自作PCアップグレード FOXCONN A9DA

2011.09.01

 先月激安で購入したAMD Socket AM3対応のM/B FOXCONN A9DAをセカンドマシンに搭載し、Windows7pro用のPCとして使っています。そこそこ快適に使える状態にする中で幾つか気付いた点がありましたので、簡単にレビュー風に備忘録代わりに記録しておきます。

スマートファンが実質機能しないA9DAのCPUファンコントロールなどで悩んでいる方も参考にどうぞ。

自作PC構成
FOXCONN A9DA 仕様概要
FOXCONN A9DA BIOS設定
FOXCONN A9DA 消費電力
FOXCONN A9DA CPUファンコントロール SpeedFanの設定
無線LAN BUFFALO WLI-UC-G301Nを11n(300Mbps)に対応させる。
ベンチマーク結果
最後に

自作PC構成

自作PC・OS:Microsoft Windows7 Professional 64bit DSP版
・CPU:AMD Athlon II X2 250(定格3GHz)
・M/B:FOXCONN A9DA
・MEM:DDR3 4GBx2(Team Elite)
・HDD:WD20EARS (2TB SATA300)
・VGA:On board(ATI Radeon HD 4290)
・SND:ONKYO SE-90PCI ※アナログ出力だが相変わらず良い音
・無線LAN:BUFFALO WLI-UC-G301N(11n倍速対応)
・電源:KT-620RS(620W)
・CASE:フルタワー型 ※約7年物
・FAN:リア 8cmx1(5v動作),フロント 8cmx1(ファンコン+5v動作)

※A9DAはレガシーなIDEには非対応なので、光学ドライブは外付けUSBのDVD-RWを共用します。

(何台あってもメインマシンでは無いのはセカンドマシンと言う意味合いでの)セカンドマシンなのですが、Win7proを載せてます。気付かないだけかも知れませんが、特にメリットを感じた事は無いです。

因み、こちらが以前の仕様。2年ちょい前です。

FOXCONN A9DA 仕様概要

当方が購入したA9DAの仕様です。

A9DA 外箱・購入金額:\4980円(送料無料) 購入店:ソフマップ
・CPU Socket:AM3(AMD Phenom II,Athlon II対応)
・BIOS:994F1P07
・Chipset:890GX + SB850
・FSB:4.8GT/s HyperTransport
・MEM:DDR3 1600(oc)/1333/1066 x4
・内蔵VGA:ATI Radeon HD4290(700MHz)
・SATA:SATAIII(最大6Gbps)
・etc:7.1ch HD Audio,Gigabit LAN,日本製固体コンデンサ使用

ハード的な構成上の信頼度は同価格帯のAMD 880G+SB710のM/Bよりは明らかに高い事がわかる。一方で注意点は、IDE,USB3が無い辺りになるだろうか。当方はWin7pro DSP版にUSB3ボード(USB3.0N4-PCIe)が付属(実質無料)していたので、いずれ必要になった時にそれを使う予定。

気がついたのはマニュアルの掲載モノクロ写真が見にくい事。矢印が同じ色(黒っぽいグレー)で図が小さいので、どのコネクターを指してるのか分かり難い。但し特殊な点は無いので、分かり難くても大丈夫。

A9DAの中身、全て取りだした所

FOXCONN A9DA BIOS設定

とりあえず以下の設定で使用しています。

・Quiet Boot:Enabled ⇒ Disabled ※起動毎にシステム情報は確認したい。
・Smart Boot Menu:Enabled ⇒ Disabled
・CPU Clock:227MHz *1
・Memory Speed Mode:Auto ⇒ Manual ※Autoでは正確にメモリー周波数を認識しなかったので。
・GFX Engine Clock Override:Disabled ⇒ Enabled
・GFX Engine Clock:800MHz *2
・AMD 880 HD Audio:Enabled ⇒ Disabled *3
・HD Audio Controller:Enabled ⇒ Disabled
・Resume by USB Device:Disabled ⇒ Enabled *4
・Resume by PS2 Keyboard:Disabled ⇒ Enabled *4
・CPU/System/NB Smart Fan Function:Enabled ⇒ Disabled *5

