景気や雇用は更に悪化したが、第2の秋葉原事件は起きたか?

2009.04.18

 まず、昨年の秋葉原事件の犯人の動機を整理しておきます。

●オタク的な影響があったか?
⇒ 弟や親族の手記による証言では、少なくとも学生時代はゲームやアニメ系などのオタク的要素とは程遠い存在。当時の一部マスコミのゲーム漬け報道はかなり胡散臭いと思われる。

●エリートの転落か?
⇒ 高校の頃から成績が悪くなり地方の短大卒なので、エリートが転落と言うほどでは無い。

●派遣業への反抗か?
⇒ バイトから正社員に昇格しても自ら辞めた。理由は、元同僚の発言によれば、正社員は仕事がキツイので嫌だったのではないかと言う事の模様。派遣に関しても、性格上仕事は気に入らなかったかも知れないが、派遣その物への反抗とは思えない。

●彼女がいない・友達がいないから?
⇒ 大勢の交友する仲間がいた。彼女らしき女性もいた。人との交遊は、一般的な青年以上であったのではないかと思われる。

あのポエムのような詩的な書き方の携帯サイトの投稿に目を奪われ感化された方や、マスコミでの派遣・格差社会問題云々にも影響された方は多いと思う。それら情報のみしか知らない者の中には、共感や同情を感じた者も少なくは無かったように思う。
しかしながら、実際、犯人の闇に触れる必要は無く、その程度の解釈のままのほうが健全で、そのような無難な報道をしたマスコミも、或る程度正解だったとも思う。

私は、このようなサイトを運営している事で、スパマーや悪意を持った者かどうかを、サイトやメール文書などから見極める事が日常の作業となって、9年以上が経つ。(もちろん、掲載しないサイトがそのようなサイトであるからと言う理由だけでは無いので勘違いされないように願いたい)
それだけに因るものでも無いが、あのポエムな文書の携帯サイト投稿に関しては、犯人の本音がどの程度書かれているのか当初から懐疑的に思っており、事件の動機としては関連性はあまり重視していない。但し、ネット(携帯サイト)が全く影響を与えていなかったとは思えず、仕事中でも携帯を気にするほど、携帯依存症気味であった事のほうが問題ではないかと考えている。(これに関しては携帯電話の大手スポンサーを持つマスコミはあまり触れていない筈です)

個人的な解釈では、何度か書いているように、常人の成せる犯罪では無いと言う事に尽きる。性質が常人では無いと言う意味合いだけでは無く、その能力が常人の域を超えているからだ。幾らダガーナイフを持っていたからといって、僅か30秒ほどの短時間であれだけの人間を殺傷し、更に警官がピストルを構えるまでは警官と互角に戦えるなどと言う能力は、一般人は持ち得ない。この事実が最も重要であると認識している。
簡単に書けば、テロリスト的要素を持った人間が、相応の能力を身につけ、反社会的なテロ的行為を行っただけの犯罪と考えている。本人の資質と言う事だ。
ただ、本人がテロ行為と自覚して犯行に及んだかどうかはよくわからない。
テロ的行為のより詳しい個人的な考えは、もし公判で明らかになったならば書くかも知れないが、詳細は明らかにならないだろうと推察している。

以前にも掲載しましたが、一部週刊誌などを含むマスコミに掲載されていた、犯人の人となりの一端がわかる箇所を列記しておきます。
詩的な携帯サイトの投稿などから伺える人間像とは違う性格の人間である事を、伺い知る事ができるのではないかと思われます。

■(給与に見合わない生活ぶりで)金遣いが荒い人間だった。
■車好きで、新車で700万円以上もするGT-Rなどの高級スポーツカーを乗り回していた。
■全額は不明だが、数百万円以上の借金がある。借金は、父親が払っているとの話もある。
■高校生時代の成績は、最下位クラスだった。
■マシンガンを持ち、迷彩服を着るなどの写真から、以前からミリタリー系の趣味があった模様だ。
■正社員経験もあるが、基本的に同じ所に落ち着かず、本人の意思で職場を転々とする。
■職場の先輩と共にソープランドなどの風俗にも行っている。(先輩とは”兄弟”の仲かどうかは不明)
■中学生時代に、既に彼女がいた。(不純異性交遊などがあったかどうかは不明)
■出会い系で会った女性でも、「一緒になれば」などの口のうまさと積極性を持つ。
■秋葉原のメイド喫茶のメイドに指輪をプレゼントするほど、女性に積極的だった。
■ネットのオフ会へ参加経験を持ち、多くの人とのコミュニケーションを取るタイプだった。
■職場での交流は盛んで、後輩の面倒見も良く、兄貴的存在だった。

先の世界的な金融危機(実質的な世界恐慌)移行、秋葉原事件(秋葉原通り魔事件 2008年6月8日)の起きた時より、今は更に経済が酷い状態で、失業率は増加、有効求人倍率は低下し、派遣切りも当たり前になっている。また勝ち組も負け組みも無く、大半の者はみんな生活が酷くなっている。
しかし、あのような凶悪犯罪は起きているようでは無い。逆に、個人的には、皆が助け合おうと言う気持ちが芽生えているかのようにすら感じるほどだ。
第2第3の秋葉原事件が起きると可能性を示唆していた者もいたが、現実はどうだろうか。果たして、社会が強く影響していたのだろうか。

たとえ特定の分野で専門的知識を持った著名人などであっても、一部のマスコミ報道のみだけで詳細且つ確定的な考察はできるものだろうか。
果たして、相応の経験や知識を持った者が犯人に接見などし、初めて事件の真相が垣間見える事件ではないだろうか。
極めてショッキングな事件ではあったが、凶悪犯罪は、統計からして増えているのだろうか。
(私の検索力が落ちているのか、情報が公開されていないのか不明だが)無差別殺人などの統計はわからないが、警視庁発表の統計では、まだ日本が好景気に沸いていたバブル期のほうが、殺人事件が多かった事がわかる。(参照:犯罪統計書より刑法犯の罪名別発生件数(全国)及び 2008年の殺人事件発生件数1300件)
これらを元に、『第2の秋葉原事件なぞ、起きなかったではないか』と言う意味合いで述べているのではないが、許容できうる確かな情報を元にしていない上で、必要以上に危機感を煽るのは、いかがな物かと思う。

いや、そう言う一部のマスコミやライター等を批判する目的で書いているのでは無い。
雇用が景気が経済が悪くなるにつれ、確かに、凶悪犯罪者も増えるかも知れない。
しかし、ここの所、私が肌で感じる事は、ごく普通の一般人が、自分でも何かできる事はないか、何か支える事はできないか、何か手伝える事は無いか、そう言う意識のほうが大きくなってきているような気がしてならないと言う事だ。

世の中が悪いから、世の中へ復讐するよりも、
世の中が悪いなら、自分達で良くしていけばいいじゃないか。

私には、今の日本人に、そんな思いが少しづつ広まっていっているように感じるのです。

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