今ころ、無能の人観ました。予想以上に良い映画でした。

2004.10.10

  何度も観たいと思ってて、中々観れずに、TVでやってたのをPSXで撮って見ました。バブル崩壊直後と言っても、多分、今よりもまだ十分に景気が良かった頃の作品ですね。楽天を興した理由を述べた三木谷氏の弁で有名になった、”達成感”もそうですが、満足感、充実感とか。何か、相対的指数などで評価されてしまいそうな物では無く、”絶対低な中身の濃さ”と言う物が、いかに人生では重要なのかを感じた作品です。明らかに情けない、生きる価値も無いような、タイトル通りの無能の人… なのですけれども、滑稽さや嫌悪感、不潔、不浄、或いは哀れな見世物的な物でも無いし、ドロップアウトした者への癒し的作品と言う訳でも無い。それでも不器用だけれども、真面目に生きてる命がそこにあると言うか、生き様と言うか。そこには、勝ち組だとか、負け組みだとか、本当に無意味な分類の仕方ではないかなと言う人生の価値観が描かれているようです。

多分、つげ義春ワールドを100%再現していたら、或いは、主役兼監督の竹中直人が秀吉のあとで無かったら、主役よりもその背景に目が行ってしまって、こんな観方ができなかったかも知れない。

生き急いで、失う物の大きさがわかる前に、教えてくれる人もいないままに… と言う感覚がバブル世代の子供達の特徴にあるそうな話を聞きますが、丁度いい作品かも知れませんね。因みに、つげ義春氏は戦前の生まれですから、時代の影響は大きいですね。現在、DVDでは販売されてないようです。中古DVDでも無いです… ね。(追記:その後、無能の人はDVD化され、2007年現在も発売中です。)

他に書きたい事があったんですけど、”無能の人”が長くなってしまったので、この辺りで。

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