ネット収入・アフィリエイトの将来 考察 2005年度版

2005.01.01

 久々に編集室で、無料ネット収入関連の事を書いてみようと思います。(広告代理店経由の)広告提携、アフィリエイトの将来について思いつくままに私的考察を述べてみようと思います。

儲かると言う事で儲けている事

 アフィリエイトどころかPTSすら流行って無い頃、インターネットにはマルチ商法などの、無数のサイドビジネスが主流を占め、それらは”儲かる儲かる、大金持ちになれる”と連呼し、挙句の果てに、フェラーリだの、海外旅行だの、○億儲けましたなどの、冷静な判断を麻痺させる触れ込みに変わっていき、一般から見放された経緯があったように思います。現在、アフィリエイトの紹介の一部でもそこまでは酷くは無くても、ボロ儲けできる、大金持ちになれると言う触れ込みで紹介報酬を稼ぐような者がまた増えてきているように思われます。”儲かる”と連呼する事で儲けてる訳ですが、紹介報酬などに関しては、僅か数年前の初期の頃(ほぼ無条件に近いと言って良いようなどんな一般的なサイトでも、1件辺り数千円の紹介報酬)とは違い、厳しい審査を経て、数百円の紹介報酬と言う現状でありながらも、そのような形で勧誘を図っている所が増えている事からも、何をやっても、”インターネットはなかなか儲からない時代になってきているんだろうな”と言う事が、1つ推測できるかと思います。
楽して儲けたいと思う人がいなくならない事は無く、それを本当に実現するかしないかは別として、その需要を満たす文言としての”儲かる”としての”誘導”が無くなる事は無いでしょう。よく言われる事ですが、インターネットで大きく成功した”勝者の論理”は、ごく限られた一部の者、一部のサイトにしか適用されず、それよりも、多くの場合は”敗者の論理”の中などに僅かなヒントを見出す事ができます。

上場企業のアフィリエイト参加

 こう書けば、以前なら、広告主として参加していると解釈されるのが一般的ですが、上場企業ですら、アフィリエイト広告を掲載する場面が増えており、日本を代表するような、ポータル系・準ポータル系サイトでもよく、バナー(画像・文字)を見かける事が増えました。また、広告主の企業サイト(商用サイト)でも、別のスポンサー広告を掲載していたり、場合によっては自社製品よりも、広告商品(アフィリエイト経由)のほうが遥かに多い、或いは、そちらへ誘導しているかのようなサイトも少なくは無いようです。コンテンツの補間を相互リンクなどでは無く、広告収入と言う利益を得ながら実現しようと言う事なのでしょう。(本来ならば、そのようなスポンサーへのリンクは掲載しないサイトが増えると思うのですが、そのような傾向は最近はあまり無いようです)
アフィリエイトの主流が個人サイトから企業サイトへとシフトする可能性はあるように思われます。一層進めば、個人サイトのアフィリエイトでは月額数千円程度の小遣い程度の利益にすら殆ど結びつかなくなる可能性も考えられます。

商用サイトの人気度の高まり

 確か、2〜3年ほど前までは、相互リンクや、格別に役立つ商用サイト、明らかにネットでしか買えない超激安や特価商品の販売、或いは本当にボランティア意識を持った商用サイトでも無い限り、商用サイトへのリンクをするような個人サイトは滅多に無かったように思うのですが、最近は普通に物品販売が主体の商用サイトへもリンクしている個人サイトが増えました。また、大手企業であっても、(業者依頼による)自演的な大胆なサイト宣伝なども増加しているのではないかと考察しています。ポータルサイトへ依存、或いは広告出稿をせねば集客できないと言うインターネットで商売をしていく上での敷居の高さが、随分と低くなってきているように思われます。同様に、アフィリエイトへの依存度も低下していると思われます。

