格安パソコン・ホントに安かろう、悪かろう?

2002.01.06

 激安パソコン・格安パソコン で紹介している3万円台の格安パソコン(と言うか激安パソコンですね)ですが、メーカー製のPCしか知らない人なら、「すぐ壊れるだろう」「初心者には使いこなせないんじゃないか」と考えるかも知れません。しかし、このページでは、それらご意見に、あえて意を唱えたい。(結構、強気で主張してます)

その前に、何故格安パソコンが格安であるかについて、簡単に紹介していきます。
尚、全てのパソコンメーカーには、当てはまらない事を予めお断りしておきます。

1:部品単価が安い。
これは最近は生産の拠点をアジアに移したメーカー物にも言えますが、メーカーオリジナルでは無い量産品や部品メーカーの在庫処分品を使うので更に安くなってる場合もあります。

2:生産コストが安い。
メーカーも組み立て工場をアジアに移してますので、安いですが、国内でも、ショップの店員やバイトなどが客の来ない間などに組み立ててますので、比較的安いです。

3:添付ソフトが無い。
OSすらついて無い場合がありますが、メーカー物は、最初から色々なソフトがとプリインストールされていますので、その分、高くついています。

4:マニュアルも殆ど無い。
メーカー品の場合、色々と初心者用の分厚いマニュアルなどが付属してくるケースもありますが、格安パソコンでは、付属するのは、各パーツの薄いマニュアル(主にマザーボード(以下M/B略))とWindwosなどのOSのマニュアルのみです。(OSがオプション仕様の場合、Windowsのマニュアルもありません)

5:電話サポートが無い。
全ての格安パソコンショップで、全く無い訳ではありませんが、メーカーのように初心者向きにパソコンの使い方まで教えてくれる専門のサービススタッフを配置していると言う事はありません。
但し、例外もあって、DELLなどは国内メーカーのパソコンと比較し、明らかに格安と言えますが、電話サポートなどのユーザーサポートでは常に上位に位置するメーカーです。

6:諸々のコストダウン
格安パソコンメーカーの企業努力のたまものです。
その他、薄利多売を主としている。宣伝コストが安いなども挙げられます。

おおよそ、以上のような理由で格安パソコンが、格安にあがっていると思います。

で、これを見たら、やっぱり格安パソコンは、怖くて初心者には使えないと言う結論になってしまった方がいると思いますが、それが違う事を、経験で得られた事柄を中心として、これから紹介していきます。

1:ソフトは必要な物だけ買うなり、無料ソフトを使えば良い。
大量の添付ソフトがあると言う事は、色々使えると言う感じにも見えますが、使わないソフトも大量にあると言う事です。その大量にあるソフトが、OSに様々な影響を与えます。ソフトを多く組み込めば、一般的に、パソコンの調子が悪くなる確率が上がるからです。また、OSすらついて無いと言う事も、自分の好きなOSを選ぶ事ができると言う事です。(WindowsXPにしてもそうですが、最新のOSほど使い易いと言う事は、全てにはあてはまらないですね)

又、メーカー物の場合、もし、にっちもさっちも行かなくなったら、リカバリーCDで丸ごとHDDを初期化する必要性に迫られる場合があり、バックアップを取っておかないと大切なデータ(文書,パスワードなどの類も含め)なども消されてしまう可能性が大きいのです。(メーカー物の場合、HDDが1ドライブで区画設定をしていない物が多いので、大切なデータ類を別ドライブ、例えばOSやソフトはCドライブで、データ類はDなどと言う風に予め分けておく事ができません。別途ソフトを購入して使用前に予め区画を割っておけば可能ですが、殆どの方はされていないでしょう。1ドライブの場合、万が一の為に、バックアップをCD-RWやMOなどにマメに保存しておく必要が出てきます。尚、区画で割っていても、HDDがクラッシュしてしまえばどうしようも無いので、本来ならば2ドライブ内臓するなりミラーリングしておけばかなり安心です)

尚、参考までに私の場合ですが、パソコンソフトは実務関係以外は、気軽なソフトに関しては、ユーザーに支持され鍛えられてきている無料パソコンソフト のほうが、使い易くて便利なので、主にそれらを使っていますし、パソコンでゲームもしませんから、ソフトは殆ど買って無いと言う感じです。市販,有料ソフトは、とりあえず便利そうだから買っておこうと言う事は1度無く、必要に迫られて、初めて買うと言うケースが殆どですね。

2:必要な書籍、専門書だけ、あとで買えば良い。
格安パソコンに限らず、パソコンを使う場合、ハードウェアに関しても、やはり或る程度の知識が必要にはなりますが、本当に格安(激安)パソコンの場合は、M/Bにグラフィックカード(VGA),サウンドカード,LAN,モデムまで内臓していますから、"相性"や"不具合"などを考える必要は殆どありません。(但し、各内臓カードの性能は劣りますから、若干速度が落ちます)

更に経験上、格安パソコンは、ちょっとやそっと無茶をしても、大丈夫なんです。部品点数も少なく、クロックアップなども殆どできないし、あまり"いじれない仕様"になってて、中々トラブルが発生しません。BIOSメニューなどもシンプルなものです。(逆にハードに強く、いじり倒したい人には物足りないかも知れません)

