御節料理と七草粥と酒の関係から推察する、日本のお正月。

2009.01.03

 え〜正月から、馬鹿話をするようで恐縮ですが、正月だからいいじゃないかって事で。
本来、歴史や(歴史上の)大衆文化にも興味は無く、全く精通している者では無いのですが、ふと思ったので書いておきます。(あぁ、多分、間違いなく、現時点でこのような意見がネットには無い事を確認して書いていますので、これ以降、似たような意見があれば、ウチのコピーでしょう。などとたまには書いておかないとね。)

そもそも、御節料理は、中国大陸から伝来した正月を祝う神事の為に作られた料理で、江戸時代は、御節料理とは言わず、喰摘(くいつみ)と呼ばれていたらしい。
七草粥も、中国伝来のもので、無病息災を願い邪気を払う為に古くから食されてきたものであり、正月7日に食するようになったと言う事らしい。
まぁ、概要に関しては、イマドキは子供でも知ってそうな話ですが、ネットでも判をついたように、似たような事しか書かれていない。

しかしだな。
そんな理由だけで、果たして日本中に広まるのか?
ましてや、日本中に影響力を持つようなマスコミも政治力も無かった江戸後期に、このような正月の風習が全国に広まったと言うじゃないか。

当時の日本は、平和ぼけで武士道精神がすたれ、金が無くても遊び呆ける軟弱な武士が増え、一般の平民、農民や商人も金持ちも貧乏人も勤労意欲が消えうせ、早々と隠居生活を送っていたそうな。
黒船がやってきても、負ける訳だ。
そんな、言わばだらけた者が多かった日本で、何故に、このような風習が広まったのかを考えると、理由は1つ。”酒と女”じゃないだろうか。

御節料理は、正月の間は女性が台所仕事をしなくて済むように出来たものだとも言われている。
では、台所仕事をしない女性達は、何をしていたかと言うと、遠来からの客のもてなしや、場合によっては女性達も酒を飲んで騒いでいたのではないだろうか。
また、日本酒好きの方ならば、良くわかると思うが、御節料理は、どう言う訳か、非常に酒にあう。最近の洋風の料理は別として、それ以外の和風料理は酒量がどんどん進む料理が殆どではないだろうか。これは即ち、正月の間、酒を飲む為に予め用意された料理がおせち料理だったのではないかと言えるように思う。

七草粥にしても、この視点で見ると同じ結論が得られるだろう。
暴飲暴食の酒宴の日々が続けば、多少は飽きてあっさりした物も食べたくなるだろう。或いは、胃腸を壊して粥のような物しか食せ無くなる者も増えるだろう。
だから、七草粥のような風習が広まったと考えたほうが自然ではなかろうか。

昔の時代劇を見れば、酒を飲む場面が頻繁に現れていたが、あれら番組はイマドキのマスコミのように、スポンサーを意識して酒場や酒を飲む場面を入れていたとは思えない。或いは、古典落語の噺を見れば、多くで酒を飲む場面が入り、酒や酒飲みの噺も少なくは無い。私の身近にいた昔の年寄り達にいたっては、主食が酒のような物で、酒こそが人生と言っても過言では無かったほどだ。

因みに、旨くて安い酒が広く流通しだしてきたのも、どうやら江戸中期〜後期なので、日本の正月の風習がこのようになってきた時期と一致しそうだ。

お屠蘇などと称して、振舞い酒やらのタダ酒を含めて、好きなだけ旨い酒が飲めて、真昼間から飲んで騒いでも誰からも後ろ指もさされず、逆にめでたい事と喜ばれれるのが正月ならば、そりゃ、日本中に広まるわな。

もしかしたら、例えば、菓子メーカーが仕掛け人になって流行らせたバレンタインデーのように、商魂たくましい酒屋が当時の激しい過当競争を勝ち残り、盛大に酒を飲ます為、日本中に流行らせた、一大イベントが、正月の御節料理であり七草粥だったのかも知れませんね。主婦が楽できるってのは普及の原動力としては、ポイントが高いんじゃないでしょうかね。

などと思ったりする、今年の我が家のお正月。
ちと、私も昨晩の酒量が多かったようで、正月3日目にして、早、摂生せなばなりません(^^;)

PS

先の戦争の歴史にしても、東條英機のドラマで解釈がされたように、本当のトコロは、マスコミが大衆を煽った事が大きな要因になったのがどうやら真実の模様ですが、果たして、そんな60年ほどしか経ってないような、当時の真実の知る者が、まだ多く生きている近代の歴史すらも、私達は学生の頃は教科書ですら教わらなかったのですよね。(今の学生も、そのように教育されていないかも知れませんが。まぁ、マスコミが年末特番を組んでくれたお陰で、今後はこのような意見を述べても失笑される事も、もう無いのでしょう。)
果たして、日本の正月の由来や大衆への広がりに関しても、もっとシンプルに考えてみたほうがいいように思いますね。案外、こんなトコだと思いますが。

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