安全重視ならば、子供から携帯を取り上げ、パソコンを使わせましょう。

2007.09.01

 幾度となく何年間に渡って書いてきているお題で、昨年も同時期頃に書いてますが、世間で周知されるまで、くどくどと書くと思います。

 先月末、警視庁から”平成19年上半期のサイバー犯罪の検挙状況等について”が公開された。それによると、子供などの未成年者による、出会い系買春などのネットワーク犯罪被害が増加している旨が報告されており、報道などでご覧になったご父兄も少なくは無いと思いますが、この”ネットワーク犯罪被害”の大半は、実は、パソコン利用によるものでは無く、例年同様に、携帯電話利用によるものです。(恐らく携帯電話のみしかアクセスできない携帯サイトが主体ではないかと考えますが、調べた訳ではありません。)

この事は、同じく8月末に警視庁発表の、”平成19年上半期のいわゆる「出会い系サイト」に関係した事件の検挙状況について ”に掲載されている資料の冒頭で以下のように紹介されてある。

2 主な特徴
○ 出会い系サイトへのアクセス手段として携帯電話を使用した被害児童は、604人のうち577人で95.5%を占める。[2頁]

以上のように、児童の被害者の95%以上が携帯電話アクセスによるもので、前年同様に大きな割合を占めています。

 ただ、携帯電話のインターネットアクセスや携帯サイトの危険性が世間でも徐々に認識され、携帯フィルタリングの重要性の認識の広まりや、大学教授などの肩書きのある方々の発言や、(群馬大学の下田博次教授などのように)活発な活動される方もおられるようです。(警視庁の研究会も、既に昨年に、子供の携帯電話はネット接続もできないものが必要である旨の提言を行っています。因みに、親が子供にインターネット接続可能な携帯電話を買い与える国は日本だけだなどと言う話も聞いた事があります。) 携帯電話のインターネットアクセス定額制(パケット定額制で使い放題)の機種が当たり前になってきている昨今、より注視すべき事と認識されている方も増えているのではないでしょうか。

”追い風”の傾向にはあると思いますが、他方、では携帯電話のネットアクセスを制限・遮断をするだけで安全かと言えば、果たしてどうか? と言う方向性が若干見えてきているように思われます。ネット介さない友人同士などの携帯電話コミュニケーションでも、果たして安全だと言えるかと言う点です。

例えば、出会い系の問題で言えば、最近流行の兆しを見せている”出会い喫茶”などはどうなのでしょうか。出会い喫茶も色々とあるようですが、単に「健全な独身男女がお見合い気分で出会う為の喫茶店」であるならば、良いのですが、(ネット上で調べたところ)実態は、”かなり敷居の低いデートクラブ”のような物と考えたほうがいいような印象で、男性が女性に金品を報酬として支払うのが慣例な模様です。店外で、二人がどういう行動を取るのか、果たして性的な関係があるのかどうかなどは不明ですが、このようなシステムの場合、小遣い稼ぎ目的で学生が利用する可能性は十分考えられるように思われます。援助交際などですね。

少し前置きが長くなりましたが、未成年者の援助交際が爆発的に増え、社会問題化された頃の背景には、未成年者の携帯電話所有が増えた点がある事は、ご記憶の方も少なくは無いと思います。”出会い喫茶”の例で考えれば、(特に出会い系サイトなどを利用せずとも)ネット以外でも、一度、どこかで出会いさえあれば、ネットを介さない携帯電話利用のみでも危険な状況は成立してしまうと言う、可能性程度はどなたもご理解頂けるのではないでしょうか。手軽なリアル出会い系サービスがあれば、バーチャル的な出会い系サイトは不要なのです。

そもそも、親の目の無いところで、(親が)どこの誰ともわからない人達と(子供が)自由に即座にコミュニケーションができる携帯電話を子供に持たせる事は、(お友達など次第では)危険なリスクが伴うのだと言う事ですよね。

日本のインターネットは匿名が原則です。匿名故に、個人の安全が守られています。危険だの危ないだのと一方で言われていますが、パソコンを使った、日本のインターネット環境は極めて安全(*1)ではないかと思われます。子供に与えるのは、携帯では無く、お互いは匿名のままでどこの誰かもわからないままに十分楽しく人間的なコミュニケーションができて、既にインターネットに接続してあるなら通信費も余計にかからず、親の目の届く家の中にいつもあって、その気になれば、ルーターで利用を全て遮断する事もできる、パソコンにすべきだと考えます。

 パソコンを使った学生向けの在宅学習や学習ソフト或いは、幼児向け知育ソフトなども徐々に普及しているように思われます。また、世界的に見ても、IT関連産業の産業全体に占めるシェアは増加傾向が続いており、一般大手企業などでも専門の部署が存在します。将来子供がIT関連のビジネスの職に着く事も十分に考えられるでしょう。そう言った観点からも、も少なくとも、パソコンやインターネットを子供の内から”きちんと触らせておく”と言う事は重要なのではないかと思います。(*2)

*1日本のインターネットは匿名故にトラブルが多いなどと言う意見もありますが、実名にすれば犯罪が減るかと言えば、実名登録でも悪質な行為が減らない、隣国の韓国のインターネット事情を見れば、それは違うように思われます。逆に、未成年者のネットを利用した暴行(集団暴行)などが、日本の6倍、米国の2倍などと言われる事から、匿名である事は犯罪を減らす事にも貢献している可能性があるのではないかと考えます。(匿名故に、トラブルもこじれる事も無くスルーできますし、ビジネスでもプライベートでも、極めてプラスの効果が双方で成立しない限り、実際に会う事もそうはありません。)

*2:そもそも(マスコミなどで)インターネット批判がやたらと多いのは、マスコミの利益(広告収入)の減少対策によるものが大きく、これはもはや周知の事となったと考えます。ネット広告は一般マスメディアからすれば、べらぼうに安いのです。他方、携帯電話がマスコミで批判されないのは、ご存知のように多い日ならば、1日に100回以上もCMで流れるような、スポンサー(大得意先)であるからだと思われます。もちろん、討論系番組などの(高額なギャラを貰う)コメンテーターなどもそのような点を配慮をし触れない者が多いのではないでしょうか。唯一、先日、携帯電話の危険性の特番(私は見損ねましたが)を設けた局は、スポンサー広告とは無縁のNHK(クローズアップ現代)だった事も添えておきます。 ただ、最近の報道などでは、出会い系サイト関連の事件の場合、”携帯電話の出会い系サイト”と携帯電話利用による被害である事を記事に明記する正確な報道も増加傾向にあるようですので、これは歓迎すべき点です。

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