なので、実際は、さほど気にする事は無いと思いますが、メカに弱い方には、低廉な関連書籍が山ほどあるので、保険のために書店で1冊買っておけば良いと思います。雑誌などでも良いでしょう。(でも、雑誌によっては異常に強くスポンサーのメーカー物を推奨されてますので、どうかな・・・)
参考:書籍通販・専門書通販

格安パソコンの場合は、特別なオリジナル仕様が無いので、一般的な書籍に書いてある事で十分間に合いますが、メーカー物の場合は、一般の書籍には書いて無い特殊な仕様があったりして、困ってしまっても、パソコン通の知人でもわからず、メーカーに問い合わせるしか無いと言う場合もあります。

3:電話サポートが無くても保証はある。
使い方を懇切丁寧に教えてくれる電話サポートが無い格安パソコンショップでも、保証はしてくれますし、故障や商品トラブルなどに関しては電話サポートもあります。使い方がわからなくても、書籍を見るなり、インターネットのパソコン無料相談室 で聞くなり、知人などに尋ねれば、わかる場合が大半だと思います。トラブルが発生しても、M/Bなどの使われている部品が大抵はメジャーな物なので、型番で調べれば解消方法が見つかります。
逆に、電話サポートがあっても、本当に懇切丁寧に教えてくれるのは有料であったり、教えてくれても電話ではわかり辛いと言う事もあるようです。

又、サポートで一番困るのは、壊れた時だと思うのですが、格安パソコンショップでも、保障期間内であれば、きちんと交換してくれます。(※有料か無料かショップによって異なると思います。尚、パーツなどが、初期不良の期間であれば、送料負担ですぐに交換して貰える激安店が大半です)

おおよそ以上のような感じですが、まとめますと。

●格安パソコンは、安物なのに、意外と壊れ難い。
●格安パソコンは、ノーマルなDOS/Vマシンなのでメンテナンスが楽で、関連情報が豊富だ

以上の理由で、格安パソコンは、意外と初心者向きだと思います。

但し、格安パソコン(主に3万円代の物)の最大の弱点としては、CPUは高クロックでも、M/Bなどのパーツが速度よりも安定性を重視しているタイプが多いので、パフォーマンスが低いと言う点があります。或る程度の速さを望まれる方は、使用パーツを吟味する必要があると思います。

1:これらはあくまで私が得た経験によるものであって、全ての格安パソコンにあてはまる物ではありません。
2:ここで言う格安パソコンとは、主に3万円〜5万円までの激安価格のパソコンの事を指しています。
3:ここで得た情報を元に、格安パソコンを購入した場合、何らかのトラブルが生じても、当方は一切の責任を負いません。参考と言う事でお願いします。(でも、故障品なら、大抵はショップ側で対応してくれますから、大丈夫だと思います)

*

尚、更に高速なパソコンでも格安パソコンショップを利用すれば、格安で仕上がります。昨年自作したPCの実例を、ちょっと紹介しておきます。

※尚、以下の激安パソコンは、2001年12月現在の物であり、現在は同スペック以上の物が、遥かに安く自作する事が可能です。(2003年3月14日追記)

参考までに、当方のAthlonXP1600+の自作マシンを紹介します。
■主なスペック
CPU:AMD AthlonXP1600+ システムクロック138Mhzで使用 
MEM:DDR PC2100 CL2
M/B:GIGABYTE GA-7VTX ※1
VGA:Nvida G-Force2Ti ※2
HDD:HDD IBM:IC35L040 このHDDは20Gプラッタなので、40Gプラッタ版をお勧めします。

クロックアップはM/BやBIOSメニューではいじれませんが、添付のEASY TUNE3をWindows上で操作できます。※3

費用としては、その他のパーツも含め、2001年12月で、おおよそ8〜9万円程度です。当然ですが、こちらの激安パソコンショップの通販を利用しています。
似たようなスペックで、こちらこちら などでBTOパソコンを更に安い価格で販売していると思います。

■ベンチマーク結果 目安程度に。安定動作状態です。
3DMark2000 10313
3DMark2001  4541
Superπ104万桁 1分17秒 (77秒)
HDBENCH 3.22 下記表 参照
ALLIntegerFloatMemoryRMemoryWMemoryRWDirectDrawRectangleTextEllipseBitBltReadWriteCopy
34737606957332024980358794125084738008250912132139034770424014491

上記ベンチマークソフトは無料パソコンソフト - ハードウェア診断 で紹介しています。

※1:このM/Bは割安で、格安パソコンに良く使われてますが、メモリー効率などが良いのか、Superπで良い結果を出しています。某パソコンショップのベンチマーク結果では、AthlonXP1700+が、1分22秒 でしたので、良好な結果と言えそうです。尚、LAN,Creative CT-5880を内臓した GA-7VTXH との実売での価格差が殆ど無いならば、7VTXH+をお勧めします。

※2:ゲームなどの3D系をあまり重視しないならば、より低廉な3000〜4000円程度のVGAでも十分で、あまりベンチマークの結果に左右されないほうが良く、体感的に心地よく満足に使える、利用環境に適していれば良いと思います。

※3:EasyTune3は、BIOSで操作するよりも、簡単に初心者でも利用できますが、クロックアップされる場合は、CPUなどのデバイスの破損と言うリスクもつきまといますので、十分注意して、過剰な値にせず、自己責任で行って下さい。これにより破損した場合、保障が受けられなくなります。 


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