*1:電圧を上げずデフォルト電圧で使いたいので、安定しているこの辺りで使う。
*2:デフォルト電圧でも900MHzでも確認したが、不安定になる場合もあったので、800MHzで使う。基本的にさほど体感差も無く,ベンチマーク結果も大差無い為にOn Borad VGAのGPUクロックはこのまま使う。
*3:サウンドカードSE-90PCIを使うので内蔵音源は不要。
*4:スリープからの復帰に、キーボードやマウスを使えるようにする。
*5:A9DAのスマートファン機能は実質機能しない。設定を変えても回転速度は温度が変化しても変わらない。またCPU温度もBIOSメニュー上の表示が40度以下にならない仕様となっている。その為、ファンコントロールは後述のSpeedfanを使う事とした。因みにA9DAでは3pinファンは使えない。PWM対応の4pinファンのみコントロール可能。

因みに、BIOSメニューに、電圧降下が不可な点(電圧上昇は可)とコアアンロック機能が無いのは、人によっては重要なポイントかも知れません。

FOXCONN A9DA 消費電力

アイドル時 44W以下はワットチェッカーでの計測値です。

・アイドル時消費電力
 定格時:44W (CPU 3.0GHz,GFX 700MHz) ※無線LAN Off
 常用時:45W (CPU 3.4GHz,GFX 800MHz) ※無線LAN Off
 常用時:51W (CPU 3.4GHz,GFX 800MHz) ※無線LAN On
・スリープ時:4W
・電源OFF時:2W

電源の性能がいまひとつ(まだ80PLUS電源がもうちょい高かった頃なので、仕方ない)なので、スリープ時や電源オフ時の消費電力がやや高めになっています。80PLUS電源を使えば、多分アイドル時の消費電力も数Wから10W近くまで、まだ下がりそうです。(参考:80PLUS電源 PoweRock 500W GE-N500A-C2で節電) ただ、このPCは、毎日長時間使うようにはならないと思いますので、電源はこのまま使い続けると思います。

FOXCONN A9DA CPUファンコントロール

12cmファン。これで周辺も十分に冷やせます。 元々使っていた(ジャンクから拾ってきた割にはよく冷えるのでまだ使ってる)CPUクーラーには3pin92mmのCPUファンが付属していますが、Smart Fan機能は4pinPWM限定となっているA9DAではファンコントロールが出来ません。

よって、手持ちの4pinPWM対応ケースファンを使って出来る範囲で色々考えた挙句、890GXも結構熱くなる事を考慮し、周りも冷却できる12cmファンをCPUクーラーの上に2段重ねで取りつける事としました。

右の写真を見ればわかるように、クーラーが見えなくなるほどファンが張り出して、メモリーや890GXなど、周辺も十分に冷やす事ができます。下のクーラーとはケースファン用の一般的な取り付けネジを1個所と、もう1箇所をバインドで固定して安定させています。これだけで低音振動(共鳴)なども起きません。

但し、前述のようにA9DAのSmart Fan機能は使い物にならないので、ファンの回転制御は、Windows上に常駐して自動制御する、最新のSpeedFan 4.44を利用する事とした。

SpeedFanの設定

以下の手順で設定します。旧版とはファンの制御方法の仕様が異なります。

1:右ボタン[Configure]
2:[Options] ”Language”を”Japanese”に指定。開始と同時に最小化をマーク
3:[詳細設定] プリダウンで”IT8721F at $E80 on ISA”を選択
4:PWM 1 〜 PWM3 mode を”Software controlled”に指定。因みに下のoffset,multi,divを変化させると数値は変化しますが、実際の値(温度や回転数)は変わりません。
5:[Fan Cotrol] Advanced fan controlをマーク
6:”ADD”を押して”CPU Fan Cotrol”などとして追加
7:”CPU Fan Cotrol”をクリック、Controlled speedをマーク、”Speed04 - Pwm 1 from IT8721f @ $0e80 on ISA”を選択 Methodは”MAX Of speeds”を選択
8:Temperaturesの”ADD”を押して”Core - Core from AMD K10 @ $0000 on PCI”を選択。Temp1でも良い。考え方の違い。
9:”Core - Core from AMD K10 @ $0000 on PCI”をクリックし、希望する温度と回転数のグラフを作る。但し、A9DAの仕様か実際はこんなに滑らかには変化しない。実際は、Core温度が回転数0%の設定温度よりも更に低くても、ファン速度は一定のまま(MAXの役半分の回転数)回り続け、Core温度が50度を超えると一気にMAX(約1400rpm)になる。(追記:[ファン]タブの項目の警告の温度設定を超えると一気にMAXで回転するので、警告の温度を58度に設定した。因みに、このマシンでは58度になるような事は無い。)

