秋葉原の無差別通り魔殺人事件は、ネットの規制強化に繋がるのだろうか?

2008.06.08

 温暖化するよりも先に原油が枯渇し、仮に全ての残った原油を燃やし尽くしたとしても大して二酸化炭素量は増えないなどと言う話もある中、今日も地球温暖化対策関連の特番が続いていた。その最中に、秋葉原で、トラックで人ごみに突っ込んだ後、次々と通行人や警官を殺傷する無差別通り魔殺人が起きた。

”Save The Future” よりも、まさに”Save Japan” と叫びたくなりそうな事件だ。

ニュース報道やネットの情報サイトなどでも、既に多くの方が、逮捕の瞬間や、通行人による人口呼吸を含む献身的な救助、或いは一般民間人による現場からの中継などの動画や静止画像をご覧になっていると思う。

目下のところ、犯人曰く25才の暴力団員と名乗っているそうだが、某大手の会社の親族の者だとかと言う噂もネット上では散見できる。また、5月下旬には、犯行予告ではないかと噂された某所での投稿もある。(追記:事件当日の6月8日には、携帯サイトで、犯行予告と取れる投稿があったが、午前5時21分から犯行直前の12時の10分迄の間に記載された内容からして、犯人本人である可能性があると思われる。便乗した愉快犯による後編集の可能性もあるので、確定では無い。←本人自供) 写真画像を見る所、(最近の定義に基づく、いわゆる)オタク的な雰囲気は多少はあるものの、普通の人に見える。

さて、本日は6月8日だが、丁度7年前の6月8日に、大阪で痛ましい事件が起きた。ご存知のように、宅間守による、小学校乱入での小学生無差別殺人、池田小事件だ。(尚、既に宅間守の死刑は執行されている)

私は、今回の事件が、たまたま同じ日にちになったのでは無い可能性のほうが高いのではないかと思っている。主な理由は以下の通り。

1:ダンプカー(トラック)による繁華街突入による無差別殺人計画の構想があった事を、宅間守は裁判の公判中に漏らし、それがネットにも掲載されている。
2:宅間守の非常識且つ非人道的な行為や言動を、カリスマ的な存在として、今もネットの掲示板などでは賛美している者達が少なからずいる。

この事件の犯人が、これらのサイトか、或いは他の書籍などのメディアに感化されていた事で、日曜で人が溢れる歩行者天国に、宅間守の犯行日と同日に、トラックで強行に突っ込むと言う行為に出たのではないかと、推測できるように思う。(尚、犯人には薬物反応などは無かった模様だ)

もし、この事件の犯人(加藤智大)が、ネットのこれらサイトに影響を受けていたのだとしたら、由々しき問題だろうと思う。警官も負傷しているのだから、警察の沽券に掛けて、原因は徹底に究明され、規制が強化されるのではないかと思う。もちろん、私は、携帯電話によるネット規制を想定している。

また、今に始まった事では無いが、更に酷いのは、このような凶悪な無差別殺人によって、多数の罪無き死者が出ているにも関わらず、これらの報道を見て、あたかもゲーム感覚で、無責任にお祭り騒ぎ的に楽しんでいる者達がいる事だろう。もちろん、彼ら全員が、犯罪者予備軍などとして危険性を煽る気は毛頭無いが、その中の小数点以下の極めて低い確率で、例えて言うならば少年A的な特異点のような存在が、今回のような、世の中が嫌いになった程度で、身勝手な犯罪を犯す者が、カミングアウトし現れてこれるような、敷居を低くする環境を促進しているのではないだろうか。

もちろん、凶悪な犯罪者が生まれる社会背景こそ重視すべきあって、起きるか起きないかすらも本当はわからない地球温暖化問題よりも、身近な不安である、年金・雇用・経済・教育などの問題解決に国民が一致団結して全力で取り組めるような社会になる事こそ、自分の行動に責任を持ち、夢を描ける者がより多く出てくるのだろうと思う。しかし、今の日本の政治や行政にそのような強い期待が出来ないのならば、本質では無くとも、せめて、要因の1つでも、改善されてしかるべきであろうと思う。

 ネットのボーダーレス化が顕著になって久しい。

しかし、 人気の高い情報サイトは、更に刺激的でUG的な情報を盛んに求め、アクセスを増やそうと躍起になっている。主婦や子供向けのネタも増やしている事から、利用者の低年齢化も進むのだろう。モラルを期待したところで、そもそも免疫力も無く、弱い精神力の一般人には、土台無理なのだ。

今回の事件が、ネットが関係したかどうか、犯人に影響を与えていたかどうかは、目下のところ定かでは無いが、子供に携帯電話を持たせない事も必要だが、誰の目から見ても有害性が顕著であると思われるような有害サイトは、規制すべき状況になってきているのでないだろうか。

追記:

既に、有害サイト規制法案が衆議院で可決している事は承知している。しかし、本事件に、もしネットが関与しているとしたらば、サイトや記事の削除などの権限を、国家や当局が持つ事に傾くのではないだろうか。ネットの自主的な対応による改善を疑問視する議員もいるが、私も昨今は強く懐疑的に思っている。しかしながら、国家権力が及ぶ事は、いぶかしい事だ。やはり、ネットの自浄能力を諦めたくは無いと思っている。

現時点でも、犯人の取調べに関する報道は無く、ネットが関与したなどと言う確定的な話も無いが、もし、この犯人が、多くの者が当時予想していた”第2の宅間”であるならば、宅間守をリスペクトしているかのような記事などのコンテンツがあるサイトは、該当部分を早々に削除すべきだろう。

追記2:

家内とも話していたのですが、このような陰惨な事件が起きる背景にある理由の1つには、現代では、世の中が嫌になった者が取れる手段が、限られてきている事もあるのではないかと思います。嫌になった世の中への仕返しとして”犯罪を犯す”か、世を捨てる為に”自殺をする”などが増加しているように思われます。

昔ならば、世捨て人として出家などすると言う選択肢もあったのですが、オームやいかがわしい宗教団体関連の事件報道が増えた事や、一般の宗教団体も、世俗的で営利目的である物が目立っている事で、仏門に帰依するような者は減っているのだろうなと推測します。

宗教は誰にでも良いものであるとは言いませんが、この世を酷く嫌悪するかのような人ならば、奈良や京都とまではいかなくとも、近くの神社などへ参拝し、手を合わせるような事でも試して見ると、世俗的な価値観による悪い影響から、取り払われる、1つのきっかけになるかも知れません。

基本的には、古くからある日本の宗教は、天変地異の多い日本で人が生きる為の合理的な知恵なのです。

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