おたわごと:NEET(ニート) 働かない若者たち

2004.10.12

  先日、ローカル系のバラエティー系討論番組を、奥様に連れられて見ていたら、NEET(ニート)なる、働かない若者達について、国が自立できるように1000億円の援助する事に対して、『NEETをどうすれば良いか』と言った趣旨で議論をしていた。NEETとは、”Not in Employment Education or Training”の略で、収入も無く、教育や訓練も受けて無い者を指し、”無業者”とも言うようだ。

NEETの概論に関しては、NPO法人育て上げネットのNEETの勉強会のページなどに詳細が載ってますので、ここでは、そこに知識人の皆様が掲載されたような事は述べず、自分の感じたままの事を書いてみようと思います。

そもそも、今のNEETの原因はどこにあるのか? となると、NEETと一口に言ってもタイプが様々なので、原因も色々でしょうけど、最大の原因は、『働かなくても、そこそこならば生きていける世の中』にあるのでしょう。特に何か探求するでも無く、将来の日本や国際的社会の役に立つべく、独学などでもするなら別として、20歳を超え、世間的にも一人前と呼ばれる年頃になれば、昔ならば家にはおれんでしょう。でも、何の稼ぎも無くても家にいる事ができる。家庭が一人前の大人として子供を育てる面で、機能してないんでしょうね。或いは、親がその必要性を感じず、いつまでも子供でいて欲しいと願っているのかも知れませんが、本当に子供の将来の事を考えているならば、手放すべきでしょう。或いは、日本の将来自身が信頼がおけないのに、何を信じて子供を指導、指針を示せばよいかわからないとか、親が親として機能していないまま子育て(或いは放任)してきてるので土台無理な話と言う事も言えるでしょうね。

…と、ありきたりな前置きをして、NEETの話を聞いて感じた事が2つ。1つは、米国でのジェネレーションX。今のジェネレーションXの解釈は、以前(90年代)に聞いた内容とはちょっと違うようなのですが、その当時は、”自分達は貧乏くじを引かされた世代”と言った内容では無かったかと思います。日本がバブル経済の好景気で、米国の企業やら土地やらを買い漁ってた頃、米国はMIT卒業者すら路頭に迷うほどの不景気どん底で、親達の世代はアメリカ アズ ナンバー1でオイシイ話ばっかりだったのに、自分達には転落しか無いかのような、暗い将来しか見えて無い世代ではなかったかと思います。今のNEETとジェネレーションXがどうも被さって見えるような気がします。

もう1つは、『そもそも、働く必要などあるのか?』と考えてるようにも思える点。これは、現状、働かなくても、そこそこ生きていれる点や、勤労が幸せな結果になっていない親世代を見て、(NEETの中には)そう思う者が少なく無いのだろうと言う推察と、もう1つは、男性の女性化が考えられるように思う。(昔の)女性ならば、家事一般がこなせれば、家が経済的に困窮していないならば、無理に働きに出る必要が無い、清楚な”箱入り娘”でいれば良かった。それが、現代では、男性が”箱入り息子”になっているのだろうと思われる。

男性の女性化については、食生活の変化などによるホルモン異常や、家族(や学校,地域社会など)が男性(男子)形成の場として役割を放棄しているなど、色々とありますが、そもそも女性と男性の違いを考えて1つみると、男は夢を見つづける生き物で、冒険心を忘れない故に男でありえます。一方、女性は女辺に家とかく、”嫁”として家庭を守るべく存在になる為に、幼少期から現実をしっかり把握せねばならず、保守的な現実主義者にならざるをえません。この事から逆に見ると、男性(男子)も、小さい頃から、現実主義的な教育環境で育ってきている事が、男性の女性化の1つの原因になっているのではないかと言う気がします。学校教育の水準は(多分)著しく低下はしているものの、”この世の現実”における情報はあらゆるメディアで氾濫し、男の子が男の子らしく、女の子が女の子らしい、子供らしさを構築する期間をおかずに、(現実社会の)知識が自然と詰め込まれる事の1種の弊害であるのかも知れません。

そもそも、今のNEETと思われる世代(20代)が生まれ育った時代背景には、経済や政治の異常さがあった訳で、故に、どこか特別変わった若者現象が現れても、何もおかしくは無いでしょう。昔のヒッピーなどと思えばいいだけの事ではないでしょうか。時期がきて、大手企業のみでは無く、地域経済の景気も良くなれば、自然と消滅します。ただ、もしNEETの原因の1つが、男性の女性化にあるとしたならば、多少は男として、ケツは叩かれるべきでしょうね。

少なくとも、頭で考えるほどに、世の中は単純では無いし、理屈通りの結果にならないのが人生です。答えと言うのは、頭で考えて出すのでは無く、行動によって出る物です。何か行動を起こさないと答えは出ませんし、考えてる余裕があるならば、ともかく何か行動をしてみる事。その結果、出てきた答えを見てから考えればいいんです。それが若者の特権です。その特権を行使しないのは、人として生まれてくる事ができて、非常に勿体無い話なのだろうと思います。(まさか、次も人として生まれてこれる事が無条件で約束されてるなんて思ってるなんて、イイ大人の人なら、いませんよねぇ。限りある賞味期限付の自分の命、使った者勝ちでしょ)

追記:色々な情報を対比して見ましたが、ジェネレーションXよりも、快楽主義で非生産的価値観を重視する、現代のヒッピー(ネオヒッピー)として考えたほうが良いかも知れませんね。今の若者文化を見ても、どうみても70年代の再来的なムーブメントを幾つも見る事ができますが、昔ほどの、何かを変えようとしたエネルギーは今の日本には無いようですね。ひきこもってるほうが、まだ健全なのかも知れません。ただ、出遅れる分、周りと同じ事をすると、大損ですから、結果を出せる充電期間としてのNEETとしてならば、いずれ、大物と呼ばれる社会の役に立つ人も出てくるのでしょうね。スティーブジョブスもヒッピーだったそうですし。でも、税金と年金はちゃんと払って欲しいですね。

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