ネットを使うと馬鹿になるのか(?)

2011.09.29

テレビを見ると馬鹿になる。』を書いてから間もなく4年になる。その時の要点は、”TVを見ると考えない習慣がつく”、”作ってる側が視聴者を馬鹿にしている”、”そもそも作ってる側が馬鹿”と言う事でTVを見ると馬鹿になると言った内容だ。
その頃から「次はネットすれば馬鹿になる」と言う意見もあったが、そこいらを徘徊すると、どうやら現実になりつつあるような気がする。最も大きな理由は、TVを見ると馬鹿になると同じで、考えない傾向が顕著になってきているように思われる。

1:自分で考えないので馬鹿になる。

・(自演や宣伝も混在した)掲示板コミュニティやブログ,SNSなどの反応を見て情報を判断する傾向。
・(嘘や宣伝等も多いが)Wikipediaなどを参照して宿題やレポートなどをまとめる習慣。
・(本来は危険である筈の)多数派でいる事に安心感を持つ者が増加。

多数派でいる事への安心については一言で言えば、(本当は行革推進失敗による)景気低迷が長期化した事での不安感が、過剰に多数派でいる事への(実社会では根拠の無い)安心感を強め、若年層にも広がったからだろう。結果的に、(多数の中の個になる事で 負担増となり)弱者が更に弱くなり既得権益層の温存に加担し、歴史を繰り返すだけになるように見えるが、これについては別の機会に。

SNS等での(組織的)自演については、例えば、震災後のTwitterで流行ったデマ(婦女暴行,強盗,餓死者等々)はわかり易い例だが、デマ認定されないブログやニュースサイトを含めた(広告料を支払って掲載していると思われる記事の)企業等の宣伝を、果たして検索能力すらも未熟な者が判断できるだろうか。無理だろう。

せいぜいプレゼントなどのキャンペーンで集客して金太郎飴のような同じPOSTがTLが埋められて、「あ、これって宣伝ね」とわかる程度ではないだろうか。企業サイトでの「いいね」の数が多い理由も同じ事は承知されているだろう。
多くは健全な部類の宣伝なので、デマほどの嘘では無く本当の事だろうが、それがベストな情報とは限らないケースは多分にある。つまり、TVのCMと同系統の物でちょっとしたエンターテイメントと言う事だろう。 踊らされない為には、距離を置き、割り引いて冷ややかに眺める必要がある。

情報の共有(再投稿)でも同様な事が言えるだろう。(”ありふれた日本語”を書くのが苦手な)プログラマなどが合間などに息抜き感覚でユニークなコンテンツを再投稿するケースとは異なり、時間的にも十分な余裕があるにも関わらず第3者の作ったコンテンツを詳しく吟味もせずに再投稿程度しかしないと言うのは、考える事を放棄すると言う事に繋がる。他者が得られる情報としての結果は同じだが、前者と後者では全く違う。

2:作ってる側が馬鹿にしている。

・TV同様に徹底的にわかり易くて楽しいコンテンツにして、一切考えなくて済むようにする。
・何も疑問を持たず考えないような別コンテンツへの誘導もし易い者が増えれば利益に結びつく。

例えば、きちんと考えて納得してリンクを踏んで別ページへ移動して貰うと言うのでは無く、ともかく広告混在でも全部クリックしてページを開いて確認してくれるようなユーザーを求めているように思える。以前なら排除されていた騙しランキング掲載サイトやブログなどが、今やランキング上位にあるのもこの事を示しているだろう。(もちろん株式上場大手 ポータルを含めて)暗黙の了解事項として当たり前の事と認識しているので詳しくは説明しない。

たとえ 間接的にでも、人は馬鹿にされ続ければ馬鹿になるものだと考えている。故にそう言ったコンテンツにアクセスし続けると人は馬鹿になるもんでしょう。

3:作ってる側が馬鹿。

 急に馬鹿になったのでは無いけれども、(実はあまり知らないと言う意味合いでの)馬鹿であるかも知れないけれども参照するケースが増えたと言う事。一言で言えば、マスコミソースの氾濫だ。マスコミ系の情報の場合、古くからのネームバリューがあって確率的に信頼性は高いだろうけど、企業提供などのニュースリリース(要は企業原稿丸写し)などでは無い記者執筆によるレポートの場合、果たしてそれが正しい情報かは疑問符が残るケースもある。

もっともらしくて読み易い文才に多少長けているだけで専門的な情報に精通せず、幾つも掛け持ちで頭数をこなしているだけの若い記者と言う可能性を、我々は排除してはならない。雑誌や新聞離れが長期的に続いている中、有能なベテラン記者をメインでは無い参照数も低いページのライターとして使えるだけの余裕のあるマスコミがあるだろうか。

以上、『TVを見ると馬鹿になる』と同様な構成で書いてみた。もちろん、本文は一面から見た解釈で馬鹿になる要素は他にもある。ただ、TVを見ると馬鹿になる事がわかる者ならすんなり理解されるだろうなと言う事で書いたので、今回は以上のような見方となった。

巷で飛び交う情報に浸り続けていると、最近はSNS中心でブログなどはもう流行って無いように見えるが、AlexaのTop Sites in Japanを見ると、相変わらず、ベスト25位以内の10サイト前後が無料ブログなどのブログサービス又はブログポータル運営サイトだ。3位のfc2に至っては無料HPも含む。 意外に思うかも知れないが、誰もが容易に参照しうるオープンなトラフィック情報ではこの通りだ。(因みにウチのサイトへの(空アクセスを除いた)実効的なアクセスでも、SNSからは本当に微々たる状況が何年も続いている。未だに利用者が多いと実感できた事は無い。そもそも、そのような胡散臭い情報に踊らされ扇動され易く疑わない従順な輩を集める事にメリットがあるのだろうから、そう言う集客をする風潮があるのだろう。利用者統計にしても、幽霊会員やサブアカなどの利用実績の無い物を省いて公開すべきだ。)

中にはまとめサイト的な物やツールによるスパム利用などもあるのだが、基本的に”日記”として自己との対話をしている者やサイト構築による創造的な活動や情報発信をしている者も現在もかなりいる事が伺える。更に言えば、これはレンタル掲示板などでも同様で、検索結果上位に現れないだけでブログや日記的に延々とPOSTしているケースも今もある。(興味があれば色々と辿って見ると面白いだろう。モバイル主体の者が増えた事による変化はあるものの、ネット利用の基本スタイルはそんなに変化はしていないように見える。コミュニケーションの主体もSNSでは無く今も圧倒的にメールでしょう。)

ネットもTV同様に考えない視聴者のように受動的なスタイルが定着し馬鹿になりがちな傾向は出てきているような印象を受けるが、諸外国は知る所では無いが、日本のネットの実態はまだそこまでは程遠いのだろう。

無料サイト集 Kooss (run)記

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