おたわごと:新・愛の嵐、続編、特別篇への期待…
良しにつけ、悪しきにつけ、これほどインターネットで話題になったお昼のドラマは、初めてなんじゃないだろうか(?) 新・愛の嵐は、東海テレビ放送と泉放送が制作し、フジテレビ系列で、今年の7月1日〜昨日9月27日の第65話まで、13週間に渡って放映された番組です。お昼の時間と言う事もあり、リアルタイムで観れずにビデオで録画されて見た方も多いと思います。
このドラマは、主人公二人(三枝ひかる、鳥居猛)が、孤児の使用人と大地主のお嬢様と言う恋愛が許されない立場、二人を引き裂こうとする残酷で過酷な様々な運命の連続、それを乗り越えて、強く逞しく、純愛を成し遂げようとする番組であったろうと思います。ですので、どのような矛盾、不満を感じていようども、『最終回だけは、ハッピーエンド』と硬く信じて観ていた方が大半であったのではないでしょうか。
それが、結果は、主人公役の猛(要潤)が、同棲していた秀子に射殺されると言う悲劇になりました。しかも、その後(CM後の場面転換で)の、5年後の三枝家の風景では、何も悲壮感は無く、ひかる(藤谷美紀)は、心の中に猛がいる事だけで幸せと言った状況でした。仏壇にも、猛の遺影は飾られず、替わりに貝殻が飾られ、微塵も悲しいそぶりはありません。
少なくとも、最終回前日迄の盛り上がりは、決してこのような筋書きにあったようには思えません。少なくとも、「二人は誰にも引き離せない」「生まれる前からの運命」と言った周りの者からの祝福、後押しするような台詞(絹に関しては遺言ですね)は、どうなるんでしょうか。
本来幸せになって欲しい人が、幸せになっていない。主人公が殺されると言う終わり方。残された主人公(ヒロイン)は幸せになっていない。逆に二人を不幸に陥れた者達だけが幸せになっている… など、本当に後味の悪い印象しか残りません。
しかし… この番組は、続編か、特別篇があるような気がします。
それは、この番組の趣旨が、「いかなる困難を乗り越える、熱い、熱い、純愛のドラマ」である事に矛盾しているように思えるのもそうですが、その他にも以下の理由があります。(”熱い、熱い”は、製作者スタッフが、記者発表時に述べられています)
■東海TVの新・愛の嵐の公式サイトでの、放送終了後に掲載された最終回第65回のあらすじでは、秀子に撃たれた後、主人公猛が死んだとは、書かれていない。”意識が遠のきながら…”と紹介されている。
■同じく、東海TVの新・愛の嵐の公式サイトの愛嵐チェック”愛と涙、ラストシーンの撮影風景紹介”での最後の文章に、猛役の要潤氏のコメントとして、冗談ぽい感じで、”続 新・愛の嵐”があるかも知れないような、ニュアンスを出している。
■猛が撃たれたあと、何故、場面がいきなり5年後になったのか。もし、猛が本当に死んだとしても、撃たれた後、5年間は生きていた可能性が無いとは言えない。
■猛の遺影が何故無いのか。何故、貝殻が仏壇に飾られているのか。
■観ている者から明らかに非難を浴びる事がわかっていて、何故大河原に”俺の子じゃないのか?”と言う台詞(ブラックジョーク)を言わせたのか。それは、全くしこりが無くなるような、大河原を心から許せるような、何かがこの5年間であったと考えるのが妥当ではないのか。
以上の事から、私は、これは続編(続 新・愛の嵐)か、特別篇があっての、(とりあえずの)最終回では無かったと思うのです。このような(とりあえずの)最終回にした理由は、視聴者の秀子に対する同情が、あまりにも大きくなり過ぎた。猛の大河原への復讐のためとは言え、女の愛心を利用し過ぎた主人公猛に対する批判、そしてその恋敵であり、秀子とは対照的な愛に対する振る舞いをするひかるへの批判が強くなり、このまま主人公二人を簡単にハッピーエンドにすれば、秀子が報われないとの考えからではないかなと思うのです。
秀子が最も憎いひかるを狙って撃つ。そして、それをかばった猛が撃たれる。撃たれた猛の表情は、秀子を恨むでも無く、「すまなかった、許してくれ…」と言うような表情で、目を閉じる… しかし、秀子は最愛の筈の猛の死(?)を悲しむでも無く、あたかも女性が男性に決別を告げた時のような爽やかさで、その場を去る… こんなシーンでも無ければ、猛とひかるのハッピーエンドは、視聴者全員には歓迎されないと、そう製作者は思ったのではないかと思うのです。
また、続編なり特別篇がある気がするのは、最終回同日に、何故か、この新・愛の嵐の前の昼ドラの真珠婦人の完結篇が、ゴールデンタイムに放送された事も理由の1つです。(新・愛の嵐とは、非常に対照的な終り方で、感動的なドラマであったと思います。これで、益々、新・愛の嵐の終わり方に不満を持った方も多いのではないでしょうか)
以上は、私個人の勝手な希望的観測であり、フジテレビや東海テレビでは、そのようなアナウンスは、現在一切無いと思いますが、もし製作サイドで検討されているのならば、このドラマのファンとして、是非実現して欲しいと思います。
要潤氏は、仮面ライダーアギトにもライダー役で出演していました。”猛”と言えば、初代ライダーの”本郷猛”を思い出します。本郷ライダーは、不滅のライダーでした。不死鳥のように何度も生き返ります。同様に、このドラマの猛も簡単には死なない。へこたれない。名も無き野生児の孤児が、大地主の番頭にまでなり、全員戦死したと伝えられた戦争でも死なず、社長として復讐の鬼として舞い戻ってきた。そして全てを敵に回しても復讐を成し遂げた。そんな強い男が、たった1発のピストルの銃弾で簡単に死ぬのだろうか? そんなに簡単に死なせる筋書きても良いのだろうか? やはり府に落ちません。実は、死ななかったと考えたほうが自然ではないかなと思うのですが。
参考:東海テレビ
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