緩やかに進行する、連帯責任の時代の到来?

2008.04.30

 『インターネットは自己責任が原則です』 私も、ことあるごとに、運営するサイトの色々なページに記載してきており、この認識は一般化していると考えます。

しかし、今の世の中、自己責任の徹底のみでは済まされず、緩やかに連帯責任へとシフトしているように感じます。誰かがミスや犯したら全員が責任を取る、或いは、誰かが被害にあったら全員で負担を分散するなどの傾向が顕著になってきているように感じます。

まだ、記憶に新しい、一部の建築業者による耐震強度偽装問題によって、住宅の安全が強く重視され、建築基準法が改正された事で、住宅着工件数が大きく落ちている。激減と言って良いほどで、今の不景気の一因にもなっており、国民が政治に期待する1位が景気回復であるにも関わらず、再改正されるような話は聞いた事が無い。

食の安全に関しても同じで、以前にも書いたように、確かにミートホープなどは危険だと思うけれども、各論で言えば、赤福は食の安全を脅かすような存在では無いだろう。しかし、これを容認する事は悪影響があると思われる事が、処分に繋がったのではないかと思う。また、殊更に食の安全を強調する事が、現在も上昇を続ける、食料品の高騰にも少なからず影響を与えているように思う。

生活保護に対する対応が一層厳しさをましているようだ。北海道での通院交通費の名目での生活保護費2億3000万円搾取などの悪質事件などで際立って目だってきている事と、将来は現在のニートなどによって、19兆円規模の負担を強いられる事になると言う試算もある模様で、本当に困窮し、救われるべき筈の者も悪影響を受ける可能性も出てきているのではないかと推測されるが、これも連帯責任なのだろう。(もちろん、母親の介護問題から政界入りした、舛添要一大臣は、適正に本来の弱者を救ってくれると信じておりますが)

先日来から、秋葉原の歩行者天国では路上パーフォーマンスが激減しているらしい。特に、さほどいかがわしい内容では無い、メイド姿や女子高生の制服姿などでいる事すらも駄目と言う事のようだ。地元商店街有志によるパトロールによる自主的規制だ。多分、先日、同秋葉原歩行者天国で、グラドルがいかがわしいパフォーマンスを行い逮捕された事が主たる原因だろうと思うが、ここでも各論は通用しないのだろう。

青少年インターネット規制法案が注目されている。子供に有害なサイトは然るべき対処をし従わない場合は削除されるなどの法案だ。フィルタリングサービス以上に、子供の安全を重視した政策と言えるだろう。注意を徹底したところで、子供のケータイ利用による犯罪が減らないなどによる弊害だろうから、子供たちや子供たちが集うサイトは連帯責任を取らされると言う事なのだろう。しかし、もし、適正に運用されなければ、健全なサイトまでも閉鎖に追い込まれる可能性が十分にある。もし、十派一絡げに扱ってしまうかのような結果になれば、より一層、危険なサイトがUG層から溢れ出してくる事になるだろう。(そもそも、根本的な原因は、アダルトサイトの放置なのだが。紹介済みのように、Googleでさえ、完璧にフィルタリングできていない不完全な内容だ。もちろん、この法案が、子供に有害な主たるサイトをアダルトと限定するならば、十分歓迎に値すると思う。)

先日の長野聖火リレーにしても、当初から日本とヨーロッパでは違う事位、或る程度の予想はできていた内容だけれども、日本は米国同様に中国との関係を重視し、北京オリンピックにも積極的な参加表明をしている国家なのだから、オリンピック主催国中国側の応援団の邪魔になるような存在ならば、排他的に扱われても至極当然と言う”ムード”なのだ。

もっとも、ウェブ管理者ならば、連帯責任というものを常日頃から感じさせられているのではないだろうか。ポータルの都合や恣意的な操作も多分にあるだろうが、悪質な検索エンジンスパムを行う(アダルトなどの)業者や、それ(スパム的活動)を容認・放置する一般のネット参加者がい続ける限り、それらサイトに類似した内容の書式やリンク構造などを持っているサイトは、たとえ健全で有益なサイトであったとしても、同様に、ポータルなどから蹴落とされるのがネット社会だ。もはや、”不条理”と言うセリフも聞かなくなって久しく、抗議するような者も皆無だろう。不満があれば、逐一原因を解析しコツコツと地味に対応する自己責任が強いられるのが、当たり前の作業になっている。たとえ優れたコンテンツがあっても、閉鎖する中小のサイトがある理由の1つはこれだろう。

何をするにしても、強制や強要では無く、自らが選択し、自分の好きでやるのであるならば、その結果を受け入れるのは、自己責任である事は周知の事だ。自らが所有、管理する物にも自己の責任が伴う。しかし、その責任を放棄・転嫁する者が、増えていると言う事が、連帯責任への流れへの一因になっているのだろう。

もちろん、国全体の流れが連帯責任を強化する方向へと動く事は、全体主義的な思想を持った国家へと繋がり、規制を強めると言う事は、官僚政治を強め、外資の引き上げを促進させ、官製不況が更に広がると言う事で、賛成できる筈はありませんが。

自己責任、一罰百戒、そして連帯責任へ…

そんな風に今の日本は動いているんじゃないでしょうか。

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