SpeedFANのCPU Fan Controlのグラフ

以上、やや手間はかかるかも知れないが、これでSpeedfanでCPUファンのコントロールが可能になる。尚、PCの起動時は回転数がMAXとなるので、ファンによっては爆音となるかも知れないので注意されたい。

残念なのは、幾ら冷えててもファンの回転数が0にならない点だ。2011年9月1日23時現在、Temp1の値が室温とほぼ同じ28度,Coreが37度とかなり冷えているが、決してファンが止まる事は無い。(追記:確認した所、この点の原因はA9DAのBIOS仕様では無く、ケースファン GELID Silent12 PWMの仕様によるものと思われる。仕様では約750rpm迄しか下がらないようになっている。)

しかしながら静音12cmファンの性能が良いのか、アイドル時はCPUファンの音はほぼ聞こえない状態になる。リアファンも5V駆動でほぼ無音、HDDも2TB 5400rpmと静かなので、唯一聞こえてくるのが電源の12cmファンのみとなった。12cmファンは静音タイプが1つ余ってるので、時間があれば載せ換えようと思う。もちろん,蛍光灯などから発するノイズのほうが、PCから出る音よりも圧倒的に気になるほどですが。

追記:2011/09/07

結局、これならCPUクーラーのファンを交換する価値がありそうだと言う事で、DFS922512M-PWM(サイズ 鎌風の風PWM 9cm)を注文した。

やや古いタイプのファンでサイズのファンにしては販売しているショップもやや少なめのモデルだが、他社のファンなどと比較検討した所、まづ最新の物が必ずしも性能が良いとは限らない模様である点。回転数0まで落とせる許容度があり、ベアリングの異音が少ない回転数をアイドル時に設定し易いだろうと言う点。ケーズデンキで送料無料でWeb特価3%引で795円(コンビニ払いで手数料不要)だったと言う点。この3点でDFS922512M-PWMに決めた。

無線LAN BUFFALO WLI-UC-G301Nを11n(300Mbps)に対応させる。

 今回、OSをWindows7 64bit版にした事で、通常のインストールのデフォルト設定では、BUFFALO WLI-UC-G301Nが11nの規格である、倍速300Mbpsで動作せず、IEEE802.11g規格の最大54Mbps迄しか速度が出なかった。その為、以下の手順で手動で設定し直した。

1:Buufaloのサイトからairnavilite-1273.exeをダウンロード。
2:手順通りにインストール IEEE802.11bg迄,すなわ速度は54Mbps迄しか有効にならない。
3:マイコンピューター右クリック⇒プロパティ⇒デバイスマネージャ⇒ネットワークアダプター⇒BUFFALO WLI-UC-G30xN Wireless LAN Adapter⇒プロパティ⇒[詳細設定]タブ
4:”Disable TKIP in HT”を Enable ⇒ Disable
5:クライアントマネージャV等で速度が300Mbps(又はそれに近い値)になっているのを確認

因みに”Disable TKIP in HT”の下にある”IEEE802.11h”は欧州規格(5 GHz帯規制)で新規格ではありません。

尚、同じUSB無線LAN子機のNetGearのWN111なら、デフォルトで11n(300Mbps)に対応するが、Win7のスリープからの復帰で正常に動作せず、devicon.exeを使う方法も試したが設定が思った以上に面倒なので、スリープからの復帰が問題無く利用できるWLI-UC-G301Nを使う事とし、以上のように設定し通常通り使えるようにした。

ただ、消費電力がやや高い(約5W〜6W)のが気になる所。詳細な電源設定の変更でワイヤレスアダプターの設定の省電力モードを変更しても、消費電力に変化は無さそうな気配だ。

同様の現象が出ているBuffaloの無線LAN子機は、同様に設定すれば11nで動作可能かも知れません。

ベンチマーク結果

 以下、簡単にベンチマーク結果を紹介しておきます。
いずれも常用状態(CPU AthlonIIx2-250 3.4GHz,GFX 800MHz)でテスト。

3DMark06 v1.20 1280x1024
2131 3DMarks SM2.0 695,HDR/SM3.0 826,CPU 2705

FFBench(FFBench3)
Resolution High 5395

FFXIVBenchmark
LOW(1280x720) 496

スーパーπ
104万桁 23秒
419万桁 2分1秒

CINEBENCH R10
Rendering (Single CPU) 3771 CB-CPU
Rendering (Multiple CPU) 7250 CB-CPU