中身の無いSEO重視の宣伝

 例えば、巨大なサイトを持ったスポンサーを紹介する場合、リンク経由で訪問する方にわかり易いように要点をまとめた専用ページ設置と言うのは必須となりますが、それをSEO目的のみの(検索エンジンからの集客目的の)ページとして(ほとんど)内容に意味の無い紹介文で設置しているサイトは、ここ数年増加し、乱立気味であると言っても良いように思われます。
SEOも1〜2年ほど前から数年前の容易な理屈のみでは実現できず、かなりの労力を必要とし、また、集客を上げるのに効率の良い特定キーワードの存在価値も低下傾向ですので、かかる労力を別に充てたほうが効率が良いケースも多々考えられ、或る意味SEOは、”信仰”に近い要素が出てきたように思われます。もちろん、意識的・無意識的に関わらず、検索エンジンが過剰なSEOと認識した場合、検索エンジンから除外されると言うペナルティは健在で、最近の傾向として若干厳しくなってきているようにも思われます。企業サイトでも例外ではありません。(比較的騙されやすい)書籍等に書かれた事を鵜呑みにし、未熟なSEOの技術で、成功しているサイトの真似事をして検索結果から消されると言うリスクを被る事の無いようにしたほうが賢明でしょう。昨今のトレンドキーワードでの、ユーザビリティなどの研究をお勧めします。現在は、ユーザビリティを向上させる事で、SEOにも貢献する面もあるように推測します。

広告収入の激減

 例えば、5年程前ならば、掲載のみでまとまった報酬が貰えたり、或いはPV報酬なども多く、PV辺りで(今の)クリック報酬程度のスポンサーもあったように思います。現状は、クリック報酬は激減の一途であり、実績報酬(実際にクリックした訪問者がサービスを得たり対価を支払って、その一部が報酬として支払われるタイプの物)も、金額・比率が下がる一方です。例えば、”薄利薄利”と昔からいわれる、一般的な書店などすらでも、実際は20〜30%程度の利幅があると言われますが、ネットでは商品の利益率が90%以上を超えている物品が売れた場合でも、報酬1%固定と言う物も増えています。更に、(原因は不明ですが)キャンセル率も増加の一途ですので、この例で言えば、実質換算で0.3%など、1%未満の実績報酬となっており、一般的なご商売をされている方からすれば常識では考えられない、極めて低い状況であると言って良いように思われます。
例えば、3〜4年前なら紹介に抵抗があり、殆どの人が見向きもしなった、キャッシング系(ローン・サラリーマン金融など)でも、今は高額報酬ともてはやされ、競争激化で、専用の独自ドメインによる比較サイトや、それ自体をAdsenseなどへ(広告料金を支払ってまで)広告出稿するほどの状況である事からも、どこまで広告収入が激減しているか推察できるかと思われます。

闇雲な実践主義への偏重

 理屈で考えてもわからないならやってみて自分で確かめると言うのは、ネット収入に限らず、今のインターネット全般に言える事だと思われ、(アフィリエイトに関しても)とりあえずやってみてそれから考えても遅くは無いのは間違いのですが、やってみた後で、よく自ら考察してフィードバックすると言う面があまり見受けられず、その最も重要な面をどこかの情報を鵜呑みにして考える事を避けているかのように思われるサイト管理者が増えているように思われます。
これには、アフィリアイト参加者の裾野が広がった事もありますが、競争の激化も大きく影響があり、検証している間に競争に負けるリスクを考慮するならば、やってみたほうが良いと言う原理も働いているのではないかと推測されます。例えば、もう殆ど利益になる事が無いと言われて久しい、詐欺的行為が強い海外のメール受信報酬などでも、紹介サイトも参加者も無くならない事もこれに当てはまるように思われます。”数打てば当たる”と言う事なのでしょうが、全く報酬が貰えずに紹介者へも信頼を落とすと、逆に損失に繋がるリスクがあります。

商売をすると言う事

 インターネットに限らず、商売をすると言う事は、”あきない(商)で、寝ても覚めても商の事ばかり考えている”状態を続けると言う事で、アフィリエイトもその商売と同じで、訪問者が求める物が何であるか、何をどのように紹介すると、買って頂けるかと言う事を考えねば成り立ちませんが、そう言った基本が欠如し、機械的な技術的な面のみが目立つサイトが増えているように思われます。商品が大量に売れる為の効率化のみを推進し巨大化して行き、逆に、小回りが利かずに経営に苦戦してしまったデパート、スーパーなどと類似している面があるだろうと思われます。
様々な面で、実際に商売をするよりも、極めて敷居の低い特性を持つアフィリエイトである限り、この状態が変わると言う事はあまり考えられないでしょう。一般的なB2B,B2C市場で、社会人・アルバイトなどで商売に携わった経験を持っておらずに、技術力や、或いは運・閃きなどで短期間成功しただけでは、今後は大きく失敗する可能性もあるように思われます。

