商売の難しさ

2002.06.04

 私は、元々はエンジニアですが、家業が商売ですので、家業を継ぎ商売の経験もあります。そこで、商売をする事、商売で儲けるのが、いかに難しいか、経験から意見を述べてみたいと思います。その前に、一言…

『インターネットは儲からない』

 そう考えた上で、どうすれば儲かるか、きちんと利益が上がるか、真剣に取り組んでいる所だけが、儲かっているのが現実ではないかと思います。先人が実行済みの”ちょっとしたアイデア”だけで取り組んでも、多大なリスクを抱える事になります。

 実際の”商売”の中から、インターネットビジネスにも多少は通ずる面があると思われる物、わかり易い点について述べたいと思いますので、インターネットで真っ当なご商売をされる方や、アフィリエイトをされている方の参考になれば幸いです。

【1】営業

 さて、”商売”ですが、まづは、”営業”です。先にお断りしますが、扱っていた商品は、価格面でも極めて競争力のある優れた物ばかりで、決して、市場競争力の無い高価で需要の少ない商品ではありません。安くて良い商品は、自然と売れて儲かると思うのは大きな間違いです。例えば、皆さんの身近でも、郊外型の激安量販店の倒産などはありませんでしたしょうか。

1:売り込みに行ってもすぐに会ってくれない。

誰かの紹介でもあれば別ですが、飛び込みで入っても、初対面でまづ会ってくれません。新しい得意先を求めている企業は別ですが、不景気ですので、殆ど守りに入っています。すぐに相手をしてくれる所は、どこからも相手してくれない信用の低い、倒産の危険性の企業か、暇な企業だけです。商品を見せるに至る迄に、まづ気にいられる事が必要です。きちんと商売をする意思を見せ、パートナーとしての資格に値すると思って頂く事。それが出来ないと、まづスタートできません。

2:多少の安さではセールスポイントにならない

 限界迄安く、ギリギリの価格設定にし、それが他社の半額以下などであれば、『あぁ、確かに安いな』と思って貰えますが、限定の特価品は別として、特別なルートや製造法を確立している場合を除き、通常価格でそれが通る事はまづありえません。商品を売る度に損をするからです。スーパーなどは例えば、タマゴ88円など、限定数幾つなどの客引き商売ができますが、企業間ではそうはいきません。無制限にその商品ばかりが出ます。かと言って、価格面での企業努力をしているのは、他社も同じですので、結局、そんなに注目して貰えるほどの価格差が出る事は無く、多少の価格差しか無いならば、あまり意味が無く、安い事は得意先にとっては、当然の事なのです。

3:得意先になるまでには相当な時間がかかる

 何度か会い、漸く話を聞いてくれて、商品を見てくれて、運良く商談が成立しても、まとまった数の注文が来るには、相応の時間が掛かります。最初は、全くお金にならない見本ばかりが流れます。その見本の為に、得意先専用の相応の経費を要するカスタマイズをしていたら、その分は赤字になりますが、見本だけで終るケースも少なくありません。市場がそれを受け入れなければ、結局別の製品を他社と契約される事になるからです。

 以上のような時間の浪費と赤字を積み重ねながら、営業を繰り返し、その中で成功した幾つかの営業スタイルを確立して行く事で、商品が売れて行くのではないかと思います。

【2】経営

 ”【1】営業”でも述べたように、ネットバブルがはじけた後に、相次いで現れた激安量販店も、今はかなり少なくなったように思います。安さだけで勝負をしても数が売れない事には、儲かりません。必要経費分の利益を確保するに至らないで商売をする事は赤字を累積させて行く事になります。国や地方自治体などが支援してくれる一部の企業や大手の法人などを除いて、赤字を出し、倒産をすると言う事は、極めて深刻な事態に陥ると言うことです。