 搭載デバイスが異なるので正しくは比較出来ないが、同じAM3対応でオンボードVGAのM/B 880GM-LE搭載の自作PCよりもやや高めのスコアとなっている。逆に、旧セカンドマシンよよりも、3D系ベンチマークでスコアが劣っている。即ち、A9DAの内蔵GPUのスペックは外付けグラフィックカード(RADEON HD 4550)よりもまだ遅いが、880GのGPU Radeon HD 4250よりは速いと言うごく自然な結果を示している。

注目すべきは、同じCPUでも、CINEBENCH R10やスーパーπの結果がやや上昇している点。CPUの能力をより引き出す事ができていると言う事だろう。

最後に

日本製コンデンサ 一言でまとめにくいのだが、購入価格(4000円台)の割には良いスペックのM/Bだと言う所だろうか。激安クラスの価格帯の880G+SB710と同等の購入価格で、それ以上のスペックと中長期の安定性が得られたのだから、満足はしている。

ただ、890GXの廉価モデルとは言え、折角の890GXを生かし切っていない点が、やや勿体ないと言う印象が残る。CrossFireXや日本製固体コンデンサ搭載などの仕様からも、低廉な格安モデルと言う印象は受けないのに、実際はそうでも無い。どこかしら中途半端感がある。

スペックを見る限りはSocket AM3用のM/Bとしては、ゲーマーや中上級者に適しているような印象があるが、使ってみての感想を言えば、お勧めできる使い方としては、HDMI,光角型SPDIF標準装備なので光アンプや大画面TVと繋いでAV対応のリビング向けPCなどが適しているのではないかななどと感じてしまう。或いは、CrossFireXを手軽にしたいと言う方には、好条件のM/Bなのかも知れません。(私は興味が無いので…)

個人的な不満と言う点では、ファンコントロールの”仕様”を除けばほぼ無い(もちろん十分に満足していると言う意味では無い)。電圧が下げられないのは残念だが、デフォルトでも十分に省エネなので特に問題では無く、満足の域に達している。

後は年末迄に、AM3+な8コアCPU(Bulldozer)が出るでしょうから、その頃には安くなるのではないかと思われる Phenom II X4かX6辺りに載せ替えようかと考えています。マルチコアはさほど必要とする場面は少ないですが、ブラウジングなどでL3キャッシュがあるCPUのほうが心地良く使える場面が多いですね。

自作に興味が無く、よくわからないと言う方にも、自作PCは、使い回しが利いてエコで、消費電力が低くて省エネで、中長期で見ればお金もかからず、パソコンなので色々と快適にできると言う事が間接的にわかって頂けるかと思います。

追記:2011/09/05

そんな訳で、電源(KT-620RS)の12cmファンを交換し、5V駆動させました。しかし、まだ音が聞こえます。もちろん、耳障りな音と言うレベルでは無く、(HDDのアクセス音は別として)夜中に静かに耳を澄ませば風が流れる音が聞こえると言った程度で、昼間は耳を近付けないとわからないレベルのものです。ケース内部側面に段ボールを両面テープで張るなどすればかなり減衰するでしょうが、とりあえず静音効果のありそうな良デザインのケースが特価で出るのを待つとします。

追記:2011/09/08

電源ユニットの交換した5V駆動の12cmファンですが、風量がやや不足気味なので、元のファンでサーマルノイズコントロール下の自動制御に戻しました。但し、ファンガードとファン下部の透明プラスチックカバーを外し、風切り音が減る可能性を上げるなどの措置をとりました。KT-620RSは静音電源の部類ですが、個人的にはこのレベルでは煩いです。と言うか、このPCから出る音の殆どがKT-620RSのファンの回転音と言う状況ですので。(リアに使ってる、静音で評価の高いGELID silent8も12V,7Vでは煩いので5V駆動させてる位ですので) アイドル時の回転数(現状のMinimumは700rpm)がもう少し下がれば、随分と静かになるのを確認してますので、とりあえずVRかますか、ケースサイドに段ボール(もし特価であれば、スポンジタイプの吸音材でも可)辺りを貼り付けておこうかと考えてます。(結構効果ありますよ。5年以上前の例ですが)

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