インターネットの更なる多様化

 ADSLなどのブロードバンド普及によって、利用者数やネットの利用時間は遥かに増加していると推測されますが、それほどのアクセス増加は実現していません。理由の1つは、ポータルから検索して様々なサイトを訪問すると言うスタイルの崩壊で、インターネット利用が、必ずしも多様なサイト訪問・サイト検索では無く、(ポータルサイトの囲い込みなどによる)限定されたサイトのみの利用で完結する状況などもできています。また、大型液晶テレビ・家庭用ゲーム機器などのデジタル家電の普及に伴うブラウザを経由しないサイト訪問、進化した携帯電話・モバイルでのネット利用、特殊なウェブブラウザでのページ閲覧なども増加しているように思われます。パソコンの一般的なブラウザ(のクッキー)を利用したアフィリエイト報酬は、これらの利用によるアクセスでは利益に結びつきません。

パソコンの家電化

 デジタルテレビの普及に伴い、パソコンとテレビの融合が進んでいます。パソコンを(今までの)パソコンとして使う使い方よりも、”テレビよりも便利なテレビ”と言うパソコンが増加傾向です。例えば、テレビ局をポータルサイトが買収しようとすると言う傾向がありますが、パソコンの家電化が進む事で、(一般的な)ブラウザを利用しないサイト訪問の増加なども考えられ、同様にアフィリエイト報酬には結びつかなくなります。
パソコンとテレビの融合が進めば、それほど遠く無い将来に、例えば、ネットのショッピングサイトの静止画像を見て購入では無く、ネットの商品の動画をテレビで見る感覚で見てそのまま、リモコン1つでネットから注文申込みなどと言う対象が限定された(一部の企業しか参加できない)アフィリエイトのスタイルなども十分に考えられるのではないかと推測します。

セキュリティ向上の推進

 行過ぎた安全対策徹底重視の結果、不必要なクッキー情報などは全て削除、或いは最初から受け付けないなどと行ったケースも増加しているように思われますが、こう言った環境の利用者のアクセスでは、同様にアフィリエイト報酬は発生しません。また、セキュリティ対策ソフトよる(様々な理由によって)アクセス制限などがかかる場合もあります。

まとめ

 以上、述べてきた部分をまとめてみます。

・儲かる儲かると連呼しだすとあぶないが、この文言は無くなる事は無いだろう。
・大手企業の参加で、アフィリエイトは個人サイトが主流の時代は終わる可能性があるのではないか。
・商用サイトの宣伝・紹介は、特にアフィリエイトのみ重視すると言う時期ではもはや無いように思う。
・中身の無いSEO重視の宣伝ページが乱立しているようだが、そのリスクは大きい。
・広告収入は更に激減しているのではないか。
・実践主義が上手く機能していない。
・商売を知らずに闇雲に突っ走るとリスクが大きいのではないか。
・インターネットの多様化が更に進む事で、報酬が得られるチャンスが減っているのではないか。
・パソコンの家電化が進む事で、アフィリエイト報酬が減るのではないか。
・セキュリティ重視の偏重で、広告収入が得られる機会が減っているのではないか。

最後に

 以上述べてきた事を元に結論として述べる事は特にありません。1つの読み物の情報として解釈してお読み頂き、お好きに消化して貰えばと思います。尚、お決まりですが、特にそう言った類の雑誌・書籍などは当方は一切読んでおりませんので、それらからの引用もありませんが、逆に、過去の事を踏まえて考慮すれば、今後、雑誌・書籍、或いは有料セミナーなどで、当方が以上述べたような事と類似した物がある可能性は否定しません。(同様な考えを持った方は多数存在すると思いますが、一字一句同じ文章、或いは同じ構成であると言う事は明らかにおかしく、著作権法上の問題があるとみなしますので、予めご承知おき下さい。)

 アフィリエイトの状況が、最近、やや変貌している原因の1つには、ブログがあると思われます。ホームページにおける記事とは異なり、引用箇所と本文の区別が不明瞭である事や、意図しない本文にはそぐわない記事のトラックバックなどによって、自己の責任感が低下する事と、匿名で取得できる事、それに容易にSEOが実現できる事で、ブログによるアフィリエイトの質がホームページによる物よりも劣り、それが影響している節もあるように推察しています。