1:健全な経営の為には、リスクは惜しまない

 『君子、危うきに近寄らず』と言いますが、『虎穴に入らずんば、虎子を得ず』とも言います。例え、相手が倒産のリスクを持った企業であっても、その企業を助け、共に努力し、繁栄させて行こう、アイデアも資金面でも協力していこうと言う姿勢で無くては、儲かりません。 例え、商品を納入し、資金面やその他の労力でも協力し、その結果倒産しても、その倒産に至る間だけでも、或る程度利益になれば、それでも商売は成功です。取引先の経営状態が悪くなったからと言って、”スパッ”とドライに切り捨てるのは、至極簡単な事ですが、その分、新たな取引先を探すコストが必要になります。逆に、その企業が儲かるように共に努力をし、運良く倒産の危機を免れれば、メインの取引先は自社のみになり、更に儲かる可能性があるのです。

2:約束通りに支払いがある訳では無い

 特に、倒産寸前などで支払い能力が低下している企業とは限りません。健全な企業でも、約束どおりの金額(商品単価)で支払いがされないケースもあります。取引先の不手際による、市場からの返品や、勝手な理屈や都合で値引きをされ、金額通りに支払われない事は、少なくはありません。皆さんが、スーパー・コンピニなどで、商品を買えば、きっちり消費税を含んだ金額を支払いますが、企業間ではそうでも無いのです。消費税分は支払わない。現金で支払うので分引きする。端数(例えば、1000円以下)は支払わない。などなど、消費者とお店間での一般的な商品とお金のやり取りとは少し違います。単価の高い商品なら良いですが、単価の安い商品では、死活問題ですので、その事を予めわかった上で、商品の販売価格と言うのは決まってきます。

3:無くなった信用は元に戻らない

 一度倒産し、銀行取引停止になれば、再度事業を再開しても、中々誰も相手にしてくれる物ではありません。倒産に至らなくても、取引の過程で、なんらかのトラブルや疑惑を持たれ、信用を無くした場合でも、同じです。これは、企業の規模や資金力などとは全く関係無く、”騙した、騙された”などと言った感情を害する欺く行為です。これは、意図せず、ほんの些細な事務上のミスや勘違いなどでも発生します。製品の品質、金額、個数、納期などに加え、相手方の都合による製品との相性や不具合などもそうです。たとえ、こちら側の管理ミスによる物では無くても、同じです。

 商売をされている方の大半は、インターネットビジネスには、あまり興味が無いようです。大半の理由は、商売の難しさと、インターネットでは儲からない事を知っているからだと思います。ただ、日本のEコマースが本物になるかどうかを見極めている方はかなりいるのではないかとも思います。

 他方、日本国内のネットビジネスで初期の頃のEコマースやネットビジネスで成功されたと思われる企業などのサイトで、最近あまり見かけない、音沙汰の無くなった物もあります。以前のネットビジネスの花形は実は、アダルト系でした。ダイアルアップ接続故に、Q2に繋がり、多大な接続サービス料金を請求されるその裏側で利益を上げていた企業が多数あったように思います。「ともかく、1アクセスでもあれば儲かる」故に、刺激的な宣伝文で大量のスパム行為やトリッキーなホームページなどが目につきました。信用も何もありません。それと同様に、他のEコマースのサイトも信用などは全く考えずに、「ともかく、インターネットはこんなもなのだから」と言わんがばかりに、売上があっても、アフィリエイト報酬は一切支払わない所(と言うか、支払わないで済むようなシステムです)もあった位です。実際、儲かって無いならば、支払われなくても仕方無いと思いますが、儲かっているのに、報酬を払わない所は、一時期はそれで利益を得られたかも知れませんが、今はそうはいきません。ほぼ大半のアフィリエイトで、例え、報酬単価は低くても、きちんと報酬を支払うようになったからです。そして、現在有名になり大きく成長したアフィリエイトサイトは、私が知る限り、殆どがきちんと真面目に報酬を払っていた所である事も、付け加えておきます。

無料サイト集 Kooss (run)記

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