誰にも止められないYouTube。日本のマスコミはどうするのでしょうか…

2007.01.20

 今朝方だったかの、某TV番組で、昨年末の紅白に歌ったらしい、オペラ歌手(秋川雅史)の「千の風になって」が人気だとかで、前代未聞のオペラ歌手によるオリ コン一位達成などと言っていたので、某有名動画投稿サイトで紅白の内容を確認した。ネットの試聴のほうが音質がいい。興味を持ったのは、そもそもの「千の風になって」の日本語作詞者(英語版の日本語翻訳者)である、新井満氏の歌声のほうが耳に馴染んでいたから故に、思い出しての事。多少クセはあるものの、こちらのほうが 気持ちが入っていてメッセージ色が強い。試聴 因みに千の風になっては映画もある 予告編 。これらは、数年前に無料音楽などのページで紹介した。現在、”千の風になって”でGoogleで検索すると、204万件ヒットする までになった。多くの人が共感してきた結果なのだろう。もちろん、1番目は新井満氏のサイトだ。しかし、視聴率は落ちたとは言っても、流石にNHKの紅白、たった1つの番組で、 さして大した宣伝もしてない楽曲を、あっと言う間に1位にしてしまうのだから、巨大マスコミとしてのTV局の影響力はやはり大きいのだなとあらためて思う。

 しかし巨大な影響力を持つテレビ局と言えども、そのサイトに関しては、ネットの世界に入れば特別な存在でも無い。今やWeb3.0などと言われはじめている、複雑化が進む分散型ネットワークであるインターネットでは、番組に関する全てのコンテンツで主導権を握れないケースは珍しく無い。技術やシステムなどの小手先だけのゴマカシでは無く、人と人、サイトとサイトの結びつきなどを中心とした、こつこつと 地道に積み上げて行く、ユーザーとの連携などが重要な事は、放送局などの大手マスコミも例外では無い。コンテンツのみ優れていればアクセスは自然に増えると思っているのか、逆に(一般)ユーザーサイトとの連携を切り、(委託したWeb製作関連会社が悪いのかも知れないけれども、一般企業などと同じような手法で)内輪のみの囲い込み強化のような動きのほうが顕著だったりするが、インパクの教訓が活きていない。個人サイトなどでは情報交換も盛んな番組でも、TV局の特設サイトなどでは、全くクチコミ情報が無いような現象も起きている場面を目にする事もあり、alexaで統計を見てどれだけ人気が無いサイトになっているのかを確認する事もある。(かと言って、こんなところでも、業者のように自作自演の投稿をするほど、落ちぶれて欲しくは無いですが…) ウェブ検索で、番組公式サイトよりも別のサイトが上になるような結果を目にする機会も増えていきそうだ。

 「偉そうな事をほざくもんだな」と思われるかも知れないが、例えば、最近書いた記事ではなりすましサイトの増加の中で、”スパム的なファンサイトのなりすましサイトが増加し、逆に本当のファンサイトが減った事で、人気が無くなったアイドルや特撮など”のように、マスコミがユーザーサイト連携を軽視する事で、それら番組の人気が落ちるだけで無く、今は、より深刻な状況を引き起こし つつあるように思う。何かと言えば、動画によるプロモーションや宣伝では無く、投稿型動画配信サイトにアップされた著作権法上の扱いが問題視される無料動画のまとめサイトの急速な増加だ。DVD発売前に全話公開されていたりすれば、製作サイドはたまったもんじゃないだろう。(もちろん、利用されるのはYouTubeのみでは無い。動画配信サイトは非常に多く存在し、多数のサイトが利用されている。当サイトでも、ブログ連携に役立つオリジナル動画 の配信サイトとして、20サイト前後まとめたリンク集を、1年以上前に作ったが、著作権上の倫理観の問題が改善される様子が確認されていない為、現在も公開には至っていない。もちろん、このような問題解決は、国内のマスコミのように、YouTubeなどを 排他的にすれば問題が解決するかのような単純な話でも無い。) また、(法的に問題のある)この状況が進めば、(同様に、法的に多くの者の目に触れさせる事に問題があると思われる)アダルトやUG系の動画も(悪意の無い個人であっても倫理観が麻痺し抵抗が無くなる事や、同様になりすましサイトが増える事で)氾濫が顕著になるのではないか思われる。故に、今から深刻な事態を想定し、 このような場末のサイトの管理者でも、何ができるかを考えあぐねていたりしますが…

 他方、米国ではTV局や大手企業が既にYouTube連携を重視し、例えば最近の例では、米国CBSが番組をアップし成功しているなど、積極的にYouTubeを利用している話を、よくニュースサイトなどで目にする が、身近なところ(?)で具体的な変化を目の当たりにする事もある。先日、無料アニメ動画をチェック中に、(リンク切れを確認し、サイトがリニューアルされていたのでトップから巡回して行くと)配信されるプロモーション動画が、(多分)全てYouTubeに変わっていたので、大慌てでひとまずリンクを解除したサイトがある。動画情報は登録会員メンバーが行う模様で、当方で確認した動画は(もちろん、フル動画は無いようだが…)全てYouTubeだった。どこの話かと言えば、日本マンガ・アニメで北米40%のシェアを持つ、TokyoPopの事だ。もちろん、動画は、英語の楽曲などと共に映像を繋ぎ合せたリミックス物などの、海外ファンサイトなどで目にする(多分、 欧米人としての感覚ならば)”オリジナル作品の範疇”と解釈されそうな物ばかりのようだ。一定の倫理観は保たれていると思われる。

 YouTubeはAlexa統計では、現在世界ランキング5位に位置する。同じく躍進を続ける6位のMyspaceなどのSNSやblogとの相乗効果も伴い、一層人気が上がるのは 必至だろう。既に、国内のYahooJapanとGoogle.co.jpも、大きく引き離している事がグラフからわかる。赤線のYahooJapanの倍以上 、3倍近くなっている青線がYouTube

(もちろん、TV局などの関係各所は、著作権上問題のある動画をいち早く見つけ出し、削除申請される事も重要だが、いたちごっこ状態のように思える現状では)国内の個人blogでも、前述のまとめサイトで見る様に著作権上著しい問題のある動画を見る機会が 加速度的に増加する前に、TokyoPopに代表されるような一定の倫理観の波及をもたらす事が先決なのかも知れない。

本来は、(真面目な)ユーザーサイト・ファンサイトなどとの連携を重視しておけば、或る程度は防止できたろうにと思うのだが、どうしようも無い。もし、TV局などの製作サイドのYouTube連携が重視され、 (番組視聴率の向上などを目的とした)問題の無いプロモーション動画を率先してアップされるケースが増えれば、倫理観を持った個人ユーザーからのリンクも増え (著作権上問題のある動画は減少し)、良い結果をもたらすと思いますが… Wiiなどのゲーム機でのYouTube閲覧も盛んになってきているそうですので、小さな子供への悪影響を最小限に抑える為にも、ここは 日本のマスコミが貢献して頂けるように期待したいところです。

無料サイト集 Kooss (run)記

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