治体の地下鉄やバスの料金と比較して適正な料金を考察すべきでは無い。神戸市を東西に横断し事実上市民の足となっているJR(旧国鉄)と比較する事で適正な料金が得られる。
海岸線の場合は新長田,ハーバーランド,元町,三宮辺りが乗降客が多いのだから、客は同じ場所に駅のあるJRと比較するのが自然だろう。新長田に住んでる者が元町や三宮に行くなら極力速くて安いJRを使う。
因みに、通勤客と学生の足となっている競争相手の無い神戸市営地下鉄西神線は黒字運営らしい。

料金を半分近く下げても、もし乗客が倍以上になれば収益は改善するのだから、イベント時などにテスト的にやってみたらどうだろうか。新型インフルエンザの時の無料イベントの実績もあるのだし、無茶な話でも無いリスクの低い試みだろう。

公共料金は、所得の大小に関わらず誰もが利用し、生きて行く為に必要な公共のサービスの料金なのだから、リーズナブルである事が基本の筈だ。
誰も利用せず赤字を垂れ流すだけならば、そんな物は皆が必要無いと言ってる事に等しいのだから、破綻する前にJRのように民営化してしかるべきだろう。
いっその事、廃止して低料金の市電(路面電車)を復活させたほうがいいかも知れない。中長期的な脱車社会推進にも適している。

神戸市営地下鉄海岸線は、4年前には累積赤字が310億円と聞き驚いていたが、今年の7月7日に開通10年目を迎えて770億円の赤字に膨らんでいる。
差し引き4年間で460億円の負債増。加速度的に負債額が増えているようだ。
問題は神戸市の財政事情だけでは無い、地元産業民間企業の衰退や、出店企業の神戸市からの撤退にも影響を与えている。

ハーバーランドのエントランスに当たるファミリオもビル内は殆どのフロアが改装中のままで店舗が無い。 メインの神戸阪急も2012年秋までに撤退が確定している。こちらは跡地候補にはイオンが検討されているらしい。
このままあたかも廃墟のようなビル群が増えていくのを、まさか指を咥えて見てるだけなんて事は無いとは思うが。

そもそも海岸線は、震災復興の為に2400億円もかけて作られた路線の筈。
ならば、公共交通機関としての原点に戻り、臨機応変に、より多くの市民の為の足となり、市民を元気にする為に率先して努力すべきなのではないだろうか。

ハーバーランドが、庶民的な複合ショッピングモールの方向性が顕著となるならば、昔の神戸デパートのように、安い公共交通機関で、神戸市民の親子連れがいつでも気楽に行ける場所にするべきではないだろうか。

ハーバーランドから乗車する客が手に持つ半透明の買い物袋では、野菜が目立っていたのが印象的だった。

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