IT系のお仕事が人気が無いそうですね?

2007.11.10

 最近知った新しい横文字、SIer。”エスアイアー”と読むらしい。就職を意識しだした最近の理系の学生さんなら、多分、よくご存知の横文字なのでしょう。一般世間では、"システムインテグレーター"のほうが聞き馴染みがあると思う。で、ネットで検索すると、IT系の職種だと言うのは、どなたでもわかるだろうけれども、解説サイトなどからは、よく見えて来ない。似たような職種で私が身近で知ってるのはせいぜいSE程度だ。けれども、(確か)16bitパソコンの時代から、似たようなスタイルのビジネスをやってた人もそこそこ知っている。要は、”ITの営業”って事なんでしょう。

少ないコストで、大きな顧客満足度を与える事で、差額分の利幅を稼ぐ事に専念する事が、使命とされる職種と思われますので、要はだまくらかしてナンボとみなされる側面はありますが、程度と質の問題であって、加えて、では、それ以上の物を提供し十分に維持して行くだけの企業体質を持っているかも見極めねばならないでしょう。相手にとって善良である事が最善であるとも限りません。昔からこれに類する職種の人との付き合いはありますが、個人的には好みませんし、やってみたいと思った事もありません。が、相手にとって最善を尽くせるだけの能力、器量を持った者でも無い限り、厚かましい考えでもあるとも理解しています。本当に人の役に立つと言うのは中々難しいものです。

また、たとえ、相応の能力のある者が、クライントの要求を満たす為に、正直に親身になって粉骨砕身健闘したところで、見返りの少なさ故に、例えば7Kなどと言われるようにドライな若者にも敬遠されてしまう、言わば、ベンチャー系企業の宿命の輪廻が脈々と続いているのでしょう。もちろん、お金では買えない仕事の遣り甲斐や達成感こそ重要ではありますが、将来像は、極貧従事者が多いとされるアニメ業界などと類似性を見れるのではないかと思われます。能力のある者は、クライアントでは無く、同じ仲間を幸せにする方法を模索すべきかも知れません。

ところで、IT立国と言えばインドである。インドについては、最近では、少子化問題を書いた時に述べているが、2000年以前(確か震災以前)から、例えば、マイクロソフトのソフトウェア開発は、(記憶違いで無いならば、当時は確か衛星経由と聞いていた)インドで行い、当時でもビル賃貸料世界一などと聞いていたので、いわゆるグローバル化の流れに伴うアウトソーシングでの、コスト優先主義によるものだけで、欧米がインドに業務委託をしていたのでは無いだろう事は容易く推測できる。理由は、学歴主義国家である有能なインド人の米国シリコンバレー経験者が多い点と、母国インドに帰国した際に、ITの取引先の大半が欧米である事で、同様なスタイルで仕事ができる点の2つだろうと思う。残念ながら、日本はこの2点のいずれも合致していないようだ。更に言えば、(日本ではハゲタカなどの悪いイメージしか無い)M&Aに代表されるように、今は国際的な投資ブームで、投資マネーが世界各国に流れているのだが、世界の中で唯一投資が引き上げている国があるらしい。日本の事だ。これは金だけの問題では無く、それに伴う、人材や技術も日本を相手にしないと言う事なのだから、日本のチャンスが減っていると言う事だ。ITに関して言えば、生産性の高い技術を持った外資が減る事で、業界の変革が期待できなくなると言う事につながるだろう。

例えば、Rubyの作者のように、ITによって日本にいながらにして、たとえ個人であっても世界に認められる云々と言う話もあるが、相応の能力と堪能な英語力などがあっての例外的な事で、基本的に、本当にITを学ぼうとする志の高い者ならば、日本にこだわらず、海外での活躍の場を求め、大成した後にでも、日本を相手にビジネスをするなどで良いのではないか。例えば、インドに学ぶべではないだろうか。

Webの世界でのJapan Passingは、もう何年も前から顕著だ。海外サイトを回れば、韓国語,中国語などのアジア各国の翻訳サイトは目に付くのに、日本語だけが無いと言う状況を目にする。日本はITの分野では離れ小島的な存在になってしまうのではないかと言う危惧を、もう何年も前からうっすらと抱いていましたが、IT業界もそうなりつつあるのでしょう。ただ、以上述べてきたような局所的事項よりも、根本的に何が日本のITに悪影響を与えているかを、大局的に見れば、”日本独自の携帯電話環境” に行き当たるのではないかと、うっすらと感じるのですが。

しかしながら、多くの者が非力な凡人である故に、残された身近な選択肢から、行く道を選ばねばならないのが現実でしょう。経験で物を言わせて頂けば、先の見えない時代故に、迷ったら、リスクのあるほうを取ると言う生き方を選ぶのも、また真であると言う事です。

『若い時の苦労は買ってでもしろ』などと申します。

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