 ともかく、最初の”儲かる儲かると言う事で儲けている事”で、アフィリエイトの近い将来の観測の大半を述べていますが、本当に一攫千金を得たいのであれば、上記の考察を元に考えれば、アフィリエイトシステムを設けたほうが遥かに近道ではないかと推測します。著名なインターネットの広告代理店の資本金や利益の推移などを参照すれば、遥かに有利である事は理解できるでしょう。但し、相応の資本・投資・技術力は必要ですので、一般の個人サイトが起業できるとは思えません。多分、代理店によるEコマース契約などを経て成功した企業などが独立し、(一般的な広告代理店などに)発展させて行くなどのケースが出てくるのではないかと言う仮の予測ができます。もちろん、そこでも競争が激しくなる事で、より一層アフィリエイト報酬が減る可能性もありますが、アフィリエイトサイト獲得の為に(会社の利益を削って)逆に報酬が上がる可能性もあります。但し、ネットビジネス全体の競争が激しくなると言う事に変わりは無いので、良く巷で言うような”楽に稼げる”状況になる事は無いでしょう。(丁度この記事を書いた後で知ったのですが、GMOアフィリエイトと言う新会社もできています。詳細は不明)

 何度か書いてますが、当サイト、旧名称:完全無料お得サイト集は、”インターネットは危険で利用してはならない”と言うマスコミ主導の世間の風潮を打破し、参加者を増やす為に、インターネットにはこれだけ無料でお得な物があると言う事を告知し、お金の無い方には、(当時のナローバンド時代の高額な)プロバイダー料金を減らす為に無料プロバイダーを紹介し、(ダイアルアップ接続の)電話料金を無料でする為に海外(米国)のPTSを紹介する事で名称も”完全無料お得サイト集”としていました。ネット収入に関しては、開設から1年程度経過後、当時、一般の無防備な人がマルチ商法などに参加して大きく損害を被らない為にも、”インターネットでお金儲け”と言うページで積極的に紹介をしていました。商用ショッピングサイト紹介に関しても、旧:完全無料お得サイト集を立ち上げた時点で、実際は殆どが利益が無く、有名なショッピングモールですら参加企業は大赤字であった事、本当にインターネットは儲からず、なけなしの金で参加する中小零細企業の大半が泣きを見ていた事、政府がインパクのような莫大な巨費を投じても、ネット経済が動かなかった事、ネットの経済が好転(ITが成功)しないと日本経済は良くならないと言われていた事、また、不況で倒産する中小零細企業が後を絶たず、酷く深刻な状況であった事… それらを打破する事ができないかと言う事で、場末からの支援をしたと言う所です。(自己の利益になるなどと言うのは、殆ど眼中には無く、代々商売人の家で育った自分ができる、ネット参加の形であったに過ぎません)

 今は、ネットからの日本経済の活性化も進み、当時からすればネットは飛躍的に安価で便利で、多くの方に健全に利用されるようになりましたので、当サイトではアフィリエイトなどを積極的に紹介する必然性も感じていません。ただし、もし今から普通に参加して大金持ちになれるなどと妄信しているような人がいるならば、『それはもしかしたら違うんじゃないの?』と言いたいと思います。以前の”インターネットでお金儲け”で、冒頭に述べていたような事を繰り返しますが、

・資金・資本無料で参加できて、(ネットの)経済が無料で学べる場と思える方
・(販売実績報酬が)わづか1円の報酬でも、ネットの経済に貢献できたと、社会に役立てたと思える方
・アフィリエイトに費やした時間、僅か数百円の時給のバイトのほうがもっと報酬になったと後悔しない方

これら条件にあてはまる方が、参加して成果を得られるようになるのではないかと思います。アフィリエイトと言えども、”商売”なのですから、初心は”丁稚奉公”の精神から始める事が賢明ではないかなと。誰でも参加できる敷居の低いビジネスとして広く認知された状況で、極めて厳しい競争社会なのですから、”甘い夢”などは見ずに、飽く事無く、ただコツコツと地道に専念される事をお勧めします。

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